3月

3/2 男はつらいよ 
・・・ 山田洋次
最初の夢のシーンからいつもとは違った雰囲気でちょっとびっくりしてしまいました。
(そもそも今回は夢じゃないし)
毎回同じような構成をとっているようでいて、
毎回違った雰囲気を持っているっていうのはすごいもんだと今さらながら感心してしまいました。
今回はいつも以上にせつなさが強くて印象的です。
なかなか好きな方の作品になるかな。



3/2 フレンジー →Amazon
好きではないかも アルフレッド・ヒッチコック
若い女性をターゲットにした連続ネクタイ絞殺魔。
なんだかヒッチコックが一番好きそうな設定のような気がするのですが、
なぜかヒロインがすごく地味。
というかずいぶんと女っけのない映画になっています。
非常に不思議な感じのする作品。
映画のほうは・・・個人的にはあまりでした。
主人公がひどいダメ人間なもので、いくら間違えられて不運でも、
いまいち同情できないんですよね。
主役になかなか感情移入ができないんです。
なんで見ていてもどうも身が入らなくて、いまいちな感じでした。
人によってはもっと違う印象を受けるかもしれませんが。



3/3 ウディ・アレンの重罪と軽罪 →Amazon
なかなか? ウディ・アレン
ウディ・アレンは個人的には苦手な部類なんですが、
これは結構良かったかも。
ウディ・アレン特有の、コミカルな面と非常に鬱な暗い面とが
結構バランス良く出されていて、程よく良かったと思います。
あまり深刻になり過ぎず、笑いに走り過ぎず、です。
こういう映画ならもう少し見てみたい気もしました。



3/4 ファミリープロット →Amazon
おすすめ アルフレッド・ヒッチコック
正直いまいちな印象のものが多かったヒッチコック作品ですが、
これは非常に面白かったです。
今から考えてみるとお話的にはそうどうってこともないようなきもするんですが、
映画にすごく引き込まれてしまいました。
特にクライマックスの車庫のシーン以降は結構ドキドキしながら見入ってしまいます。
最初に主役の二組の話が入れ替わるところも見事だったし。
ヒッチコックの作品の中では好きな方の映画です。



3/6 風が踊る 
まあ 侯孝賢
悲情城市』で国際的に有名な侯孝賢監督初期の作品。
なんともすごく若々しい映画です。
いかにも(日本の)80年代の映画、という感じでした。
まあ映画としてはそんなに、ではないかな、と思います。
ただ台湾映画、としては結構見どころがあったかも。
この映画では膨湖島の海から、台北、あとどこぞの山奥と
各所に舞台が移り変わって行くので、
台湾めぐりという感じでも見ることが出来ます。
なんだか昔の日本を見ているようで(といっても昔の日本なんて知りませんが)
すごく暖かい感じがして良かったです。
台湾入門、という意味では良かったと思います。



3/6 素敵な彼女 
まあ 侯孝賢
『風が踊る』と非常に良く似た作品。
映画的にはこちらがデビュー作だそうです。
軽い感じのコメディーで、見ていて肩が凝らないで
良いんじゃないでしょうか。
あとこちらも同様に台湾の雰囲気が各所に出ています。
結構日本ぽい雰囲気もあり、当然ながら中国的でもあり、
なかなか独特な雰囲気が感じられていいですね。
こちらも台湾入門という感じです。



3/6 ビロウ →Amazon
微妙・・・ デヴィッド・トゥーヒー
ダーレン・アロノフスキー製作ということで結構期待して見に行ったのですが、
(『レクイエム・フォー・ドリーム』は良かったです)
ちょっと微妙でした。
つまらないわけではないんですが、何となく中途半端な感じ。
この映画の一番の売りは「潜水艦ホラー」ということなんですが、
潜水艦とホラーがいまいちうまく融合できてなかったような気がします。
潜水艦ものとしてはさすがにそれなりに面白いしちゃんと盛り上がってる、
ホラーとしてもまあそんなものだろうという感じ、
でもこの二つがあわさった効果がいまいち出ていないような感じがしました。
理屈で考えるとちゃんと潜水艦らしいポイントをつかって
ホラーしているんですが、でも普通に見ているとなんとなくバラバラなんですよね。
アイデアは良いけどあと一歩、というところでしょうか。
あ、あと狭い空間内にやたらにたくさん詰め込まれているという
潜水艦の特性のせいか、登場人物が誰が誰かどうも分かりにくかったですね。
全体的に、もう一歩という感じかな。



3/8 エネミーオブアメリカ →Amazon
なかなか トニー・スコット
ジェリー・ブラッカイマー製作ということで結構不安だったんですが、
意外と面白かったです。
まあ、監視システムって怖いねえ、程度しか感想は残らないんですが、
見ている間は何も考えずに楽しめます。
ラストのジーン・ハックマンの取引のシーンはなんだか意味がよく分からなかったんですが、
そのあとはそれなりに盛り上がって見応えがありました。
その辺はさすがにハリウッド映画ですね。
まあ暇つぶしには良いと思いました。



3/11 シクロ →Amazon
おすすめ トラン・アン・ユン
青いパパイヤの香り』とは一変して、それなりに起伏のある映画でした。
とはいえその映像には、『パパイヤ』に通じる映像美が感じられて
素晴らしかったです。
ちょっと昔のベトナムの田舎を舞台にしていた前作に対し、
今回は(おそらく)現代のハノイを舞台にしているんですが、
その映像のコントラストがよく出ていて面白いですね。
ベトナムっぽい喧噪と混沌がすごく感じられました。
『青いパパイヤの香り』もベトナム、『シクロ』もベトナム、
そういう強烈な雰囲気というか匂いがすごく良く出ています。
ただストーリーはどうも分かりにくかったかも。
英語字幕で見てたんですが、俺の英語能力だけの問題ではないと思います。
(まあ字幕自体も少々変だったかもしれません)
ストーリーが複雑というわけではなくて、
妙に説明不足だったり、ストーリーに関係のなさそうなシーンがあちこちに挟まっていたりして、
分かりづらいです。
『青いパパイヤの香り』が好きな人にはたぶんおすすめ。



