ウラジオストック
その二 2/5
スカスカの待合室でぼーっと待っている。中国の電車とはやはり全く違う。さっき電車まで行った時にアメリカ人のポールさんと知り合った。モスクワの一日手前の何とか言うところまで行くらしい。コマンドーみたいな無口なロシア人と一緒になったら一週間どうしよう、とビビっていたのでほっと一安心。旅行の話などをする。
今日は九時起床。
乗り込んだ。四人掛けのコンパートメントでドア付き。中国の软卧と同じである。ただしこれはハードシート(二等席)、一等のソフトシートは二人掛けらしい。中国の硬卧の条件の悪さがわかる。あれはあれで楽しいんだけどね。で、出発五分前(始発駅なので定刻に出るはず)にしておれ一人だけ、つう事はしばらくは俺一人かな?それはそれで寂しいものが・・・。検察開始後押すな押すなで乗り込む中国の列車とはやはりだいぶ違う。
・・・出発。いよいよユーラシア大陸横断の汽車の旅の始まり。案の定俺一人。あとでポールさんを探しに行こう。
で、今日。九時に起きて十一時半まで部屋で休憩。ネット作業等。やっぱり足が痛い。十二時ちょっと前にチェックアウト。チェックアウトの前に「ホテルについたらビザの登録をしてね」という旅行社の注意書きを思い出して、レセプションで「ビザのレジストレーションをしてくれ」と頼んだら「そんなもん知らん」と言われた。日本人もそれなりに泊まっているホテルで知らんというのだから、そんなに重要なことでもないんだろうと無視する事にする。インターネット代200ルーブル。
レセプションでバスを聞いて59路のバスで市内へ。8ルーブル。バスを理解していればあのホテルもまだマシなのだが。
バスを下りて街並を眺めつつブラブラする。街角に屋台が出ていたので食べてみる。暖かい包子みたいなの17ルーブルとコーヒー7ルーブル。味はまあまあかな。出してくれた時は温かいんだけど、食べ終わる頃にはすっかり冷めてしまった。コーヒーは普通だなと思って飲んでいたら、そこの方に砂糖と粉がごっそり残っていてびっくり。よくかき混ぜて飲みましょう。屋台を見てたら次の人はピロシキを買っていた。しまった、ピロシキあるならそっちの方が良かったなあ。何があるのかわからないので「前の人のあれ」と注文したのだが、前の人がピロシキ買ってくれれば良かったのに、と公開しつつ歩いていたらピロシキの屋台もあったので、せっかくロシアだから、と購入。17ルーブル。もうお腹いっぱい。
適当に歩いていたら氷原に着いたので凍った海の上を散歩。氷に穴をあけて魚釣りをしている人が結構いる。風が吹くとかなり寒い。
ひとしきり氷原を歩いたあと、歩いて鷲の巣展望台へ向かう。展望台というだけあって山の上で、バックパックを担いでの登りは相当きつい。道凍ってるし。良い運動ではある。
鷲の巣展望台からはウラジオストックの半分くらいを一望できる。なかなか良い景色なのだが、少しもやがかかっていてすっきり見通すとまでは行かないのが残念。荷物を下ろして休憩。肩が痛い。といってずっと座っていると凍えそうになるのも困る。
展望台からはまっすぐ山を下り、何とか大通りまで来て革命広場の方へ戻り、途中で海岸通に下りる。飾られている潜水艦や、停泊中の軍艦などを眺める。潜水艦は博物館になっていて中に入れるらしいのだが、何せばかでかい荷物を背負っているものであきらめる。この辺にはベンチに座って激しくキスをしているカップルもいたのだけど・・・寒くないのかな?
