長距離バス その一 <長距離交通>
新疆やチベットのような鉄道網が整備されていない地域での移動の主役はバスです。バスでの長距離移動はつらいように思いますが、慣れればそれほど苦にはなりません。鉄道よりもチケットを買いやすくて便利だという面もあります。
アクスのバスターミナル |
長距離バスも市内バスと同様様々なルートを走っています。一、二時間程度の距離から三日四日かかる長距離バスまで様々です。一般的に四、五時間程度の距離であれば座席バス、一晩以上かかる距離であれば寝台バスが使われます。チケットは基本的に全席指定ですが、短距離であれば席以外のところに座って乗ることもできます(後述)。
西安発深圳行き、総走行距離2251Km!何日かかることやら |
寝台バスの寝台は左右の窓際及び真ん中と三列の寝台が並び、どれも二段ベッドになっています。で、一台の定員が大体30人くらいです。高さはかなり低く、背の低い人でも背筋を伸ばして座ることは無理で、常に横たわった状態になります。また鉄道と同様下铺と上铺で値段が違います。
中国人は日本人よりも平均身長が高いらしいのですが、そうはいっても座席や寝台のサイズは若干小さめです(自分がでかすぎるだけ?)。体の大きい人にとっては少々窮屈だと思います。あと夜行バスに乗る場合はアイマスクは必須です。列車と違ってバスは対向車のライトがピカピカとうるさいので、アイマスクが無いとなかなか寝付けません。
寝台バスの中。これはホータン発ウルムチ行きで中国で乗った中で最もきれいなバス |
小さな街でも複数のターミナルを持っていることがよくあります。ターミナルごとにバスの行き先が違うので、バス移動の前にホテルのフロントなどでどのターミナルからバスに乗れば良いか確認してから移動してください。
中国最西の都市カシュガルのバスターミナル |
バスは数が結構あるので、鉄道に比べチケットを手に入れやすいです。前日に行けばまず間違いなく手に入ります。夜行であれば当日の昼くらいに買いに行けば問題無く買うことができます。窓口に関しても時間と行き先と枚数さえ言えば買えます。値段的にはおそらく鉄道よりも若干安い程度だと思います。バスに乗ってお金を節約!、という程ではないはずです。
ちなみに行き先や時間が曖昧なときは窓口で聞くよりも、直接バスの運ちゃんに聞くことをお勧めします。窓口はガラス越し格子越しで話しづらいし、係も「チケットを売ることだけが仕事」という感じで、質問しているとかなりうっとうしがられます。情報収集の場合はチケット売り場には行かず、バスが停まっている駐車場に直接入って、バスの前に座っている運ちゃんに聞いた方がわかりやすいです。場合によっては客の代わりに窓口まで行ってチケットを買ってきてくれたりします。
バスは地域によっては競争が激しいらしく(特に雲南)、運転手が自らターミナルの前で客引きをしていることがあります。そういう場合は値段を値切ったりもできるので、試してみてください。
なおチケットには大体バスのナンバーがどこかに書いてあります。バスの表示が行き先と違っていたり、同じ目的地で複数のバスがあったりするので、乗るときはナンバーをちゃんと確認してください。