ラサ

その四 10/16


10/16 12:24ポタラ宮脇の食堂にて

 結局ポタラ宮行けなかった。残念・・・昨日の朝の登録で今日入れるものと思っていたのだけど、昨日は登録の予約で、今日登録して、明日ようやくチケットを買えるらしい。なんと無駄な手間ひまのかかるシステムだ。下手したら明日チケットを買って、あさって見学なんてこともありえそう。どおりで代行手数料を80元も取るわけだ。
 で明日はナムツォへ行くので(ポタラ宮よりこっちの方が興味ある)、ポタラ宮は結局外から見るだけで中には入れない、ということになる。まあ正直外から見るだけでお腹いっぱいなところがあるので、そんなにがっかりはしてないけど(中ならノルブリンカの小さな宮殿と大差はないだろうし)かなり無駄な時間と労力を費やしてしまったのが腹立たしい。荷物の問題が無ければギリギリ入れたと思うんだけど、あそこからどうにも歯車が噛み合っていない。


10/16 19:41食堂にて

 今日は今日でなかなか充実した一日だった。
 朝のことから。朝は八時くらいに起きて飯食って駅に行ってみる。しばらく歩いて、ほんの少し、一駅分だけ97路のバスに乗って、公交公司のバス停で91路に乗り換え。97路で直接行けると思ったのだけど、やっぱり地図は大分古いようだ。91路のバスはちんたらちんたらと走って20分ほどでに到着。駅は市の西南に位置していてそんなに遠くないのだが、河に橋が無い(今建設中)なので、市の東側の橋を渡って、川沿いを延々と西に向かって走っていく。駅にはほとんど何もない。出る電車は朝のうちに出てしまって、到着するのは全部夜ということで乗る人も下りる人もいない。景色を楽しめるようにラサ〜ゴルムド間を昼間のうちに走るということなのだろう。いるのは工事かチケット購入の人だけのはずなんだけど、目的のよくわからない藏民の人がちらほらという感じ。
 チケットは予想通り壊滅的。明日発西宁行きの软卧があるだけで、あとは21日まで全て「无」。服務費は少々高くても旅行社に頼むのが良さそうだ。
 再びバスに乗ってユースホステルに戻り、帽子をかぶって(ラサは日差しが強いので帽子が必要)ポタラ宮へ。


10/16 20:36ユースホステルにて

 ポタラ宮では西門で列に並んでチケットの購入をじっと待つ。もこれはただの登録で買えなかった、というのは前述の通り。ただこの時は近くの韓国人や広州人と雑談をしていていろいろと面白かった。
 ポタラ宮の近くで酸辣粉5元を食べて、歩いて北側の湿地帯を見に行く。道路は全て工事中でまるで田舎である。湿地帯は柵で囲われていて何も見れなかったので、バスに乗ってさっさと帰ってくる。
 ホステルで一息入れてから近くの路地を探険。まるで迷路のような庶民の街をうろうろする。別に何か特別なものがあるわけじゃないけどこういうのは楽しい。
 うろうろしているうちに小昭寺路に出たので、前に目を付けていたポテトチップ一元を食べる。セルフで塩と辣子をかけるんだけど、俺のかけ方が下手でしょっぱかったり辛かったり。でもおいしかった。できれば揚げたてのまだ温かいのを食べたかったけど。
 その後また大昭寺の方へ行って、迷路をぐるぐる回ってホステルへ帰還。
 ホステルではたぶん俺のベッドの上の広東仏山の女性と雑談。王老吉とリンゴを一個もらう。こちらからはさっき買ってきた豆を提供。「これ実はあまりおいしくないのよね」とか言いながら結構食べていた。こういう食べ物のやり取りはいかにも中国らしいコミュニケーションである。どこで情報を仕入れてくるのか知らないけど、「大昭寺は六時になったら門が開いて参拝の藏民がどっとなだれ込むので、その混乱に乗じてタダで入れる」と教えてもらって、一緒に行くことに。正直中はどうでも良かったんだけど暇だったので。
 門の前でチベット人に混じって列に並んで、いかにも神妙な面持ちのふりで開門を待つ。六時過ぎの開門時は確かに相当な混乱で押し合いへし合いもみくちゃにされながら中へ。中にも列があるんだけど、何人かのチベット人は1.6mほどの柵を乗り越えて入っていく。大変だねえ、と眺めてたら広東のお姉ちゃんも乗り越えると言い出すので、仕方なく一緒に登ろうとしたら、警備員に止められてしまった。おとなしく他の人と一緒に列に並んで中へ入る。中ではたくさんのラマ僧がお経を読んでいて、どこぞのテレビ番組ででも見たことがあるような神聖な雰囲気である。一元を十枚の一角に両替してもらって適当にあちこちにおきながら堂内を一周する。(この両替もお堂の中におかれた一角札を適当に集めて交換しているのだろう。妙なリサイクルである)一番奥の小さな部屋(チベットの寺は大体こういう作りになっている)の混雑はもっとひどかったけど、あの神聖な雰囲気は良い経験になったと思う。そこを抜けると混雑は無くなるので適当に見て回ったり、二階に上って写真を撮ったり
 そこからホステルに戻って一息入れて夕食。魚香茄子13元。やっぱり高いけど、こちらは味はまあまあ。ホステルに戻り、明日のツアーの電話連絡を受けて(フロントに行ったらちょうどかかってきたところだった)部屋に戻る。
 部屋に戻ったら今度は深圳の人と雑談。ホータンの西の何とかいうところからバスに乗ってきたらしい。・・・六日間だって。驚いたことに途中日本人の女の子二人と一緒だったとか。パキスタンから新彊に入って、そこからラサを目指したとのこと。ビザ無しで滞留できるのは15日間でその間にネパールに抜けるとかなんとか。当然入藏函も無いはず。正直なところ「そんなことして何が楽しいの?」と聞きたい。何か得るものがあるのならそれで良いんだけどさ。
 今日の歩数 22759歩

 10/19追記 後になって気がついたんだけど、要はパキスタンからインドに直接抜けるのは危険なので、中国、ネパールを経由してインドに入る、ということなのだろう。・・・飛行機乗れよ。


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