4月

4/1 クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦 →Amazon
まいりました 原恵一
これは全く参ってしまいました。
さすがに『嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』にはかないませんが、
こっちもかなりの名作です。
結構ハラハラさせられまたじーんとさせられてしまいました。
泣きはしませんでしたけどね。
例によって小ネタもずいぶんあったようですがよく分からなかったです。
「裏切り御免」は偶然にも前日に見ていたので笑ってしまいましたが。
子供どころかそこらの大人でも分かんないですよね、これは。
後は、ラストは『』?とかそもそもこれは戦国自衛隊?とか
疑い出すときりがないですが、実際のところはよく分からないです。
それにしても本当にこのシリーズは面白いです。
へたしたら勢いでDVDボックスセット(あるかな?)を買ってしまいそうで怖いです。
とにかくガキ向けアニメと侮ってはいけません。
あのべたっとした絵で惑わされてしまいそうですが、
映画のできはジブリアニメに負けてないと思います。
少なくとも『猫の恩返し』よりは絶対に面白いです。
おすすめです。



4/2 魔界転生 →Amazon
まあ 深作欣二
キャスティングはぴったりはまっているんですが、
なんかいまいち盛り上がらないなあという感じでした。
一人ずつ転生させる->一人ずつやっつける、というだけで、
あらそうですか、とあっさりと終わってしまったような印象を受けました。
でもまあ役者陣はなかなか見応えがありましたね。
沢田研二の天草四郎は妖しさ抜群で見事でしたし
(真田広之とのキスシーンは全然違和感がなかったです)、
緒方拳は宮本武蔵「らしい」存在感が出てましたし
(市川新之助であの迫力が出るでしょうか?)、
千葉真一は何より若いです。
そこら辺は十分に見ていて面白かったです。
まあ窪塚版ではこうはいかないでしょうね。
どっちかと言えば(窪塚版見たわけではありませんが)
深作版の方がおすすめ。



4/3 フルモンティ →Amazon
おすすめ ピーター・カッタネオ
男性ヌード版『ブラス!』といった感じで、
いかにもイギリス映画っぽいお気楽な一作。
別に何が残るわけではないけど、見ていて十分面白いです。
暇つぶしとか気晴らしには良いんじゃないでしょうか。
ちなみに主演のロバート・カーライルがなかなか良かったです。
あんまり出演作をたくさん見ているわけではないのですが、
007』『トレインスポッティング』と毎回違うような役柄をうまくこなしていますよね。
うまいもんです。
まずまずおすすめ。



4/3 ふたつの時、ふたりの時間 →Amazon
おすすめおすすめ ツァイ・ミンリャン
やっぱりツァイ・ミンリャンはすごい、と改めて感じさせられた作品。
愛情萬歳』同様ラストでは思わず拍手したくなりました(しませんでしたが)。
今回はいつもの台北だけでなくパリも舞台にしていますが、
やはり台北と同じように花の都パリも絶望的なほど孤独で寂しい都市として描かれています。
その中で台北中の時計をパリの時間にあわせようとするシャオカン、
電話番号を探し台湾(明らかにされてはいませんがそういうことでしょう)へ電話をしようとする
シアンチー(というらしいです)と、
一見すると『HOLE』のように優しげなんですが、
母親も含めてそのつながり(時計や荷物)を失うことで
新しく踏み出すことができるというラストは、
これまでとはまた違った趣で興味深かったです。
それにしてもこの監督の映画は本当に独特の匂いを持っていますね。
画面を一目見るだけでだれの映画だかはっきりと分かります。
やっぱり希有な才能を持った監督だと感心してしまいます。
次回作にも期待しています。



