カシュガル

その二 7/11


7/11 21:43ホータン行きバス内にて

 過酷な沙漠移動の始まりだ。無事に西安までたどり着けるかな?
 今日は八時過ぎに起床。買い込みすぎたビスケットを一つ食べて朝食とする。相変わらずお腹の調子はいまいち。チェックアウトまで例によって日記の入力や写真の整理などをやる。で12時ちょっと前にチェックアウト。荷物が相当重くなってしまったのでタクシーでバスターミナルまで移動5元。もうバスで持ち運ぶには重過ぎる。とはいえこの辺のお土産は西安では変えないからなあ。
 バスターミナルでまずホータン行き臥舖バスのチケットを購入。84元。となりに電車のチケット売り場があったので、西宁発のチケットが買えるかどうか聞いてみたんだけどやっぱり無理だった。ターミナル内の寄存で荷物を預ける。4元。
 身軽になって次は地図上に乗っている中国旅行社を目指すけど、結局見つからなかった。かなり古い地図っぽいからな。移転したのかも。それにしても西宁からの切符を買えなかったらどうしよう。西安行きのバスあるかな?
 ターミナルの辺に戻ってくる途中、色満路で気になる看板を発見・・・鳩料理である。お腹にやさしいものを食べようと思ってたんだけど好奇心には勝てない。中国語が全く通じないのでとりあえず席に座っていたら、勝手に料理が出てきた。定食が一種類ということらしい。パンと豆をひたしたものとスープと鳩の丸蒸し。かなりうまかった。予想通り小骨が多くてちょっと食べにくいけど、あっさりしていておいしい。お腹にもやさしそう。
 飯食ってバス停行ったらちょうど駅行きのバスがあったので、何もすることも無いことだし見に行ってみる。1.5元。本当にすることがない。駅はなかなかきれいなんだけど、一日に出発二本、到着二本(いずれもウルムチ発着)しかない過疎駅である。そのわりには客が多いけど。チケット売り場を覗いてみたら、予想通り席が全然無かった(硬座は結構あるけどウルムチまで遅い列車で30時間、きつ過ぎる)。観光客が多いわりに不便なところだ。
 駅から人民広場へバスで戻る。暇なときは本や、ということで広場の隣の新崋書店で暇つぶし。中国の本屋は堂々と座り読みできるので暇つぶしには絶好の場所である。座ってHSKの模擬問題などを見ていた。中国来て結構しゃべれるようになったような気がするものの、文法問題なんかはやっぱり難しい。
 (追記)そうそう、本屋といえばシルクロード旅行中ずっとお腹の調子が悪くて、無料できれいなトイレをいつでもつかえる、という意味でも本屋はとても便利だった。バス移動中に下痢でもしたら悲劇なので、この本屋では神経質になって何度もトイレに行っていた。中国のトイレというとしきいだけでドアが無い、というのが半分都市伝説のように語られているが、少なくともこの本屋は違う。この本屋のトイレは、しきいもドアも無い。しかも大の方はなぜか一段高くなっていて、まるで舞台の上で用を足しているような気分になる。まあシルクロードをバスで移動してまわっていると、そんなこと気にしなくなるけど。板を渡した穴とか、沙漠のど真ん中の道端の草影とか何でもありである。女性にはかなりつらいと思う。


7/12 北京時間10:48ウルムチ行きバス内にて

 ホータンまで来たもののゴルムドへの道は遠く、結局ウルムチへ戻ることにした。あと二日あれば行けたんだけど、残念。まあウルムチまで沙漠を縦断する1500km、20時間のバス旅行もそれはそれで面白いだろう。
 昨日の続き。本屋を出て暇つぶしに人民公園へ行ってみるけど、人民の公園というわりに入場料を取られるのでやめておく。3元と安いけど、単に座って休みたいだけなので1元でももったいない。
 しばらく入口の広場に座って休んだあと、昨日のバザールへ。何を買うとも無くぶらぶらする。手前は旅行者向けのお土産品、奥に行くと日用品が置いてあって、奥へ行くほど客が少なくなる。フラフラしていると食料品区に干果をいっぱい置いてある店を見つけたので、4種類50元購入。たぶん各200g。これ食ってみろ、あれもうまいぞとどんどん勧められて食べているうちに、完全に相手のペースにはまってしまい、ほとんど値切れなかった(値引きさせたのは10元くらい)。普通のお店で買った方が安かったかも。あとこの辺の特産品らしい黒い果実のジュースも購入。3元。昨日買ったブルーベリーみたいなやつで黑加仑汁とかいう名前である。ちょっと酸っぱくてちょっと甘くてちょっと苦い。大人の味である。なかなかおいしい。おすすめ。
 バザールを出ようと手前のお土産区まで戻ってきたら、たくさんの漢族の旅行者がお土産を買っていた。完全な異邦人である。旧市街を歩いている時なんかも子供から「ハロー」「ニーハオ」と声をかけられる(もちろん俺を漢人と思ってのことである)。
 で歩いてターミナルまで戻って(バザールを眺めながら歩いていたら意外と近かった)しばらく日記書き。待合室はどういうわけだかハエが多くてうっとうしい。そうそう、ホータン行きバスは20時発なんだけど、確認してみるとこれは新彊時間で、北京時間では22時出発らしい。これ、もし間違いで北京時間20時だとまずいので一度ターミナルまで戻ってきたのだが、19:30(北京時間)にその辺のバスの運ちゃんに再度聞いてみたらやっぱりあと2時間半あるということなのでターミナルを出てまた散歩。ターミナル向いの商店街でウイグル語のCDを買ってみる。1枚30元といわれて驚いてしまったのだが(普通は1枚8元である。少数民族の音楽CDは高いんだとか言われたんだけど)、散々値切って3枚35元で購入。別に三枚も要らなかったんだけど。
 でターミナルに戻る途中に商店街の中で食事。やめときゃ良いのにまた烤肉と拉面7元。カシュガルのウイグル族の店で拉面というのはどうも違和感あったんだけど、やっぱり炒菜と面を絡めた、スープ無しのものだった。おいしいけどやっぱりちょっと食べにくい。
 でようやくバスに乗って出発。もう遅いので乗ったらもうすぐに寝てしまった。
 今日の歩数 27708歩
 そうそう人民公園のあと、バスで班超城へ行ってみたんだけど、ほんの少し残っている昔の城壁の上に新しい公園が作ってあるだけ、そのわりには入場料が30元と高いので入らなかった。班超は漢代(後漢かな?)の武人で、匈奴の手に落ちた西域を再び取り戻しこの辺の少数民族の融和に努めた人物で、中国政府に取って都合の良い人物なのかもしれない。
 カシュガルを歩いていて特に不穏な様子は感じなかったのだが、ウイグル人の独立運動のような動きにはかなり気を使っているようだ。至る所に「全て正しい共産党万歳」とか「全ての民族が協力して和偕社会を築こう」みたいな宣伝看板を見かける。
 誰も気にもかけていないけど


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