11月

11/3 あの頃ペニーレインと →Amazon
おすすめ キャメロン・クロウ
異常に地味〜な映画。
でもすごく面白いです。
瑞々しいという形容がぴったりきます。
期待してなくて、見ようか見まいか迷ったのですが、見て良かったです。
監督、実力があるんですね。
びっくりしました。
ところでこの映画でケイト・ハドソンがアカデミー助演女優賞にノミネートされたのですが、
個人的にはそんなに良いとは思えませんでした。
なんでかな?
フランシス・マクドーマンドの方は良かったんですけどね。
地味ですがおすすめです。



11/5 ヘルレイザー →Amazon
まあまあかな クライブ・バーカー
評判が良い映画なので期待していたのですが・・・
まあまあだったかな。
究極の快楽は苦痛である、っていうのは面白いと思ったのですが、
映画の内容はちょっと違うような感じがしました。
なんか普通のモンスター映画のようにも見えてしまったのですが・・・
(なぜ男が逃げたかったのか分かりません)
もっと「快楽」ネタで押し通せば良かったのに、と思ってしまいました。
まあ各所のシーンの描写はさすがに痛いですけどね。
あとSFが時代がかっているのは個人的には見ていて面白かったです。
2、3と見ていきたいかどうかは・・・どうかなあ?



11/6 バンデッドQ →Amazon-
なかなか テリー・ギリアム
そんなに期待はしていなかったのですが、なかなか面白かったです。
ナポレオンとかロビンフッドとか悪魔とか小ネタはさすがにうまいですね。
結構笑いました。
あと巨人とか小人とかいかにもギリアムっぽいネタが多くて、
にやりとさせられるシーンが多いです。
(特に彼のこれ以降の作品を見ていると)
まあストーリーはわりと適当な感じですが、
そういうのは気にする必要は無いでしょう。
ただラストは?
どうなの、っていうかよくわからなかったです。
ギリアムっぽい毒だと見れば良いのでしょうか?
ちょっと唐突というか尻切れとんぼみたいな感じも受けてしまいます。
ま、そうはいってもどこを切ってもテリー・ギリアム作品。
ファンにはお勧めです。



11/6 バロン →Amazon
おすすめおすすめ テリー・ギリアム
ロスト・イン・ラ・マンチャ』で「映画制作失敗の典型的な見本」みたいに言われていた作品だったので、
どんなものだろうと心配半分期待半分で見てみたのですが・・・
面白かったです。
すごく。
最近こういう罪の無い、楽しい気分になれるファンタジーって少なくなりましたよね。
ロード・オブ・ザ・リング』とかはすごく殺伐としているし(好きだけど)。
この映画も戦争シーンはあるけどぎすぎすした感じはあまり無くて、気楽に見ることができます。
SFシーンはいかにも安っぽいんですが(予算のせいか時代のせいかはわかりません)、
それも逆に「ほら」っぽくてむしろ長所になっています。
あとギリアムらしく細かいところが面白いです。
スルタンのオペラとか火山の工場とか。
(関係無いけどユマ・サーマンがきれいでびっくり)
返す返すも『ドン・キホーテを殺した男』の中止は残念です。
グリム兄弟 』に期待しましょう。



11/8 ジェネックスコップ →Amazon
まあまあ ベニー・チャン
香港イケメン祭りといった趣の作品。
日本代表として仲村トオルが出ていますが、
彼のジャパニーズイングリッシュがかっこ良い!
しびれました。
悪いけど、英語ヘタなのにかっこいいセリフを言わせようとするから無理があるんですよね。
ヘタならヘタなりのセリフってものがあるでしょう。
まあかっこいいんですけど。
香港の新世代スターの共演、というイメージが強いこの映画ですが、
制作はジャッキー・チェンで、彼の趣味がばりばり出ていて面白いですね。
建物から飛び降りるシーンとかね。
うんちくというか重みのある言葉でラストをしめているのも面白いし。
ちなみに登場しているイケメンの中では、
個人的には愛川欽也、じゃないエリック・ツァンが良かったです。
ラヴソング』とか『インファナル・アフェア』とか良いですよね。
大好きな俳優です。
ま、各キャラの設定とか説明とかかなりいい加減ですけど、
そんなの全然気にしないで、
自分の好きなところだけ見るのが香港映画好きってものです。



11/9 真夜中の虹 →Amazon
まあまあ アキ・カウリスマキ
間とか雰囲気とかが独特で、いかにもアキ・カウリスマキ作品といった趣の映画。
車庫が壊れたり、コンバーチブルの屋根が出て来る間なんかは面白いです。
そこらへん慣れていて好きな人には良いけど、そうでない人にはつらい、
好き嫌いの分れる作品かもしれません。
彼の世界にはまりたい人にはおすすめ。
ちなみにカティ・オウティネンは出てません。
ちょっとがっかりかな。



11/9 浮き雲 →Amazon
おすすめおすすめ アキ・カウリスマキ
二度目ですが、やっぱりこれは良い映画ですね。
特にカティ・オウティネンがうまいです。
以前は無表情な個性でばかり目立っていたけど、
この辺からぐっと味が出てきているように思います。
(『過去のない男』は最高です)
しかし監督も結構いろんなジャンルに取り組んでいてすごいですね。
しかも自分の味は決して失わないし。
大した才能だと思います。
アキ作品の中でも特に好きな作品です。
おすすめです。
ちなみにこの作品、DVDだと『真夜中の虹』と二本立てでお得です。



