6月

6/1 8 Mile →Amazon
エミネムファンなら カーチス・ハンソン
アメリカでも意外と売れてたので少々期待していたのですが、
期待外れでした。
エミネムのラップバトルは結構迫力があって良かったのですが、
それ以外はどうもいまいち。
そもそもタイトルの「8Mile」とは何かという説明もほとんど無しだし
(予備知識があったので分かったけど)、
アカデミー賞を取った『Lose Yourself』はストーリーに絡んでこないし
(歌詞とリンクしてはいるけど)、
エミネムはともかくヒロインのブリタニー・マーフィーは
ものすごいひどいし・・・
なぜカーチス・ハンソン監督でこうなってしまったのかかなり不思議。
音楽的には確かに良かったんですけどね。
エミネムが見たければお勧め。
興味なければ見ない方が良いです。



6/3 トゥルークライム →Amazon
おすすめおすすめ クリント・イーストウッド
これぞ映画、という見事な作品。
さすがクリント・イーストウッドと感心してしまいました。
まさに職人芸、すごいです。
話の持っていき方といいキャラクター設定といい台詞といい演技といい、
まさに完璧。
クリント・イーストウッド以外あまり有名な俳優は出ていないような気がしますが、
そんなのは全く気にならないです。
まあ何と言うか、「これはすごい」という感動や衝撃はないですけど、
安心して楽しむことが出来ます。
なんか変な映画を見ちゃってお口直ししたいときなどにおすすめ。
素晴らしい映画です。



6/7 バウンド →Amazon
おすすめおすすめ ウォシャウスキー兄弟
マトリックス』のウォシャウスキー兄弟のデビュー作。
ということで映像に凝った映画かと思っていたんですが、
意外とそうでもなかったです。
(面白い絵がないこともないですが)
それよりも二転三転で先を読ませないストーリー展開はお見事。
かなりストーリーに引き込まれて見入ってしまいました。
要は面白かったです。
ポイントとなるレズカップルというのはあんまりストーリーに絡んでこなくって
ちょっと残念(というかアイデア倒れ)な感じでしたが。
でも十分に映画として面白いです。
そうにしてもこれ一本で『マトリックス』のチャンスを手に入れて、
続編では数十億の契約金を手に入れたというのは
まさにハリウッドですよね。
日本ではこうはいかないんじゃないでしょうか?
ま、とにかく面白い映画です。
おすすめ。



6/8 赤い橋の下のぬるい水 →Amazon
おすすめおすすめ 今村昌平
さすが今村昌平、といった映画。
とぼけたユーモアが冴えまくってます。
アフリカンジョークには大笑いさせられました。
これだけ強烈に自分の色を出せる監督って、日本だけでなく世界的にもなかなかいないんじゃないでしょうか?
逆に役者の色はあまり濃くなかったように思ったんだけど
それは監督の色が濃すぎるせいでしょうか?
あと舞台は富山の氷見ということでかなり富山弁入っていたんですが
そこらへんにもかなりにやついてしまいました。
「このダラが!」とか、普通の人は何のことだか分からないと思いますけどね。
癒しだのなんだの解説する以前に普通に面白かったです。
機会があったらぜひどうぞ。



6/10 マトリックス リローデッド →Amazon
いまいち ウォシャウスキー兄弟
そんなに期待して見に行ったわけではないんですが
そうにしてもいまいちでした。
前作から一歩も進化も深化もしてなかったです。
マトリックス内の話はさっぱり意味が分からなくなっちゃったし、
リアルワールド(?)の描写はゾッとするほどひどかったし。
マトリックス内の話は本当にさっぱり分かりませんでした。
バックドアがあって隠された場所があって、というところまではまあ理解できたんですが、
プログラムが削除されなくてエグザイルになって、あたりからわからなくなって
ソースへ行けにいたってもう???
むしろ「ああそう」っていう感じで見ていた方がまだ分かりやすかったのかも。
まあ一応次回の方向性くらいはつかめたけどね。
リアルワールド(?)にいたってはもう見ていて帰ろうかと思ったほど。
アクションシーンも全く進歩してなくてがっかりだし・・・
やっぱりハリウッドの俳優にはまともなカンフー映画は無理でしょう。
一応惰性で次回も見るけど、正直失敗作です。



6/11 ブルーエンカウンター →Amazon
好きです アンドリュー・ラウ
非常に懐かしい、ノスタルジーすら感じるような香港映画。
好き嫌いがものすごい分かれそうですが個人的には大好き。
ストーリーのいい加減さも、安っぽいSFXも、微妙なアクションも、
アンディ・ラウの英語も、変わり身の速さもどれもとても良かったです。
ずーっとにやにやしながら見てました。
なんだかすごくほのぼのとしていて癒し系と言ってもいいかも。
ちなみにヒロインがロザムンド・クワンということで
それも懐かしいなーと楽しみだったんですが、
ロザムンド・クワンよりもスー・チーの方が良かったです。
ミレニアム・マンボ』も見てみたいなあ。