ここから革命広場に戻り、グム百貨店を見学、あまりの活気のなさに呆れる。ずっと昔見た中国の国営百貨店なみである。百貨店というか、個人商店の寄せ集めのようなたたずまいで、しかも建物の面積に比して店の面積が少なく、空きスペースがいっぱいあるので余計に寂しく感じる。そこらにあるスーパーや自由市場はずいぶん賑わっているのに。次に昨日夕食を食べた店の裏側に屋台街を発見。本や靴下、ニシンや子供服などを売っている。ここでビスケットを500g分購入。40ルーブル。Kg80ルーブルなんだけど、これとこれ、と指差して「4」と指を出したらわかってくれた。素晴らしい。
そのあと近くを歩き回ってスーパーで更なる食料品の調達。ビール五本とパンとチーズ。カップラーメン10食分、ビール500ml5缶、パンが五種類2.5Kgくらい、チーズ3種、チョコレートたくさん、ビスケット500g、蜂蜜、茶葉いろいろ、ほぼ完璧だ。ただあちこちで売っていたドライフルーツとひまわりの種を買い忘れたのが心残りである。
で、昨日と同じ店で夕食。109ルーブリ。ここは食べやすくて値段も手頃で良い。モスクワでもこういう店を見つけないと。そこから歩いて駅へ。改札とか無くて英語の表示も無くてどうするんだろう、とうろうろする。トイレ8ルーブリ。どうも改札というのは無くて外から勝手に好きなプラットホームに行けるらしい。モスクワ行きは5番ホームなのだが、どこだかわからないので適当な所で聞いてみたら、「ハルピン行き」だといわれた。ハルピンに直通列車があるのか。通りで街で中国人を何人も見かけたわけだ。ハルピン、良いなあ。で、その人に教えてもらって5番ホームへ。列車に行ったら「まだだ」と言われたので、待合室に戻ろうとしたところでハワイから来たポールさんに声をかけられる。外でしばらく立ち話。どこに旅行した、とかそんな話。日本から来たらしい。北海道は良いところだ、としきりに褒めていた。俺は北海道に行ったことがないと言ったらヨーロッパまではるばるいくのに北海道は行ったことが無いのか、と驚かれてしまった。まあいわれてみればちょっと恥ずかしいかも。でもハワイに行くより北海道の方が高
やばい。昨日の晩の記憶が無い。
起きたら机の上にビールの缶がいっぱい並んでいるし、5本買っておいたビールはもう一本しか残ってないし。記憶が飛んだ時も普通は断片的な記憶が残っているものだが、今日はあるときを境にぷつんと切れている。昨日の晩、セルゲイにウォッカとビールのチャンポンはダメだ、と言われたのだが、そのせいかなあ?頭もちょっと痛い。そのセルゲイは起き抜けにまたビール飲んでるし。
外はまさにシベリア(→)、という雪原が広がっている。ツンドラ(→)?タイガ(→)?タイガじゃないな。木はほとんどない。列車の中は十分暖かいけど、列車の連結部に行ってみたら凍り付いていた。
寝たいのだが、昨日の分を書いておく。ポールさんはハワイ在住なのだが、ハワイより北海道に行く方が高く付く、と言ったら驚いていた。それはさすがにちょっと大げさかも。でも往々にして国内旅行よりも海外旅行の方が高く付くのは事実である。で、彼は35年前に中東、中央アジア、東南アジア、中国、日本、ロシア、ヨーロッパを旅行して、今回全く同じルートを旅行しているとの事。そういうのも面白いなあ。曰く、ロシアは全然変わってない、だって。
で、シベリア号(→)へ乗り込む。意外とぼろくて、ハルピン行きの方がよっぽど(少なくとも外観は)きれいである。はじめは一人だったのだが、次の駅でナホトカ出身のセルゲイが、その次でロシア人のトニー(じゃ無かったんだけど名前忘れてしまったのでトニーということにしておく。イワンでもマレンコフでもトニスキーでも何でも良いんだけど)が乗り込んできた。でそこからさっそく酒盛りが始まる。セルゲイのウォッカ、トニーのよくわからん大瓶のビール、俺のビールと蜂蜜。知ってるだけのロシア語(といってもハラショーとかフクースナとかそれくらいだけど)とジェスチャーでコミュニケーションをとりながら飲む。で、そのうち記憶を失って今朝に到る。マジで全然覚えていない。起きた時にはマジで焦った。
気持ち悪くなってきたのでまた寝る。
今日の歩数 23572歩
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