カシュガル

その一 7/10


7/10 20:46西域広場の食堂にて

 今日はよく歩いた。でも一日曇りでそれほど暑くなかったので助かった。
 今日も朝四時半にカシュガルに到着。例によってそのまま寝ていると、しばらくして「七時だ!」という声とともに強制的に下ろされた。北京時間七時、新彊時間ではまだ五時、外は真っ暗である。今回の旅の最西端の町に到着した。
 道も何もさっぱりわからないのでタクシー乗って適当なホテルに連れていってもらう。行ったのは老宾馆こと色满宾馆。俺が「找宾馆」と言ったのを「老宾馆」と聞き間違われたのかも。明日からの三日間のバス旅行に備えてドミはやめて(後で聞いたら30元だけど満室だったらしい)標準の双人房180元を120元に値切ってチェックイン。120元って言ったら「ああ良いよ」みたいに軽くOKされたんだけど、100元くらいで良かったかも。で部屋に入って(さすがにちゃんとした部屋で居心地が良い)シャワーを浴びて(考えてみればウルムチからここまでバス二連泊である)、二時間ほど寝る。外に行こうにも町はまだ動き始めていない。


7/11 13:24色満路の食堂にて

 鳩料理屋が何軒か並んでいたので食べてみようと思ったんだけど、ウイグル人のおっちゃん、中国語が全然通じない。仕方ないのでとりあえず座ってたら何か出てきた。定食みたいなもんかな?
 昨日の続きを書いておく。朝寝したあとちょっと歩いたところのスーパーで水を調達。水五本とこの辺でよく見かけるブルーベリージュースみたいなの、それとビスケットで12.8元。スーパーでは地図も探したんだけど、ホテル周辺のスーパーには全く置いていなかった。で、ホテルで聞いてみたらホテル内の旅行社に置いてあった。3元。ただバスの路線が全然書いていないのでかなり不便。
 次にアイディガル寺院へ。途中まで歩き、途中で道がわからなくなってバス1元に乗る。あとから気付いたんだけど道を完全に間違えていた。
 アイディガル寺院。カシュガルの中心に位置する大きなモスク(10元)門は大きくて立派だけど中のモスクは意外と小さい。巨大な建物を想像していたんだけど平屋である。ただし礼拝スペースは広いけど。ここは漢族のツアー客だらけである。カシュガルは中国の中でも完全に異国という雰囲気で、漢族の旅行者はまるで海外旅行客である。
 次に長距離バスターミナルでバスの確認。ホータン(和田)まで550Km、意外と近い。ターミナルの近くで昼食を食べる。紅焼牛肉とナン5.5元。鍋の中見て「これ何?」と聞いてみたら「紅焼牛肉だ」といわれたんだけど、まるでビーフシチューという感じ。うまかった。肉がかなり多い。
 そこからバスに乗って香妃墓へ。バスはないのかと思って歩いていたらちょうど香妃墓行きの20番のバスが通りかかったのでそれに飛び乗る。この20番は西域広場からバスターミナル、両亜大バザールを経由して香妃墓まで行くバスでかなり便利である。
 香妃墓15元。タージマハルによく似ている。ただしタージマハルは大理石の白一色に対し、こちらは緑や青のタイルできれいに飾ってある。特に入口の彫刻は見事である。中には一族72人の棺が安置されている。


7/11 19:26バスターミナル待合室にて

 今日も疲れた。といってもまだ時間があるのだが。遅れ気味の昨日の分を書いてしまおう。
 タージマハル、じゃなくて香妃墓を出て一度ホテルに戻ろうとバスに乗るが、途中で賑わっているバザールに停まったので降りてみる。小刀や楽器、シルク製品や布地、食料品やテレビ、ナベカマヤカンまでありとあらゆるものを売っている大きなバザールである。せっかくカシュガルまで来たのでお土産を買っておこうと小刀を見る。折り畳み式の小さいやつなら俺も持っているし問題無いはず、ということで購入。向こうの言い値が85元、こちらは30元、結局3本100元で買った。安くなったのか損したのかよくわからん。二本はお土産にしよう。あとあまり荷物にならなそうなパシュミナ(と称する)の肩掛けを4枚。細かい刺繍のあるやつが2枚50元、色のきれいなのが2枚で30。もう旅行終わり、というのならもっと買っても楽しかったと思う。ホテルに帰る前にバザールの前でソフトクリームを食べる。2、3元するかと思ったら0.5元と安かった。やたらに甘い。
 一度ホテルに戻って3〜5時くらいの一番暑い時間帯は休憩。やっと覚えた西域旅行のこつである。5時半くらいにホテルを出て、歩いてアイディガル寺院へ行き、その北側のカシュガル旧市街を探索する。レンガ造りの建物が建ち並び、ウイグル人の子供が遊んでいる、風情のあるところである。所々に良い感じの路地があるんだけど、明らかに中国語が通じそうにないので、怖いからやめておく。素晴らしく味のある路地だったので残念。
 ぐるぐる歩いていつの間にかアイディガル寺院に戻ってきたので、その周辺のバザールを見物。夕刻に近付き店も客もどっと溢れてきたところである。特に何を買うわけでもないけど、こういうところをうろうろするのは実に楽しい。そうそうここでは切り売りしていたメロン(香瓜)と西瓜を食べた。各0.5元。西瓜はおいしかったけどメロンはいまいちかな。
 そこからもう一度ホテルに戻ってすぐに夕食へ。ここ4、5日ずっとお腹の調子がおかしいので、羊肉はやめて西域広場で砂鍋を食べる。鴨肉砂鍋10元。ただうっかりしていたのだが、この店「天府ナントカ」という名前で、四川料理の店だった。つまり、辛い。「これラー油?」というようなスープである。うまかったけど。結局スープまでほとんど飲んでしまった。普通に抓飯の方がお腹にやさしかったかもしれない。
 朝5本買った水はこの日のうちに3本半くらい飲んでしまったので更に4本買い増し。ついでに栄養快線も準備しておく。計7.5元。ホテルに戻ってちょっと洗濯。ウルムチのカルフールで安売りしていた洗濯石鹸を使って洗っていたら、なんだか楽しくなってしまって、中国でずっと使っているウェストポーチまで洗ってしまった。雨のヒモ風の日も、川下りも沙漠の中も、電車の中も食事中もずっとつけていて、なんだか変な色になっていたのだが、見違えるようにピカピカになった。ちょっと嬉しい。
 今日の歩数 35155歩


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