6/13 恐怖のメロディ →Amazon
なかなか クリント・イーストウッド
クリント・イーストウッド御大の監督デビュー作。
いかにも彼の作品らしく非常にセオリー通りのしっかりとした映画。
ストーカー役のジェシカ・ウォルターがなかなか迫力があって怖かったです。
今では「ストーカー映画」と認知度も高いですが、
公開当時としては結構画期的だったんでしょうね。
ヒッチコックが感心したというのもよく分かります。
ただちょっと残念なのは途中、海岸や森の中のラブシーンで結構中だるみするところ。
良くできたスリラーなんでどんどんと押してきてほしかったです。
あとこれは吹替え版だったんですが・・・
クリント・イーストウッドが山田康雄っていうのはちょっと・・・
それって全然イメージ違わないですか?



6/14 小さな目撃者 →Amazon
うーん ディック・マース
まあまあ、でしょうか。
いわゆる巻き込まれがたサスペンスというやつで、
なかなか丁寧に作ってありますが、
取り立てて「すごい!」というところがあるわけでもなくて、
可もなく不可もなく、といったところです。
おわれる女の子が口がきけない、という設定は良かったと思うんですが、
いまいちいかしきれていないような気がするし
(同情を集める程度の効果しか出ていないような気がします)、
とはいえ、最後まできっちりと追っかけっこで盛り上げてくれるのは
(現実的には大分無理がありますけどね)
まあ評価して良いと思うし。
やっぱり総じてまあまあです。



6/15 チャイニーズゴーストストーリー →Amazon
おすすめ チェン・シュウタン
レスリー・チャン若かりし頃の作品。
あまり期待しないでみていたのですが、
思いのほか面白かったです。
特に共演のジョイ・ウォンがいかにも幽霊っぽい、
でもどことなく弱々しいはかなげな美しさがあって、
非常に良かったです。
お話的にはそうひねりがあるわけえではないんですが、
まあいかにも昔の香港映画っぽくて(そういうのに弱いです)
好きでしたしね。
ちなみに幽霊と人間で所詮かなわぬ恋、
と見てしまいがちだと思いますが、
聊齋志異など中国の古典的な会談だと
幽霊が人間と結婚して子供を産むなんていうのが普通なんで、
意外とリアリティーのある話だったりします。
余談ですが。



6/15 ブエノスアイレス →Amazon
おすすめ ウォン・カーウァイ
レスリー追悼特集第二弾。
久々なもんで、懐かしく見てしまいました。
でもこれはやっぱり、どこから見てもウォン・カーウァイ作品ですねえ。
これだけ独特の世界というかムードを作れるっていうのは
希有な才能だと思います。
三人の演技もなかなかですが、やっぱり監督につきますね。
すごい個性です。
それにしても「世界の果て」の灯台、
行きたいですねえ。
いや絶対に行きます。



6/17 シャレード →Amazon
おすすめおすすめ スタンリー・ドーネン
スタンリー・ドーネンもケイリー・グラントも
二転三転するストーリーも、ヘンリー・マンシーニの音楽も、
どれも見事なんですが、
何よりもオードリー・ヘップバーンのきれいなこと。
いや、全編通じて、本当にすごいです。
これは映画だから「きれいだなー」なんて見ていられますが、
実際にあんな人が銀座でも歩いているのを見たら・・・
たぶん唖然として口を開けて見送るだけでしょうね。
ま、もちろん映画的にも十分面白くて、
誰が誰をだましているのか、それともだまされているのか、
目まぐるしく立場が変わっていくストーリーは見事です。
たぶんオードリーが主演じゃなくても十分に成功したでしょう。
でもこれはもはやオードリーのための映画ですけどね。
とにかく一見の価値あり、です。




6/19 おしゃれ泥棒 →Amazon
なかなか ウィリアム・ワイラー
ウーム、という感じでした。
この作品ではオードリー・ヘップバーンよりも
ピーター・オトゥールの方が印象に残ったかもしれません。
ピーター・オトゥールというとどうしても『アラビアのロレンス』のイメージなんですが、
こちらの作品ではずいぶんと軽いコミカルな感じの演技で、
それもかなりはまっていたので少々驚きました。
オードリーも別に悪くはなかったんですけど、
シャレード』と比べてしまうと、どうしても見劣りがしてしまって、
ちょっと厳しいかもしれません。
映画的には、よく言えばシンプル、悪く言えば淡白、といった感じ。
少々物足りなかったような気もします。
コミカルでしゃれた感じで見ていて飽きはしないんですけどね。
インパクトが足りないかな。
まあ別に見て損はないです。