11/10 ミラーズクロッシング →Amazon
まあまあ コーエン兄弟
彼らにしては珍しく重厚かつ少々ややこしい作品。
コーエン兄弟の中でも特に評判のいい作品ですが、
個人的にはそれほどでもなかったです。
彼らの映画は独特の軽さと不思議な感じが好きなんですけど、
この映画はそういうのがあまり無いですからね。
映像はさすがに凝っていて良いと思いますが。
そういう「コーエン兄弟といえば」という先入観の無い人には
十分に楽しめる作品かもしれません。



11/13 黄色い大地 →Amazon
まずまず チェン・カイコー
うーん、最初の印象は、まさに「大地」。
あの何も無さは強烈に印象に残ります。
中国好き的にはあれだけで映画を見る価値は十分かもしれません。
内容的にはどうも『初恋のきた道』とだぶってしまいますね。
どっちが面白いかというと・・・
単純に面白さだけいうと『初恋の来た道』の方かなあ?
ただ、扱い方が両極端でチャン・イーモウとチェン・カイコーと
比較して見ているだけでもかなり面白いと思いました。
(まあ監督の違いというよりはむしろ製作時期の違いの方が大きいような気がしますが)
ちなみにラストはいくら中国といっても人多過ぎです。



11/13 10億分の1の男 →Amazon
まあ ファン・カルロス・フレス
まあ、面白いです。
運というよくわからないものを題材に、
ゲーム感覚で(敵と戦ってパワーアップしてボスと戦う、みたいな)
というところはなかなか新鮮かもしれません。
ただなんか、細かいところが説明不足なんですよね。
さわって運を奪うとか写真を奪い合うとか、
ルールがいまいちよくわからなかったです。
(写真を持っている枚数で運の強さが決まる、っていうんならボスは無敵ですよね?)
筋を追うのに一生懸命でちょっと大変かも。
あと本筋とは関係ありませんが、異様に青いスペインの空が非常に印象的でした。



11/14 秋刀魚の味 →Amazon
おすすめおすすめ 小津安二郎
一言で言って名作です。
人生の機微をしみじみと描いていて、まさに秋刀魚の味ですね。
良いタイトルです。
大学生の頃『東京物語』と『晩春』を見て、
『東京物語』はともかく(これはさすがに感動しました)
『晩春』の方はいまいちピンと来なかったものですが、
やっと小津作品の味が分かるような歳になったのかなあ。
『晩春』ももう一度見てみたいと思います。
この作品ではラスト、一番最後の笠智衆のシーンが非常に印象的でした。
こういう情感と余韻に溢れる絵はなかなかお目にかかれないです。
やっぱりすごい監督だと思います。
ちなみにこの作品、舞台は石川台の辺なんですね(多摩川沿いの工場勤務?)。
ずいぶん近場でびっくりしました。
そういえば親友役の中村伸郎、どうしても「助役」のイメージが頭から離れなくて
ちょっと困りました。
あれ、強烈ですからねえ。



11/14 女はみんな生きている →Amazon
おすすめおすすめ コリーヌ・セロー
この映画を一言で表現するなら「痛快」。
参りました。
男は馬鹿ばっかりで女性が頑張る女性向けの映画ですが、
男の自分が見ても不愉快になることは無く、十分に面白かったです。
彼女が部屋を破壊するシーンとかなかなか爽快です。
フランス映画は小難しいものの中に(最近は大作も多くなりましたが)
こういう突然変異のような面白い映画がひょっこり出てくるんで良いですよね。
難を言えば真ん中に入る回想シーンがちょっと長過ぎかな。
かわいそうなのは分かるけど、勢いがちょっと腰折れしているような感じがしました。
いや、十分に面白いのは間違いないですが。
個人的にはカトリーヌ・フロ演じるお母さんの
下膨れの顔が何だかかわいくてよかったです。
酔っぱらったシーンとか妙にかわいらしかったです。
女性に限らずおすすめの映画。



11/15 ゴスフォードパーク →Amazon
おすすめおすすめおすすめ ロバート・アルトマン
すごいです。
ロバート・アルトマンといえば群像劇ですが、
ここまで来ると職人芸というよりはもはや神業ですね。
映画の冒頭で登場人物が次々と怒濤のごとく出てきて(全部で30人くらい?)、
見ている方は混乱して分かるわけないと絶望するのですが、
最後まで見ていると主要な人物が一通り分かってしまいます。
さすがに全部は無理ですけどね。
二度見るとよくわかってきますし、更に面白さが増すと思います。
そうにしてもあれだけの人物とストーリーをまとめあげ、
しかもドラマとしてしっかり完成していて(ラストは感動しました)
本当にすごい監督です。
アルトマンの映画らしく俳優陣も豪華だし、豪華としか言いようのない映画です。
とにかくおすすめ。
素晴らしいです。



11/17 サボテンブラザーズ →Amazon
なかなか スティーブ・マーチン
なかなか面白いです。
笑えるし。
でも評判を聞くほどのものではなかったかも。
細かいところの作りがいいかげんな感じがしました。
野宿のシーンとかちょっと安っぽすぎます。
何だか思わせぶりなようで特に何もないし。
制作費が足りなかったんでしょうか?
コメディだから適当で良いと思ったんでしょうか。
ほぼ同じ作りの映画に『ギャラクシークエスト』がありますが、
こっちの方がはるかに完成度が高いと思います。
まあこっちはSFだから何をやってもありという利点もありますが、
隙無くきっちり作ってある印象があります。
まあ『サボテンブラザーズ』がダメとはいえないですけどね。
十分面白いと思いますけど比べてしまうと・・・
完成型が「ギャラクエ」って感じだと思います。
どちらもおすすめです。


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