4/5 WATARIDORI →Amazon
おすすめおすすめ ジャック・ペラン
渡り鳥というか鳥ドキュメンタリー。
内容的にはNHKとかBBCのドキュメンタリーみたいな感じですが、
映像がとにかくすごいです。
羽がぶつかりそうなくらいカメラが近付き、筋肉の動きまで詳細に見ることができます。
(飛び上がる時の動きなんかはびっくりしてしまいました)
また鳥に並行してカメラも移動しているので、
その高さと疾走感を体験することができます。
ペリカンとかはもの凄いスピードで飛んでいるということに驚かされます。
出てくる鳥があまりにも脈絡が無さ過ぎて「渡り」ドキュメンタリーとしては
なんだか良く分かりませんが、
(あと出てくる鳥全部にちゃんと名前とかの情報をつけてほしかったです)
疑似鳥体験映画として十分に楽しむことができます。
ビデオではなくぜひ映画館で見てほしい作品。
おすすめです。




4/6 クルーエル・インテンションズ →Amazon
ばかばかしい・・・ ロジャー・カンブル
ラクロの『危険な関係』を現代風にアレンジ、ということだと思うのですが、
なんかばかばかしいティーン向けのばかばかしい映画という感じになっていました。
まあそういう意味では面白かったといえば面白かったですが
(三点倒立女とか)。
しかしアメリカの高校生っていうのはみんなこんななんでしょうか?
映画とはいえあまりにも現実から乖離し過ぎているような気がしました。
まあライアン・フィリップいい男とか、サラ・ミシェル・ゲラーがセクシーとか
そういうのを鑑賞する映画なんでしょう。
ちなみにどういうわけだかブライアン・シンガーの『ユージュアル・サスペクツ』と
タイトルがごっちゃになっていて、同じような映画なのかと思っていました。
見たわけではありませんが。



4/6 グリーンフィンガーズ →Amazon
おすすめおすすめ ジョエル・ハーシュマン
いかにも「イギリス映画」という感じの映画。
現実は結構厳しいけど、気楽に楽観的にやってればいいこともあるよ、
っていう感じで、見ていてうれしくなれます。
名作というわけではないですが、なかなかの秀作。
やっぱりイギリスっていい映画多いですね。
実話がもとになっている、ということですが、
映画として面白いのでそんなことどうでもいいと思わせてくれます。
そこらの下らないハリウッド映画を見ているよりはずっといいです。
すごく好きな映画。
おすすめです。
ところで主演のクライヴ・オーウェンってどうしても
ジョージ・クルーニーにしか見えませんでした。
余談ですが。



4/8 アメリ →Amazon
・・・ ジャン・ピエール・ジュネ
二度目です。
ということで細かいところが結構見えてきたんですが、
やっぱり美術には凝りに凝っていますね。
地下鉄のポスターまで全部作り込んであるというのには感心してしまいました。
ところで今回は英語字幕のDVDで見ていたのですが、
フランス語音声+英語字幕というのは予想外に読みにくいですね。
はっきり言って全然ついていけませんでした。
英語をもっと勉強しないといけません。



4/8 黒猫白猫 →Amazon
おすすめおすすめ エミール・クストリッツァ
こちらも二回目の鑑賞。
面白いです。
二回目でもものすごく面白かったです。
やっぱりこの監督はすごいです。
これと『アンダーグラウンド』はDVDを買いましたが、
他の作品もしっかりとチェックしておきたいと改めて感じさせられました。
とにかくこれはおすすめです。
『アンダーグラウンド』とともに絶対に見ておくべき映画です。




4/10 台北ソリチュード 
うーん・・・ 林正盛
ツァイ・ミンリャン作品と同様に台湾・台北の底に生きる人々の
孤独を描いた作品。
なんですが、これはいまいちでした。
息のつまるようなツァイ・ミンリャン色がないので
なんか普通の映画に過ぎない印象を受けます。
こういう映画はツァイ・ミンリャンだけで十分かな、という感じです。
世界的に結構評価の高い監督らしいですが、
他の作品を見たいとは思いませんでした。
あとシャオカンがどうにも駄目人間ていうのも生理的に受け入れられませんでした。
ああいうのはどうやってみても愉快になれません。
ツァイ・ミンリャン作品でもあまりできの良い人間ではないですが、
こう不愉快なキャラクターではないですよね。
ところで他の作品でもやたらにシャオカンの裸が出てくるんですが、
なんででしょうか?
裸が得意なんでしょうかね?



