ラサ

その二 10/14


10/14 13:36食堂にて

 首尾よく荷物を取り戻すことができた。これで心置きなく旅行を続けられそうだ。
 今朝は八時ちょっと過ぎに起床。サイクルリキシャーで飛行場行きのバス停へ。5元。ラサもバスがあるにはあるんだけど、バス停がホテルとか政府の建物の名前ばかりで、どこに止まるのかよくわからないので使いにくい。サイクルリキシャーは十分安いし。
 バス停についたらちょうど一台出発するところでギリギリ乗り損ねてしまった。ちょっと遅くなるかなあ、と次のバスに乗ったんだけど、10時丁度くらいに到着。空港に入って見回すと、なんとまあ、俺の荷物がただ一つターンテーブルをくるくる回っているところだった。昨日と打って変わって今日はついている。足首の捻挫ももうほとんど治って、歩く分には問題無い。荷物を受け取って空港を出るとこれまた出発間際のバスの最後の一席に乗ることができて、素早くラサへ帰還。


10/14 22:07

 今日はよく歩いた。
 バス停ですぐにサイクルリキシャーを拾ってユースホステルに戻る。この距離は毎回5元なので5元で良いだろうと価格交渉せずに乗ったら、なんと25元だという。腹が立つ以前に呆れてしまった。まあ今回は重いカバン(チェックインするときに計ったら13Kgくらいあった)ので+2元して7元を払う。向こうはそれでも納得しなくて通せんぼをしてきたんだけど無理矢理押しのけてホテルに入ってしまった。いくら慣れていても事前交渉は絶対必要、ということらしい。
 ホステルに荷物を置いて近くの旅行社へ行き、電車のチケットを手配。しようとしたら「買えない」と言う。チケットがないのではなく代行できないとのこと。昨日は買えるって行ってたのに急に何故だ?ユースホステルに戻って聞いてみたらこちらはOK。上海まで上舖で797元。代行手数料が60元とのこと。ユースホステルのこの手のサービスは他の旅行社と比較してかなり高いのだが(外だとたぶん20〜30元くらいだと思う)、特に青藏鉄路のような限られたチケットを自分で買いに行くよりはずっとましだと思う。
 そこから歩いてポタラ宮へ。途中で昼食。酸汤米线6元。味はともかく高いよなあ。で、ポタラ宮へ行ってチケットを買おうとしたら、なんと事前登録制とのこと。まず身分証を持って行って登録して、翌日ようやく入れるらしい。普通にチケット買っては入れるんだと思ってた。しかも困ったことに登録は午前中だけとのことで、明日の朝登録してあさってようやく入れるということになる。ユースホステルでポタラ宮のチケット代行もやっていて、なんでチケット買うのにそんな代行が必要なんだろうと思っていたんだけど、そういうことだったのか。
 仕方ないのでポタラ宮の向かい側の何とかいうお寺へ行ってみる。けど門票買うのが面倒かつちょっとむかつくので入口まで行って戻ってくる。あとポタラ宮広場のまわりをうろうろしてからホステルに戻る。ポタラ宮の出口のところにチベット人のなんというか、一言で言えば物乞いに近い方々がいっぱいいて、子供には手持ちのアメをあげてたんだけど、アメが無くなったら3、4歳の男の子に足にしがみ付かれて困ってしまった。
 ホステルでポタラ宮の代行の件について聞いてみると、手数料80元でチケット100元だという。ラサの地図には門票50元と書いてあったので、外国人からボる気だな、と思ったんだけど、部屋に戻って隣のベットのおばちゃんに聞いてみたら、七月に鉄道が開通して100元になったとのこと。ポタラ宮は一日300人の入場制限があるんだけど、7、8月は旅行者が殺到して、多くのツアー客がポタラ宮に入ることができずに帰っていったらしい。でも今はそんなに混んでいなくて、自分は十時に行って間に合ったよ、と教えてくれた。
俺は一応九時前に行くけど。
 そのあとホステル裏側の大昭寺、八角街を中心としたチベット人の街をぶらぶらする。硬いチーズみたいな妙なものを一斤15元で購入。どう見ても食べきれないんだけど、一斤以下では売ってくれなかった(隣のおばちゃんも同じものを買って食べきれなかったらしい)。そのあと大昭寺の前へ。見学しようと思ってたんだけど、お寺の前で20人くらいの藏民が熱心にお祈り(五体投地)をしていて、部外者が物見遊山で入れる雰囲気じゃなかったので遠巻きに写真を撮るだけで終了。中国のほとんどの寺は観光地化してしまっているけど、ここはいまだに生きている聖地である。
 その後まわりの八角街をぶらぶら歩いてお土産物をいくつか購入13元。お経のくるくる回す小さいやつも7元くらい(いくつかまとめて買ったので一ついくらではない)で買った。旅行者はみんな知ってると思うけど、ここの値段は価格交渉の余地がかなりある(要するに吹っかけてくる)ので注意。同じようなのでも最初の言い値が10元から40元くらいまでかなり幅がある。あとポテトフライ1元(ファーストフードにあるまさにあんなので、辣子と塩をまぶして食べる。普通にうまい)と妙なパンみたいなの2元を購入。そうそう、空港の帰りにスーパーで買い物をしたんだけど、やっぱり高い。のでこの手の地元の食品を朝飯にしないといけない。そのあと、北京東路を挟んで向かい側の小昭寺路へ行って小昭寺の前まで歩く。けど面倒なので入らないで帰ってきた。寺の中なんてたいてい似たようなもんだ、という感じ。
 再びホステルに戻って一息入れて夕食。せっかくチベットに来たのだから、と藏餐の店へ。藏餐と称するわりに普通の中華が多かったんだけど、酥油で炒めたという土豆羊肉(12元)と、青稞粉をこねたものを醤油(しょうゆ、では無く一種の味噌ダレ)につけて食べる生吃肉酱(10元)というのを頼む。味はおいしいとおもうけど、食べ続けると酥油と青稞粉でちょっと気持ち悪くなってくる。大体食べたけど。
 あとこの生吃肉酱は、青稞粉の団子みたいなのを醤油につけて食べるものだ、と説明されて頼んだのに、はじめなぜか醤油が出てこなかった。で、「これ醤油とセットだよね?」「そう、セット」「まだ来てないけど」「え、醤油いるの?」意味がわからん。
 あと客が俺だけですごく暇そうだったので、お姉ちゃんからいろいろとチベット語を教えてもらった。
 こんにちは ゴンカムサァ
 ありがとう トゥジチェ
 さようなら カリシュ
 おいしい  シンブドゥ
 私は日本人です ンガ リビミィ イー (ンガ=私 リは中国語のriのような音)
 1から10  ジィ、ニィ、リン、シィ、ンガ、ヂュー、デュー、ゲ、グ、ジュ
 いくらですか コンツェ カツーレ
 この品物は5元です ジャラ ゴムンガ (ジャラ=品物)
 この品物は6元です ジャラ ゴムヂュー
 いりません(買いません) ンガ ジャラ ニュギュメー
 見ているだけです ンガ ミージダー

 あとは网吧寄ってホステルへ戻り、日記書き。ラサの夜は退屈である。
 今日の歩数 30903歩

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