7月

7/3 トークトゥハー →Amazon
おすすめ ペドロ・アルモドバル
全然期待しないでみてみたんですが、すごく良かったです。
ちょっと意外。
アルモドバルの映画の中では(まだ三本目ですが)一番好きな映画ですね。
ラストはかなり感動しました。
わかる人とわからない人とまっぷたつに分れそうな気もしますが、
おすすめです。
 
7/3 ザロイヤルテネンバウムズ →Amazon
うーん ウェス・アンダーソン
評判良い映画なんですが・・・
うーん、いまいちでした。
ブラックですか?シュールですか?
コメディですか?感動ものですか?
何だか中途半端。
最後までコメディ路線で突き抜ければ良かったのに、
ラストでどうしてそこに落ち着くかなあ、という感じです。
悪くはないんですが、もったいないような気がしました。
はまる人ははまるようですけどね。
まあ異常に豪華な役者は十分見応えありますけどね。
ジーン・ハックマンはお見事です。



7/4 神に選ばれし無敵の男 →Amazon
・・・ ヴェルナー・ヘルツォーク
「実話の映画化」。
実話といわれてもねえ・・・映画だし、実話かどうかで価値が変わるわけではないと思うのですが。
内容的には、これも何だか中途半端。
結局のところなんなの?という感じ。
昔のドイツでこういうことがありました。
ああそうですか。
で終わりのような。
ティム・ロスは見事だし(雰囲気がすごいです)、ヨウコ・アホラの肉体にも驚かされますが、
それ以上のインパクトが無いですよね。
あとドイツを舞台にして英語はとても違和感が大きいです。
いまいちかな。



7/4 28日後... →Amazon
なかなか ダニー・ボイル
面白かったです。
ホラーとしての怖さはあまり無いですが、映画としてバランス良いし、
(ダニー・ボイルはそこら辺うまいですよね。重からず軽からず。)
十分に楽しめる作品です。
傑作じゃなくて佳作というところですね。
あ、「ゾンビ!」という怖さはあまり無いですが、
人の誰もいない都会のシーンはすごく怖いです。
怖いというか気味が悪いというか・・・
ラストも人間の狂気の怖さがよく出ていますしね。
良いですよ。
おすすめです。
あ、ちなみに劇場公開版とDVD版のラストは全然違います。
見ててびっくりしました。
どちらかというとDVD版の方が好きかなあ。
甘い?
その辺、DVDの方がより楽しめます。



7/5 シティオブゴッド →Amazon
おすすめおすすめおすすめ フェルナンド・メイレレス
すごいです。
びっくりしました。
これは久々の傑作でした。
「神の街」の誕生と変遷、幼いときから銃と暴力と麻薬に接する子供たち、
暴力で権力を得る者、暴力に滅びる者、
チャンスをつかんで街を出ていく者・・・
背景とキャラクターがしっかりとしていてすごくリアリティがあります。
これも一応実話らしいですが(それも確かにすごいですが)、
そんなことはあまり意味が無いくらい映画としてよくできています。
これはぜひ見てほしい作品です。



7/6 インファナルアフェア →Amazon
おすすめおすすめ アラン・マック
メチャクチャ面白かったです。
どう考えても無理がある23が作られてしまうだけのことはある傑作です。
(2、3の出来に関しては怪しいですが、一応見てみたいと思います)
トニーもアンディもそれぞれの良さが出ているし、
(ちょっと型通りの役どころで面白みには欠けますが、手堅い配役です)
麻薬取引の駆け引きもスリリングだし、
ハリウッドに引けを取らない見事な出来です。
ハリウッド以上といっても良いでしょうね、リメイクされるし。
香港映画ってこういう玉石混淆なところが面白いくて好きなんですよ。
あと香港映画特有の暑苦しさ、男くささも全開です。
おすすめ。
香港映画好きも、興味無い人も、ぜひ見てください。



7/18 パパは出張中! →Amazon
まあ エミール・クストリッツァ
クストリッツァの作品の中では雰囲気がだいぶ違う映画ですね。
ちょっとびっくりしました。
アリゾナドリーム』ともだいぶ違います。
クストリッツァっぽさを期待していたら、ちょっと拍子抜けでした。
映画的にもちょっと拍子抜けかなあ。
パパの「出張」の話かと思ったらそれだけでもないし・・・
悪くはないのですが、?という感じでした。
これってクストリッツァの自伝なんでしょうかね?
ただラストはやっぱり結婚式。
これに関してはスタンスが変わってないようです。



7/18 僕のスウィング →Amazon
おすすめ トニー・ガトリフ
とにかく全編に流れる音楽、マヌーシュギターの調べが良いです。
ストーリー云々抜きにして、これだけで幸せになります。
「僕のスウィング」な話はまあまあなんですが、
この音楽があるだけでOKです。
出てくるロマ族の人々はみんな貧しいですが、
何だかすごく幸せそうに見えます。
音楽のおかげなんでしょうか。
彼らにとってはもしかしたら日本の生活みたいなのがあこがれなのかもしれませんが、
少なくとも自分はあんな生活に憧れてしまいますね。
俺もあんなギターを習いたいと思ってしまいました。
やっぱり音楽者は良いです。



7/20 カンダハール →Amazon
おすすめ モフセン・マフマルバフ
タリバン統治下のアフガニスタンを描いているのですが・・・
まるで別の星の物語のようです。
不思議惑星キン・ザ・ザ』みたいな。
でも作り物でも冗談でもなく、実際にああいう世界が存在した
(存在する)んですよね。
そのことにショックを受けてしまいます。
いくらそれが特有の文化とはいえ・・・
やはり疑問を感じてしまいますよね。
あのブルカをすっぽりとかぶった女性の姿などを見ていると。
ちなみにさすがマフマルバフ、映像はすごくきれいでシュールです。
あんな見せ方をする必要があるのかな?とちょっと疑問も感じますが、
やっぱり感心してしまいますね。
で、ラストは・・・?
びっくりしました。
ありですかね?



7/21 東京画 →Amazon
まあ ヴィム・ヴェンダース
小津安二郎の映画の世界を求めてやって来た二十年前の東京の姿・・・
なんですが、いかにも外国人が見た東京だなーという感じがしました。
小津というより黒澤明が描いた東京に近いですね。
(パチンコ屋のイメージが強いのかもしれませんが)
「小津の東京はもう無い」みたいな方向に進むのですが、
確かにそういう東京はもう無いだろうけど、そうにしても見てるところが間違ってないか?
とちょっと突っ込みたくなりました。
ただ二十年前の東京という点でも、外国人が見た東京という点でも、
見ていて結構面白かったですね。
ちょっと不思議な感じもしました。
ぼーっと眺めるだけでも面白いと思います。
でも、なんでこの映画フランス語なんでしょうね?
あとこの映画を見ていて一番強く思ったことなんですが・・・
やっぱり『東京物語』は素晴らしい作品です。
最初と最後にちょこっと引用されているんですが、
(「両方とも尾道のシーンじゃねえか!」と突っ込みたくもなりますが)
ものすごく存在感のある映像です。
本編を食っています。
世界史に残るような偉大な映画です。
おすすめです(『東京物語』を、ね)


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