価格交渉 <買い物>
要はいかに値切るか、というノウハウです。中国に限らずアジア諸国において「値切る」という行為は、決して「サービスで安くしてもらう」ことではなく、「適正価格で売ってもらう」「自分が欲しいと思う値段で売ってもらえるように交渉する」ことです。つまり大事なことは以下の二点です。
高いものであれば知合いの中国人に大体いくら位するものなのか聞いてみましょう。あるいは現地人の買い物を眺めて、いくらくらいで買っているのかを観察することも大切です。またしばらく旅行をして通貨の価値がある程度わかってくると、品物を見ただけで値段が大体わかるようになります。そのような値段に比べて高い場合は価格交渉が必要になります。これは決して「安くしてもらう」のではなく「当たり前の値段で売ってもらう」ということです。「こんなものは○○元に決まっている」と自信を持って臨めば簡単に値切れます。
買い物をしたあと別の人がもっと安い値段で買っているのを見て「騙された!」と思う人がよくいるようですが、そういう考えはアジア諸国では通じません。価格交渉をして納得した上で買った以上、その値段について後から文句を言う権利はありません。「100元払ってもこの商品が欲しい」「この商品には100元の価値がある」と考えて買ったのですから、他の人が同じものを10元で買った所で全て自分の責任です。
なので重要なのは「自分はいくらで購入したいか」をしっかりと決めておくことです。そして価格交渉のときは自分で決めたその値段(もしくはその値段よりも少し安め)を最初にはっきり言ってください。この値段が安過ぎた場合すぐに「帰れ」と言われますので、こうなったらもう交渉失敗です。そこからこちらの値段を引き上げても足下を見られるだけなので、さっさと退散して別の店を探しましょう。逆に向こうから価格提示があったら脈あり、というより90%は成功です。あとはこちらの提示した値段で徹底的に粘ればどんどん安くなります。ここでこちらの価格を引き上げる必要はありません。向こうが途中で音をあげて「帰れ」と言われることはまずありません。下げて下げて適当な所で「しょうがねえなあ、払ってやるよ」といえば交渉成立です。
まず値切れないものをあげて行きましょう。鉄道のチケット、これは値切ることはできません。あとは・・・デパートやカルフールのような大型スーパーでは値切れません。あと麺などの小食堂のメニューも値切れません。あとトイレも値切れません。それ以外はほとんどのものを何らかの形で値切れると言って良いと思います。
例えばちょっと高めのレストランは多少値切れますし、一部地域ではバスのチケットも値切ることができます。ホテルは基本的に値切って泊まるものです。電化製品や服は言うに及びません。国内ツアー料金ももちろん値切れます。観光地の入場料は基本的には値切れないのですが、どういう仕組みなのかガイドがいると安くなったりするところもあります(価格交渉で安くなるわけではないですが)。あ、屋台で売っているようなDVDは逆にほとんど値切れません。中国人が値切ろうとしているのを見ることがちょくちょくありますが、成功しているのはなぜか見たことがありません。
まあそこら辺の呼吸はしばらく旅行をするうちに自然に身に付くはずです。
「中国人は娯楽として価格交渉を楽しんでいる」ということを言われたことがあります。値切れる値切れないは別にして、価格交渉をネタに他の人としゃべるのが楽しい、ということでしょう。観光地に行くとお土産物の屋台がたくさん並んでいますが、そういう所をブラブラしながらおっちゃんおばちゃんと話をするのは結構楽しいものです。中国語の勉強にもなりますので試してみましょう。