6/22 暗くなるまで待って →Amazon
面白いです テレンス・ヤング
映画的にはかなり面白かったです。
でもオードリー・ヘップバーン的にはいまいちかも。
盲目の女性が頭を使って賊と渡りあう、
というストーリーはなかなか見事。
かなり引き込まれて、ドキドキしながら見てしまいました。
ラストの盛り上がりは素晴らしいですね。
でもオードリーを見ている人にとってはどうかな、という感じ。
ハンディを抱えながらも一人で果敢に立ち向かっていくけなげさは
あの細い体も手伝って非常に良く出ていたんですけど、
ほとんど部屋の中のみで展開するストーリーも手伝って、
彼女の美しさがあまり光ってなかったように思います。
まあもちろん彼女もお人形さんではなく立派な俳優なので、
そんなところばかり見ていては行けないというのは分かっているのですが、
でもどうしても期待してしまいますよねえ。
まあ映画的には十分お勧めできる秀作だと思います。



6/22 夏至 →Amazon
おすすめおすすめ トラン・アン・ユン
登場人物の顔がいまいち判別つかないせいで
ストーリー的にはなんだか良く分からない部分が多かったですが、
(まあ最終的には大体の見当はつきますけど)
監督お得意の映像は今回もやはり見事でした。
シクロ』では主役が男になったせいもあって、
なんとなく映像の感じも違っていたのですが、
今回は『青いパパイヤの香り』の妖艶というかエロチックというか、
そういう繊細な映像が戻ってきて、非常に良かったです。
この人の絵はやっぱりこういう雰囲気が一番良く似合うように思いますね。
ベトナムの女性はみんなきれいだし。
さすが、と思わせられる作品です。
ハリウッド映画ばかり見ている人もたまにはこういう映画も新鮮じゃないかと思いますよ。



6/25 アパートの鍵貸します →Amazon
おすすめおすすめ ビリー・ワイルダー
2度目なんですが、さすがにいいですね。
ビリー・ワイルダーお得意のコメディーは若干抑えめですが、
その分哀愁というか悲哀に溢れたすてきな作品になっています。
とくにジャック・レモンはすごいですね。
どうもコメディ系の俳優というイメージが強いですが、
笑わせるだけではなく演技が本当にしっかりしています。
見ているうちに思いっきりバドに感情移入して、
一緒に喜んだり悲しんだりしてしまいます。
アメリカ50年代のサラリーマン役ですが、
自分に重ねあわせてしまう所が多いような気がします。
すごい俳優ですね。
さすがにビリー・ワイルダーの代表作というだけあって、
バランスのとれたすばらしい映画です。
おすすめ。



6/26 君さえいれば 金枝玉葉 →Amazon
おすすめおすすめおすすめ ピーター・チャン
レスリー・チャン追悼特集の一作ですが、
レスリーのコメディー演技と笑顔にやられてしまいました。
いつもはどうもむっつり系の役どころが多いレスリーですが、
この映画では本当に楽しそうに演技をしていて、
それだけでうれしくなってしまいます。
またそれだけにああいう選択が残念でなりません。
また競演のアニタ・ユンがレスリーに輪をかけてすごい。
皇帝007』でも結構いいなあと思ったんですが、
この映画の演技は本当にすばらしいですね。
レスリーも圧倒されているという感じでした。
ちょっと前に『猟奇的な彼女』がハリウッドでリメイクされる
というんで話題になりましたが、
この映画も公開されたときが時だったら絶対リメイクされていたと思います。
ピーター・チャンというと『ラヴソング』がものすごく好きなんですが、
この映画もそれに匹敵する出来だと思います。
ぜひ一度見てみて下さい。



6/28 僕らはいつも恋してる! 金枝玉葉2 →Amazon
まあ ピーター・チャン
さすがに面白いんですが・・・
にはさすがにおよばないかな、という感じです。
どうも登場人物の関係がややこしくなってしまって
話を追いかけるのに一苦労でした。
1の焼き直しにならないようにいろいろと工夫をしたんでしょうけど、
どうも話が煩雑になり過ぎの感があります。
まあ全体的にはさすがに面白いし、
レスリーもアニタ・ユンも良かったんですけどね。
1と比べてしまうとどうしても見劣りしますが、
これはこれで十分面白いと思います。



6/30 チャイニーズゴーストストーリー2 →Amazon
そこそこ チェン・シュウタン
これも2なんですが、『金枝玉葉』と同じような感想です。
そこそこなんだけど1にはおよばないんですね。
1は人間と幽霊という組み合わせがいいスパイスになっていたのですが、
この映画ではそれがなくなってしまったせいで
ただの香港アクション映画になってしまっています。
途中笑える箇所は何か所かありましたけどね。
若いレスリーとかきれいなジョイ・ウォンを見る分には良いと思いますが、
映画的には平凡かな。


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