12月

12/4 クッキーズフォーチュン →Amazon
おすすめおすすめ ロバート・アルトマン
ゴスフォードパーク』があまりに良かったので借りてみたんですが、
わりと小物っぽかったのであまり期待していませんでした。
が。
やっぱり面白かったです。
さすがにすごい監督ですねえ。
『ゴスフォードパーク』とは全然違った趣の映画なんですが、
面白いです。
この映画、グレン・クローズの怪演が目立ちますが、
ジュリアン・ムーアがすごいです(まあこっちも怪演ですけど)。
やっぱりうまいですね、この人。
ロバート・アルトマン及びジュリアン・ムーアの映画を
もう少し見てみたいと思います。
おすすめです。



12/5 クリビアにおまかせ →Amazon
妙な映画 ピーター・クラマー
一言で言って妙な映画。
何とも形容しがたいです。
ミュージカルとしてみるにはきびしいし、
勢いでもっていくほどでもないし、
みんなキャラたってないし、
何の療養所だかよくわかんないし、
ストーリー脈絡無いし、
オランダの町並みでも見られれば良いものの全部セットだし。
じゃあつまんないかというとそうでもないし、
面白いとまではいえないし。
妙な映画です。
そういえば途中でランボーランボーって何の話かと思ったら、
アルチュール・ランボオのことなんですね。
スタローンのランボーかと思って何のことやらわからず混乱していました。
妙なもの見たかったらおすすめです。



12/5 カルマ →Amazon
なかなか ロー・チーリョン
レスリー・チャンの遺作。
この精神科医の役でずいぶん追い込まれていて、
自殺の一因になったとかならないとか。
(直接の原因は三角関係みたいですが)
過去の記憶に追いつめられてラストはビルの上、
と、どうしてもレスリーの姿がオーバーラップしてしまいます。
見ていてつらいです。
映画としてはまずまずかな。
一見『the EYE』のパクリのようで、
その他アジアンホラーのあちこちをつまみ食いをしていて、
かつドラマとしてもまずまず、というところですね。
途中で話がぶった切れてしまって(テーマは一貫していますが)、
深いとはいえませんが。
あとレスリーは言うに及ばず、カリーナ・ラムもなかなか良い演技をしています。
全体としては可もなく不可もなく、といった感じでしょうか。
ま、そんなのはどうでも良くて、レスリーの遺作としてぜひ見ておいてほしい一作です。
ちなみにDVDではレスリーのインタビュー付。
大したことしゃべっていませんがおすすめです。
ところでラストのキスシーン、
レスリーの口元に色がついてますけど、あれで良いんでしょうか?



12/6 殺人の追憶 →Amazon
おすすめおすすめおすすめ ポン・ジュノ
非常に評判の高い映画ながら、近頃の韓流には辟易していたので
どんなものだろう、と眉唾で見ていたのですが、
すごい映画でした。
文句無しに傑作です。
観客をどんどん映画の中に引き込む力はものすごいと思います。
刑事物の傑作と言えば『天国と地獄』がありますが、
それに大とも劣らない力を持っています。
正直びっくりしました。
シュリ』を見て「韓国映画ってすげーなあ」と感心したとき以来の
衝撃かもしれません。
サスペンスの力だけじゃなくて、コメディも(北野武作品に滅茶苦茶似てますね、あの雰囲気)、役者の演技も、イントロも、ラストの余韻のもたせ方も、実に見事です。
本当におすすめの映画。
ぜひ見てみてください。



12/7 10ミニッツ・オールダー →Amazon
まあまあ アキ・カウリスマキ、ビクトル・エリセ、ヴェルナー・ヘルツォーク、ジム・ジャームッシュ、ヴィム・ヴェンダース、スパイク・リー、チェン・カイコー
赤い方(人生のメビウス)。
驚くほど豪華な巨匠たちが共演するオムニバス映画。
10分という短い時間ですが、さすがにそれぞれ個性が出ていて
見ていて面白いです。
ただ惜しむらくは、どれも作風が落ち着きすぎて、
テンポがちょっと単調に感じられたところ。
せっかくのオムニバスなんだからコメディとかSFとか
いろんなジャンルが混じっていた方が面白いんじゃないかと思いました。
はじめに監督ありきで選んだせいでしょうかねえ。
そこらへんがちょっと残念。
個人的には、ジム・ジャームッシュのが面白かったかなあ。
「なるほどねえ」って感じで「すごい!」というわけではありませんが。
(それはどの作品にも言えます)
あとはチェン・カイコーのも好きです。
これは個人的な趣味が大きいですけどね。
もう一本の方であと8人なんですが(そっちもいずれ観ます)、
日本人が入っていないというのも残念です。
セプテンバー11』では今村昌平が選ばれてたのにねえ。



