廬山

その二 6/6


6/6 15:31九江駅にて

 疲れた。頭がカッカしている。九江駅にて広州行きの電車を待っているところ。下界はやっぱり暑い。
 5:40起床。起きて荷物をまとめる。かなり寒い。外に出るとちゃんとタクシーが来ていたのでチェックアウト。荷物を車に放り込んで出発。やっぱり車はこういうところが便利だ。
 今朝は昨日にもましてすごい霧。道が全く見えない。道を知らなかったら歩くことさえままならないと思う。まずは潘阳台だったかな。晴れたら潘阳湖から昇る朝日を見ることができるらしいがもちろん霧で何も見えない。365日のうち200日はこういう霧だとか。
 次に植物園に行くがここも霧を見にきているようなもの。すぐに出る。次は庐山最大の見せ場である三叠泉へ行くが、その前に飯。肉丝面。体があったまる。ついでに庐山の特産品だという雲霧茶の味見をする。おいしかったけどお茶は龙井でもう購入済みだったので買わない。1両50〜60元。昨日スープで食べた石耳も売ってたが高い方は1両3600元という途方も無い値札がついていた。さすがに何かの間違いのような気がする。安い方は1両30元くらい。ここでは廬山の名物だという茶餅を購入。1斤20元で5両(10個)10元。
 ここでまた門票51元を買う。本当にどこへ行っても金がかかる。ちなみに1元は保険代とのこと。
 ここから延々と山下り。下り始めすぐはやっぱり霧。もうもうたる霧に覆われた岩山の中を歩いていると仙界というか異界の中に迷い込んだような気がする。中国の武侠映画のオープニングのワンシーンのよう。こういうところから『聊斎志異』のような物語が生まれたんだろうなあ、とちょっと感動した。
 で、三叠泉瀑布は本当にすごかった。三段の滝なのだが、一番下の段一つだけ取っても十分に見る価値があると思う。
 大分山を下ってきたせいか、ちょうどこの辺から霧も薄くなってきて庐山の峨々とした山並みが見えてきた。非常に壮観である。下には小降りの滝(天門潭)もあった。
 一番下まで下ったところでタクシーと合流。ひたすら下りで大体二時間半の行程だが、ここは本当に見応えがあって良かった。庐山に来てさんざん金を使ったが、このルートを歩いただけで満足したような気がする。「三叠泉を見ずして庐山を旅したというな」という言葉もあるらしいが、確かにその通りだと思う。まあ裏を返せば他はほとんど何も見えなかったということでもあるが。
 山を下ったところから車で秀峰へ移動。秀峰は庐山の山中にあるのかと思っていたが、かなり違う場所らしい。一時間くらい走る。ちなみに秀峰の追加でタクシー代も+100元。内30元くらいは高速代。車に移動中庐山を見ていたのだが、やはり山頂付近は霧というか雲にすっぽりと覆われていた
 秀峰は門票50元にケーブルカーが60元。全く金がかかる・・・のだがここも実に良い景色である。来る価値あり。巨大な廬山瀑布馬衛瀑布、香炉峰や双剣峰など(峰に関してはどれがどれやらわからないが)とにかく絶景である。
 運ちゃんはケーブルカー使わなかったら往復で3時間くらいとか言っていたが、見た感じ登りだけで4〜5時間はかかりそう。ケーブルカーで25分くらい。歩きなら二つの大瀑布の滝壺を見ることができるが、逆にケーブルカーの素晴らしい見晴らしは楽しめない。金ばっかりかかって腹立つけどケーブルカーで正解だった。他にもいくつか小さな滝がある。そういえば帰りのケーブルカーに乗っていたら途中で突然停まって何事かと思った。まさかと思ったが、どうも誰も乗っていないと判断して停めたらしい。数分で動き始めて俺が下りたらまた停めてた。ちゃんと確認できてるなら良いけど目算で停めるなよな。
 これで観光はおしまい。九江に帰る途中で昼食62元。本場の回锅肉はやっぱりうまい。このくらいの値段なら納得して払えるんだけど。
 駅の手前の中国銀行で2万円を両替。お金をたくさん使ったというのもあるが、念のために持ってきた現金をさっさと処分したかったので。
 で運ちゃんに500元払ってお別れ。さんざん飯を食べさせたというのもあるけど、親切で良い人だったと思う。電話番号をメモしておく。
 冯国平 手机13707923658
 三人の旅行だったら貸し切りタクシーは非常にお得なんじゃないかな。
 俺のために電車のチケット買うのを手伝ってやるというのはお断りして、自分でチケット購入。広州行き空調快速硬卧中铺251元。結構高いよなあ。元々は南昌にバスで戻って最悪一泊して南昌から広州へのつもりだったのだが、九江から乗れば良いというのも運ちゃんのアドバイス。三峡クルーズは宜昌から、広州より深圳の方が面白い、などなどいろいろ話を聞いて勉強になった。


6/6 20:01広州行き列車内にて

 夕食をすませて日記。今日はカップラーメンと怪しいパンみたいなの。ラーメンは3元。列車に乗ってしばらくして、箸が無いことに気付きあせったがそういえば中にフォークが入ってるんだった。ラーメンはやっぱり辛い。辛いのが苦手な人には無理かも。注意しよう。
 中国には総菜パンみたいなのは全然無くて(それに代わるのが包子何だけど冷めるとおいしくないので)、味の薄いマドレーヌみたいのしか無いのでちょっと困る。まあ列車内ならひっきりなしにいろいろな食べ物を売りにくるので不足はしないのだが。
 列車は始発なのでたぶん時刻通り発車。ちょっと前の電車は40分くらいと2時間近く遅れているようだった。
 列車の中はかなりガラガラ。三段ベッドの最上段は全部あいているようだ。今日は中段。下段と違うのはテーブルを使えないことくらいかな?あとはそんなにかわりは無いと思う。値段はちょっとだけ安い。
 列車に備え付けの开水(お湯)を使いこなすのにも慣れてきたし、慣れると硬卧でもかなり快適である。
 今日の歩数 18151歩

 いくつか書き忘れたことをメモ。
 庐山には28年間「庐山恋」といウエイが一本だけを描け続けている映画館がある。26年だったかも。
 九江は江西省第二の都市である。
 九江の高速入り口付近にスズキの巨大な工場がある。
 九江で石を採掘して日本に輸出している。墓石に使われる。細工物もありたぶん人の背丈程度の獅子の像一対で4万元。
 九江の赤土を景徳鎮に運んでいる。陶器を作る材料になる。景徳鎮には良い土が無い。九江には陶器を作る技術が無い。


前へindex次へ