<トイレ>
日本人にとって中国旅行最大の難関の一つがトイレです。慣れてしまえばどうってことないのですが、吹っ切れるまではかなり苦労すると思います。
ご存知の通り中国の多くのトイレは有料です。値段は大体3角〜5角で、観光地の近くなどに行くと1元とられることがあります。1元よりも高かったらぼったくりだと考えて良いと思います。ただし必ず有料というわけでもなく、とられないところもよくあります。オリンピックを控えて北京の公衆トイレはほとんどが無料になっているようです。有料の場合は入口のところに係がいるので、そこでお金を渡します。紛らわしいことにたまに入口で紙を売っている人がいて、有料だと思ってお金を渡したら紙を渡されたこともあります。また料金を払うと紙をサービス(?)してくれるトイレもあるようです。
上海、人民広場の豪華な公衆トイレ。たぶん有料 |
ありません。国際空港やよほどきれいなデパートのトイレでもない限り紙はありません。かならず持ち歩きましょう。といっても観光にいちいちトイレットペーパーを持ち歩くわけにもいかないので、日本からティッシュを持ち込むか、中国でティッシュを購入することになります。スーパーに行くと手帕纸(紙ハンカチ。纸手帕だったかな?)とかいうティッシュを売っていますので、これを買っておくと便利です。1パック10枚入りで10パックセットで2元から4元くらいです。
北京や上海など沿海部の大都市はそこそこ整備されていると思います。きれいなデパートも多く、町中にいる限りはトイレの水準に不自由することは無いでしょう。しかしちょっと市街地から外れるとすぐに中国の伝統的なトイレが待っています。また沿海部を離れ内陸部に行くと、奥に行けば行く程どんどんレベルが落ちて行きます。内陸に向かって進んで行くうちにトイレに対する要求水準がどんどん下がっていくと思いますが、汚いトイレ、扉の無いトイレはどうしても生理的に受け付けない、という人は北京や上海から出ない方が良いと思います。
中国の基本的なトイレのスタイルは、床に溝が掘ってあってしきいでいくつかのスペースに区切ってある、というものです。もちろん扉はありません。中国人がタバコを吸ったりしながらのんびりと用を足しています。日本ではあり得ない光景ですが、そのうち慣れます。慣れる、と言うか、「出物腫物所嫌わず」、トイレがどうこうなんていちいち構っていられなくなってきます。なお定期的(一時間に一度くらいでしょうか?)に水(かなりの急流)が流れて、溝にたまったモノを流します。
もちろん日本のようにちゃんと個室に区切られて、便器もあるトイレもありますが、そういうトイレでも扉が無いことがよくあります。そもそもついていなかったのか、あとで取れてしまったのかは不明ですが、もともと扉のない文化なので壊れたら取ったまま放置していることも多いようです。
以下かなり汚い話になります。ごく個人的な考えなのですが、溝と便器とどっちが良いかというと、むしろ溝の方がマシだったりします。特に新疆をバスで移動してまわっていたときのバスターミナルに多かったのですが、便器がある場合、流していなかったり流れていなかったり悲惨な状況になっている所がかなり多いです。新疆ではバス移動の上にずっとお腹の調子が良くなかったのでトイレは何度も使ったのですが、きれいな所を探すというよりは一番マシな所を探さざるを得ないことが多いです(でも結構慣れます。人間の適応力はなかなかすごいです)。その点、溢れる心配の無い溝式の方がまだマシです。
更に奥地に行くと「穴」もよくあります。新疆や雲南、内モンゴルの方に行くと多いです。単に斜面に板を渡してあるオープンエアー式もあれば、一応掘建て小屋が立っているところもあります。くれぐれも落ちないように気をつけましょう。あと遊牧民のパオみたいな所に泊まると完全に存在しない(どこにでもある、とも言えますが)こともあります。
雲南の奥地、雨崩村のトイレ |
雲南の奥地、雨崩村のトイレ |
変な話ですが個人的な感想を述べさせてもらうと、野原>穴>溝>便器の順できれいと言うか気が楽なような気がします。もちろんちゃんと掃除してあれば便器の方が良いに決まっていますが、手入れがされていない場合便器があるとむしろ一番汚くなります。まあ最後は慣れですけどね。