12/7 麦秋 →Amazon
なかなか 小津安二郎
いやあ、原節子、良いですね。
美人の上に何ともとらえどころのない役柄が妙に印象的です。
映画自体は他の小津作品と比較すると取り立てて代り映えはしないんですが、
そうはいってもとても良い映画です。
特にセリフが素晴らしいですね。
風船を見上げるシーンとか、最後の方で食卓を囲むシーンとか、
すごく良いセリフが多いです。
こんな家庭は今の日本のどこにも無いのでしょうけど・・・
逆にそれが良いのかもしれません。
この映画、笠智衆は当然父親だろう、と見ていたらそうではなくて、
はじめの方はちょっと混乱してしまいました。
どうでも良い話ですが。



12/21 流星 →Amazon
なかなか ジェイコブ・C・L・チャン
レスリー・チャン、うまいですねえ。
この映画は彼の苦しそう、つらそうなシーンはあまり無いので
ほっとします。
あれ、すごくうまくて印象に残るんですが、
見ていてつらいんですよね。
たまにこういう映画を見るとうれしくなります。
まあ展開としてはべたべたなんですが
(というかチャップリンの『キッド』のパクリ?)
なかなか面白いです。
香港映画はあまり捻らないで素直に見る事が出来るのが良いです。
ラストはちょっと淡白かな、とも思いますが。
まあ、うまくいった、という事で。
あといつもの事ながら女優さんがきれいです。
傑作とはいかないですが、佳作といったところ。



12/22 ブラックホークダウン →Amazon
なかなか リドリー・スコット
全然期待していなかったんですが結構面白かったです。
単なる戦争映画のようでいて、
戦闘が激しくなって、画面が派手になって行けば行くほど、
バカバカしさ、空しさ、悲しさが増して行って戦争映画から離れて行く。
とても効果的で、なかなかうまいもんだと感心してしまいました。
しかしこれが実話というのも大変な事です。
結構面白かったです。
一見の価値はあります。



12/26 モンスーンウェディング →Amazon
なかなか ミラ・ナイール
舞台がインド(というかインド映画ですが)、それも結婚式という事で、
そういうのを売りにして見せる映画かと思っていたのですが、
ずっと普遍的なドラマだったのでちょっと驚きました。
どこの国のどんな家族でも似たような悩みやトラブルを抱えているものだな、と。
まあよくある話とまでは言いませんが、どこでもありそうな話だ、という事で。
全体的にすごい映画とまでは言えないと思いますが、
なかなかうまくまとまった、良い映画だと思います。
佳作というところ。



12/26 ピッチブラック →Amazon
まあまあ デヴィッド・トゥーヒー
いわゆるスマッシュヒットを飛ばした映画。
確かにそんな感じのできです。
B級だけどB級なりの面白さと言うところ。
ちゃんとポイントを絞って、うまい事まとめてあります。
メチャクチャ面白い、というほどではありませんけどね。
深夜にやっていたらちょっと見ても良いんじゃない、という感じ。
まあそんなところです。



12/27 星願 あなたにもう一度 →Amazon
おすすめおすすめ ジングル・マ
ちょっとびっくりしました。
良い映画です。
ラスト辺(一番最後じゃないです)は不覚にもちょっと泣きました。
グチャグチャになったセシリア・チャンの顔は笑っていいのか
感動していいのか難しいところですけどね。
日本でリメイクされましたが、それも納得の見事な出来です。
(日本版がどうだったのかは知りません)
ラストはちょっとやり過ぎかもとも思いましたが、
まああれはあれで香港映画らしくていいと思います。
エリック・ツァンも出ていて満足です。
(地味〜に良いバイプレイヤーで、大好きです)
ぜひ一度見て欲しい映画です。
おすすめ。


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