4/12 Needing You →Amazon
なかなか ジョニー・トー
意外と珍しいかもしれない香港製ラブコメディー。
結構面白かったです。
主演のサミー・チェンがなかなかのコメディー顔で
非常によかったです。
ちなみにアンディ・ラウの方は松井秀喜にちょっと似てたかも。
ラストはあれで良いの?という感じだったんですが、
(どうやって逃げたのか分からないし、
そもそもなぜ結婚するのかもよく分からなかったけど)
十分に面白かったです。
途中に何度か出てくるパロディーっぽいシーンは
出所がよく分からなかったのですが、
アンディ・ラウファンなら楽しめるんでしょうね。
まあそうでなくてもそこそこお勧めです。
香港映画好きには良いかも。




4/19 ロードオブザリング 旅の仲間 →Amazon
・・・ ピーター・ジャクソン
これ面白いですかね?
絵はすごくきれいだったんだけど、CGなのを隠すためなのか、
やたらにカメラを動かしていてものすごく見づらかったです。
「世界一美しい」ニュージーランドの景色は確かに美しかったけど、
「世界一悪趣味」な監督の特色は出てなかったかも。
その点かなり残念でした。
こんなハリウッド大作をとるような監督ではないと思ったのですが、
かなり残念でした。
映画としては三部作のその一ということで仕方ないのかもしれません。
一年前に映画館で見たらもしかしたらストーリーを忘れてしまっていたかも。
今見たのはちょうど良かったような気もします。



4/20 ギフト →Amazon
まあ サム・ライミ
わりと怖かったかもしれません。
ちょっと意外でした。
映画としては、さすがにケイト・ブランシェットはうまいというところかもしれません。
ロードオブザリング 』ではちょこっとしか出てなかったですが、
こっちはささすがにうまいなあと感心しました。
キアヌ・リーブス、ヒラリー・スワンクのキャスティングは
あまり生きていなかったような気がしますが。
ちなみに途中でケイト・ブランシェットが来ていた
Im MOMのワニTシャツが妙にミスマッチで印象的でした。
本筋とはまったく関係ありませんが。
それにしてもサム・ライミも『スパイダーマン』撮ったり
ラブオブザゲーム』撮ってみたり
こういう妙に昔っぽいホラーを撮ってみたりいろいろやっていますね。



4/20 男はつらいよ 夜霧にむせぶ寅次郎 →Amazon
・・・ 山田洋次
こうしょっちゅうやっていると見るの大変ですよね。
なんか疲れます。
見れば見たでおもしろんですが。
今回は全体的にいつものパターンと違って変な感じでした。
毎回同じようで、毎回違うんですよね。
結構考えているなあと感心してしまいます。
ところでラストの熊は初め見たときは偽物の熊
(ストーリー的に偽物の熊)
なのかと思いました。
まあああいうのも味があっていいですね。



4/22 ロードオブザリング 二つの塔 →Amazon
面白かったです ピーター・ジャクソン
やっと面白くなってきましたね。
今回は映画館で見たというせいもあるかもしれませんが。
根がものすごく単純にできているのでこういう映画は
結構興奮してしまいます。
こういう映画を見るのは入り込んだもの勝ちですよね。
引いて見てしまってはどうしようもないです。
まあそれにしてもこのCGは大変ですよね。
ほとんどのシーンがブルースクリーンの前なんじゃないでしょうか?
見ている方はいいんですが、演じる側としてこういうのはどうなんでしょう?
想像力が必要とされる分難しいのかもしれませんが、
あんまりやりがいもなさそうな感じもしますね。
しかしピーター・ジャクソンもますます趣味が悪くなってきたような感じで
かなり不安です。
もちろんこの映画に『乙女の祈り』みたいな
趣味の悪さを求めるのは酷というものですが、
こんなべたべたなハリウッド映画の撮り方をすることも無いような。
これもある意味悪趣味の一部と考えることもできますがね。
そうだとしたら相当嫌みな監督です。
そういえばもう一つ、これ見て初めて気がついたのですが、
原題は『ロードオブザリング』ではなくて『ロードオブザリングス』なんですよね。
これだとえらく意味が違ってくるような気がします。
単数形なのでこれはフロドのことなのかと思っていたのですが、
複数形だとサウロンのことですよね。
なんでこんな変なタイトルにしたのでしょうか。
そもそも『指輪物語』で十分に良いような気がしますが。



