8月

8/9 ザ・フォッグ →Amazon
ジョン・カーペンター
映画のオープニングこそロックンロールしていて、
「俺がジョン・カーペンターだ!」という感じだったんですが、
本編に入ってからは・・・??
何だかよくわかりませんでした。
いや、ストーリー自体は単純なんですけど、
いまいち整合性が無いんですよね。
ダリオ・アルジェントくらい支離滅裂ならそれはそれで面白いのですが、
こちらは「なんだろう?」という感じで中途半端。
本編のロック感も足りないですしね。
ただ後半部分はなかなかスリリングだったと思います。
別段どこが優れているわけではないんですけど、
結構緊迫感が出ています。
夜中とかにまったりと眺めるには良い映画かもしれません。



8/10 スズメバチ →Amazon
意外とまあまあ フローレン=エミリオ・シリ
全然期待していなかったのですが、期待していなかった割りには
まあまあ楽しめたかな、というところです。
この映画のキャッチコピーが「使った銃弾一万何千発!」みたいなのだったので、
派手にぶっ放してぶっ壊すだけの映画かと思っていたんですが、
(ジョン・ウーの『狼 男たちの挽歌最終章』の教会シーンみたいな)
そうでもなくて以外と落ち着いたところのある映画です。
そこらへんは「さすがフランス映画」と言っていいのかな。
ただ、スマートに撮ろうとし過ぎたせいか、
ラストは一体誰が生き残ったのか、いまいちよくわからなかったです。
そこらへんは普通にやれば良いのに、って感じもしました。
あえておすすめするほどの映画じゃないけど、
暇だったら見てみても良いかもしれません。



8/11 マッハ! →Amazon
すごいです プラッチャヤー・ピンゲーオ
これもそこまで期待していたわけではないんですが、
こちらはものすごかったです。
ちょっとビビりました。
何よりもムエタイが恐ろしいです。
今までアクションといえばカンフーが定番でしたが、
ムエタイは新鮮でありかつすごいです。
あのヒザ蹴り、ヒジ打ちは痛過ぎ。
見ているこっちまで苦しくなってきます。
ラスベガスやパリのK-1の試合はヒザ蹴りにかなりの制限を課せられますが、
そういう国ではこんな映画はR指定もいいところですね。
格闘シーンはそれくらい迫力あります。
それ以外にも一軒家プロレスまがいの反則攻撃あり、
西武警察ばりのシクロチェースあり、足りないのはお色気くらいですね。
アクションをあれこれ考えずに頭空っぽで楽しめる人には
絶対おすすめ。
見逃したら損をします。
ちなみに主演のトニー・ジャー、
すごいですねえ。
ハリウッドからオファーが殺到だそうですが、納得です。
新聞で「ブルース・リーの迫力、ジャッキー・チェンの軽さ、ジェット・リーの華麗さを併せ持っている」
なんて書かれていましたが、
一番近いのはジャッキーでしょうかね?
まるで体操選手みたいな動きです。
さすがにジェット・リーのあの美しさには及ばないと思いますが・・・
(初めに見せるムエタイの型はきれいですよ)
ただ惜しむらくは・・・
声が高過ぎ。
何だか子供みたいな声です。
まあジェット・リーも子供みたいな背丈だし、
(体がでかかったらあのスピードは出ないんでしょうけど)
一つくらい欠点があってもいいのかな?



8/12 スカートの翼ひろげて →Amazon
なんだこりゃ? デビッド・リーランド
はっきり言って何の映画だかよくわかりませんでした。
戦時下の三人の女性の交流を描いた映画、
というのはまあわかるんですけど、
「で、要するに何を描きたいのさ?」というところがわかりません。
別に悲しくなるわけでも無し、取り立てて元気になるような映画でも無し。
女性が見たら違った見方になるのかなあ。
似たようなシチュエーションの映画というと黒澤明の『一番美しく』がありますが、
やっぱり出来が段違いに違いますね。
戦意高揚のための国策映画として作られているにも関わらず、です。
まあそもそも黒澤作品と比べている時点でかわいそうといえばそうですが。



8/19 氷の海に眠りたい →Amazon
まあまあ ポール・サジェルマン
小品ですけど、まあまあ面白いと思います。
なんだかテレビ映画みたいな感じで
(火曜サスペンス劇場とまでは言いませんが)
あまり映画っぽさが無いですけどね。
スケール感とか。
見所は・・・
それも特にないんですが、強いてあげればやっぱりオドレイ・トトゥでしょうか。
というか、彼女が出ていなかったらテレビで放送されることは無かったでしょうね。
サスペンス的にはまあ可もなく不可もなくというか・・・
やっぱり見どころが無いです。
何とも言いようがない映画ですね。
まあオドレイファンならおすすめです。



