一瞬の夢 −中国の旅−
第一章 「春昼」 その3



4/29(日) PM15:30 西安行列車内にて
現在西安行きの車内だ。硬座。しかとれなかったのだが運の良いことに窓際で(今のところ)隣は空席である。15時間の硬座の(おそらく)地獄旅になると思う。元気な内はゆっくりと景色を楽しむこととしよう。
今日は朝10時起床。6時7時くらいに何度か目が覚めたのだが、木村が向かえに来る予定だったのでそのまま寝る。10時になっても木村が来ないので顔を洗ってフロントでチェックアウトの時間を確認。12時とのことだ。部屋でしばらく読書。11時30分になっても木村は来ない。木村のりょうへ電話をしてみるが10時ころに出たという<まあそもそもは9時くらいにホテルに来るという話だったのだが・・・>2日目雨 チェックアウトの時間も迫っていたし部屋にいても仕方がないのでとりあえずチェックアウトして外をうろつく<せっかく北京まで来て半日もホテルで本を読んでいるなんて・・・というあせりがあった。>。12時30になっても木村は来ない。公衆電話から再度電話。同宿の人に木村から電話があったら1:30に北京駅で待っていると伝えて欲しいと伝言する<その通り10時に出たにも関わらず渋滞にバスが捕まって遅れてしまった。(タクシーだと40元ぐらいかかる)こちらもホテルに着いたもうチェックアウトしたといわれてどうしようかと少し途方にくれた。><実は電話したすぐ後に「電車は北京駅発とは限らない」ということに気がついてあわててホテルに戻ったら(まだ来ていなければホテルで待とうと思って)、今度はつい10分くらい前に来てもう行ってしまったと従業員に言われてしまった(なんで言わないんだ!と怒られた)。タイミングが悪かった。>。そうそう、書き忘れたが今日は雨だ。で歩きとバスで北京駅へ。バスは前回に比べずい分と近代的になっている。次の停車場の名前がアナウンスされフロントガラスの上にはLEDでも表示される<といってもこのバスは特別良いバスで、ほとんどのバスは相変わらずだった。まあ前回みたいに走っていて道路のガタガタの衝撃で窓がはずれてしまう、なんて程のひどさは改善されたようだが。>北京駅 混み具合やチケットの売り方などは変わっていないが。あと料金も0.5元から1元へ値上がりしていた。北京駅で木村と落ち合う。 西安行きの列車・硬座がとれたとのこと。150元。出発駅は<やっぱり>北京駅ではなく北京西駅なので、バスで移動。しようとバス停を探すが、見つからない。仕方なくタクシーを使用する。23元。駅に着いたのが3:05くらいだったのでバスでは3:22の電車に乗り遅れていたかもしれない。北京駅 北京西駅はびっくりするほどの巨大な駅だ。建物が、である。北京駅も巨大だが、それは当然とも思う。しかし西駅もこれだけの大きさというのは正直驚いた。
・・・窓外の景色はこう作地と建物(民家)のくり返し、日本の田舎と大して違いがないと思う。
そう時間もないので水と軽食(ハンバーガーみたいの?)を購入し列車に乗りこむ、列車はなんと(と言っていいと思うが)二階建てである。全車両かもしれない<自分が思っていたより相当きれいな車内だった。>。おれの席は二階で木村とは別(隣)のボックスだが、幸い窓際である<6人掛けのボックスだ。>。乗りこんで数分で発車。景色を眺めつつ日記を書く。何となく眠くなってきた。


4/29(日) PM8:19 西安行列車内にて
疲れた。車内の状況は予想よりも少し良い。が予想よりも疲れる。頭が痛くなってきた。あと10時間・・・全行程のまだ1/3だ・・・。<予想よりも相当お尻が痛かった、しかも中国人たちは発車直後から飲み食いを繰り返し、1時間も経たないでテーブルの上は飲み会の終盤みたいになっていた。><この辺はマジできつかった。>


4/30(月) AM4:00 西安行列車内にて
こういう状況でも結構眠れるものらしい。4時間も寝たろうか。小さなテーブルに突っ伏して眠る。<途中で席を替わってくれと言うリクエストに応えて6人掛けから4人掛けのボックスの窓際に移動したのだが、これが良かった。6人掛けの方はテーブルにいろいろおいてあって使えなかったのだが、4人掛けの方は何もなかったので、眠るのに好都合だった。日本の電車にあるようなあの小さな(もうちょいは大きいか)テーブルに中国人と4人で突っ伏して寝ていた(らしい)><自分は信じられないぐらい眠れなかった。><かたや木村の方は5人掛け(片方が2人掛け)の廊下側で、テーブルも使えないという状況だった。椅子には手すりすらない。そりゃあ眠れるわけがない。>
昨日はPM10:00くらいに、止まった駅で降り、カップラーメンを購入<3,5元とか、4元くらいだったと思う>。列車内に給湯設備があるのでそのお湯を使って食べる。ちなみにカップの中にフォークが入っている。味はまあ普通かな?ちょっと辛め。
多少お腹に食べ物が入ったので眠る。うつらうつらに近いが4時間ほども眠れたようだ。到着まであと2時間・・・。
眠る前にちょうど「ワイルド・スワン」を読み終る。中国の現代史を知るのにちょうど良いのではないだろうか。語り口は非常に素直というか「小説」としての面白味には欠けると思う。しかし語られているテーマの良さと、微に入り細をうがつような克明な内容、記録性は素晴らしいと思う。イギリスで「ノンフィクション」として評価されたというのもうなずける。それにしても今回中国に来る上でこの本を読んだのは非常に良かったと思う。「大躍進政策」や「文化大革命」などは漠然とは聞き及んでいても、細かな内容は知らなかったからだ。中国では発禁本である(持ち込みも本当はいけなかったらしい)ということも考えると内容がどこまで真実かはわからない。筆者の目から見た一面的な真実に過ぎないという気もするが、いずれにしろまったくのうそいつわりということは無いと思うし(ややこしい言い方だが)。
まあ「中国」を知る上で貴重な文献であると思う。
それにしても「文革」のころと比べると今の中国は本当に大きく変わったんだなあということを痛感する。2〜30年前は外人が勝手に中国国内をうろうろする なんて考えられなかった国なのだ。