4/26 悪魔を憐れむ歌 →Amazon
まあ普通 グレゴリー・ホブリット
非常にオーソドックスな感じの映画ですが、
なかなか良心的な作りで安心できますね。
すごく面白いというわけではないですが。
見どころとしてはデンゼル・ワシントンをはじめ
ジョン・グッドマン、ドナルド・サザーランドと
渋い俳優陣でしょうか。
こちらもすごくいいというわけではないですが、
まあまあ良いです。
それにしてもストーンズの『悪魔を憐れむ歌』はよく聞いていたのですが、
初めて歌詞の日本語訳を見ました。
ちょっと意外。



4/27 Hamlet →Amazon
・・・ マイケル・アルメレイダ
シェイクスピアの『ハムレット』を現代のニューヨークに翻案、ということなんですが、
あえてニューヨークにした意味がよく分からなかったです。
名前は全部原作どおりだし台詞もかなりシェイクスピア調、
別にクラシックなつくりにしても大差ないような気がしました。
ハムレットがいつもカメラ持ち歩いている映像マニアっていう
設定も別に活きてなかったし。
とはいえ浅学にしてまだ『ハムレット』を読んでいない自分としては、
シェイクスピアの雰囲気を感じることができたという意味で
結構面白かったです。
ちゃんとシェイクスピア作品を読み直してみないといけないなあ、と
感じさせられました。
まあそんなところ。



4/28 シカゴ →Amazon
おすすめおすすめ ロブ・マーシャル
とにかくキャサリン・ゼタ・ジョーンズがすごいです。
演技もさることながらミュージカルシーンは絶品。
最初のステージから圧倒されてしまいます。
吹き替え使ってるんだろうと思っていたのですが、
全く吹き替え無しだそうで実に驚きです。
キャサリンはもともとミュージカルの出だそうですが、
そうにしても(そういうイメージが全くないのも手伝っています)
すごいです。
ちょっとキャサリンの影に隠れてしまっていますが、
レニー・ゼルウィガーもなかなかのものでした。
レニーはミュージカルシーンもさることながら、演技が良かったと思います。
まるで地そのままのアホみたいななじみ方でした。
(『母の眠り』でも結構良い演技をしていたのでただのアホではないと分かるのですが
 そうでない人が見たら勘違いするかもしれません)
リチャード・ギアもまあなかなかのものでしたが、
完全に二人の陰に隠れてしまっていました。
あと監督も見事なものでした。
ラストはちょっと淡白かなあと一瞬思ったのですが、
さにあらず、見事な締めでした。
そこらへん、本当にうまかったです。
唯一欠点を上げるとすれば・・・
ハリウッド映画だってことでしょうか。
おすすめです。
見て損はありません。



4/29 ガールファイト →Amazon
なかなか カリン・クサマ
全体的に何となく盛り上がりに欠けるものの、
なかなか丁寧にできている秀作。
女の子のボクシングをキワモノ扱いではなく、
ちゃんと描いていて好感が持てます。
特に主演のミシェル・ロドリゲスの目が良いです。
映画にぴったりはまっていました。
ところで父親はどうなってしまったんでしょうか?
ラストで父親と抱き合って泣いたりしたら
相当むかついたと思いますが、
全く音沙汰無しというのも妙に気になります。
なんにせよ、まあ良い作品だと思います。


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