8/21 クレヨンしんちゃん 電撃!ブタのヒヅメ大作戦 →Amazon
おすすめおすすめ 原恵一
クレヨンしんちゃんシリーズ中最高傑作という噂も密かに(一般的には『オトナ帝国の逆襲』かな)ささやかれている作品。
さすがに面白いです。
もうさすがとしか言いようがないですね。
この作品は泣かせに走った『オトナ帝国の逆襲』とか『戦国大合戦』とは違って、
かなり普通のコメディですが(山登りのところはちょっと感動しますが)、
そうはいっても映画として本当に良く作られています。
導入のシーンとかはいかにも「これが映画だ!」的な作りをしていて、
半分パロディとして笑いつつ、半分本気で感心してしまいます。
日本の映画って、実写よりもアニメーションの方が、はるかに映画的なスケールを
持っている作品が多いんですよね。
最近のテレビの延長みたいな映画ももうちょっと頑張ってほしいものです。
あと、相変わらず子供には全く分からないであろうネタ満載です。
冒頭で「大都会」で入ってきて、「あ、なるほどね」とタカをくくりそうになると、
すぐに「ひとり上手」で畳み掛けてくるところなんかはさすがです。
「クレヨンしんちゃん」を見て育った子供が大人になって
その本当の面白さを再認識、なんてことになると、
ドラえもん並みの長寿シリーズになるかもしれませんね。
今後に期待してしまいます。



8/22 ガッジョディーロ →Amazon
なかなか トニー・ガトリフ
ラストや、ロマ族の歴史など根底に流れるものはすごく悲しいんですが、
全般的には何とも幸福な気分の映画。
僕のスウィング』のときにも思ったんですが、
みんなすごく幸せそうに見えてしまいます。
こういう人たちを見ると、幸福ってなんだろうなあって
漠然と考え込んでしまいますね。
深刻に考え込むようなことはありませんが。
しかし何だかよくわからない旅をしてみたいです。
すごく憧れます。
ちなみにこの映画、クストリッツァの作品によく似ていますね。
全編に音楽が流れているからかな?
強力におすすめ、というわけにはいかないですが、
なかなか良い映画です。



8/29 奇蹟の輝き →Amazon
あんまり ヴィンセント・ウォード
アカデミー視覚効果賞をとった作品。
絵画の中の天国と地獄を描いたSFXで賞を取って、
そこら辺を売りにもしていたのですが、
それについては正直どうとも思いませんでした。
これだけ世の中にSF映画が溢れてくると、
画面効果だけで客を驚かせるのはもう不可能でしょうね。
それを映画の中でどうやって使うかがやはり重要になってくるんだと思います。
でその肝心の内容の方はというと・・・
よくわからないです。
ラストがよくわからなかったし、そもそもその精神性が全く違います。
欧米人と日本人は精神構造が全く違うんだなあと実感させられましたね。
似たようなテーマで日本人が作ったら、全く違う映画になったんじゃないかと思います。
そういう比較文化論的な点から見ると面白いかもしれませんが。
比較対象の日本の映画は・・・『大霊界』?
(もちろん嘘です。小津安二郎とかは対極的で面白いかも)



8/29 マイ・ドッグ・スキップ →Amazon
おすすめ ジェイ・ラッセル
犬好きにおすすめの犬の映画というような予備知識だったんですが、
犬映画というより、犬との交流を通じた青春・成長映画という感じですかね。
自分は犬を飼っていないし、飼った経験もないので(飼いたいとは思っていますがムリ)
いまいちピンと来ない面もあったような気がしますが、
子供の頃に犬を飼っていたという人は、とても感情移入できて感動できるんじゃないかと思います。
もちろん飼っていなくても十分に良い映画だとおもいますが。
ハリウッド映画もくだらないブロックバスター映画の陰で、
こういう牧歌的でこじんまりしているけど良い映画がちょくちょく出てくるんですよね。
そういうところはすごいなあと感心してしまいます。
あと少年の親を演じたケビン・ベーコンとダイアン・レインが素晴らしかったです。
出番少ないけど、すごいですねえ。
そちらにも感動しました。


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