3/11 ぼくのバラ色の人生 →Amazon
まあまあ アラン・ベルリネール
タイトルからコメディーっぽい映画化と思っていたんですが、
予想外に重い映画でした。
見ていてずいぶんとつらいです。
いろいろと考えさせられます。
自分が親だったらどうだろうなあ、とか。
きれいごとを言うのは簡単ですが、実際そうなったらどうでしょうかねえ?
あと印象的なのがわりと先進的で開放的なイメージのある
フランスがずいぶんと保守的な雰囲気を持っているということ。
まあそう言われれば確かにそうかもしれませんが、
見ている時は結構意外に思いました。
あとフランスにもあんなアメリカ風サバービアがあるんですね。
それもちょっと意外。
いろいろと考えさせられるという意味では面白い映画だと思います。



3/12 英雄 →Amazon
おすすめおすすめ チャン・イーモウ
チャン・イーモウの最新作。
『秋菊の物語』以降のチャン・イーモウ作品は正直あまり好きではないんです。
面白いには面白いんですが、『菊豆』とか『紅夢』のころの強烈な感覚が無くなって
しまっているんですよね。
「幸せ三部作」(この低次元な名付け方自体ふざけていますが)なんて
「何ファミリー映画なんかとってるの?」という感じで
見ていて腹が立っていました。(面白いだけによけい腹が立ちます)
で、この映画はジェット・リー主演でアジア各地で記録的大ヒット、ということで、
どんな娯楽映画なのか、と思っていたのですが・・・
意外と昔っぽいチャン・イーモウ色が出ていて良かったです。
強烈な色彩感覚と(やり過ぎのような気もしますが)、
結構ドロドロした人間関係。
残念ながら語学力不足で話の仕掛けがよく分からなかったのですが、
十分に面白かったです。
難を言えばチャン・イーモウはさすがにアクションの撮り方が下手です。
スローモーション使い過ぎでジェット・リーの良さが全然出てなかったです。
まあマギー・チャンとかトニー・レオンとかアクションの専門家じゃない人のため
だったのかもしれませんが。
考えてみるとジェット・リーをうまく撮れる人って
やっぱりツイ・ハークくらいなものなんでしょうか。
あまり万人受けする映画じゃないような気がしないでもないですが、
とりあえずおすすめです。



3/13 ナイルの娘 
・・・ 侯孝賢
脳天気に明るい『風が踊る』『素敵な彼女』とはうってかわって
どうも分かりづらい映画。
生きて行く目的を見つけられない若者の日々を描く、っていうテーマは
よく分かるんですが、なんか筋が分かりにくいんです。
ジャ・ジャンクーの『プラットホーム』とよく似ているかな。
中国も台湾も似たようなものだ、というのが分かりました。
(あたりまえです)
とはいえ何となく頭の片隅に残ってしまうような
妙な印象もあります。
そこらへんはこの監督の力量なんでしょうか。
なかなか微妙な映画。



3/13 多桑 
おすすめおすすめ 侯孝賢
日本統治下で育った多桑(父さん)の生涯を描いた映画。
台湾にはこういう歴史もあったのだなあ、と感動してしまいました。
日本人としては非常に考えさせられてしまいます。
以前に李登輝前総統の講演ドタキャン騒動がありましたが、
中国政府の犬の外務省はもう救いようがないにしても、
かけたはしごを外した某大学の(KO大学だったかな?)
腰抜けの根性無し方にはぜひこの映画を見てほしいです。
(どうせこういう歴史を知らないで依頼したのでしょう)
映画としてはすごく淡々とした展開なんですが、
深い情感と真実味が感じられてとても良い映画です。
ちょっと小津安二郎っぽい感じもします。
さすがに世界的に評価されている監督だと感心しました。
そういえば本筋とは関係無いですが、
最初の映画館のシーンはニューシネマパラダイスみたいでおかしかったです。
おすすめです。



3/14 愛情萬歳 →Amazon
おすすめおすすめ ツァイ・ミンリャン
以前に見た『HOLE』が今一よく分からなかったので、
あまり期待していなかったのですが、
期待に反して素晴らしい映画でした。
ラストはまじで感動して拍手したくなりました。
傑作です。
侯孝賢の『ナイルの娘』と同じように
都会に生きる人間の孤独を描いているのですが、
こちらはなんとも強烈です。
台詞も音楽もほとんど無しで剥き出しの孤独を描いていて、
重苦しい雰囲気になりがちなのですが、
そんな中にもユーモアがただよっていて、
哀しくって可笑しい奇妙な気分になります。
(『ファーゴ』のキャッチフレーズそのままですね)
とにかくこれは素晴らしいです。
各映画祭で評価されているこの監督の良さを感じることが出来ます。
少々見る人を選ぶようなところもありますが、
とりあえずおすすめ。
台湾映画を代表する一本と言って良いと思います。



3/16 あなただけ今晩は →Amazon
おすすめおすすめ ビリー・ワイルダー
ビリー・ワイルダーの職人的な技が冴える逸品です。
見ていて感心のため息が出てしまうほどうまいです。
「演出の神様」はだてではないですよ。
取り立てて深いところはない、軽いコメディーなんですが、
なんか良い映画だなあ、と感動してしまいます。
もうこれ以上は説明しようがないです。
こういう味のある映画を撮れる監督って、本当に少ないですよね。
とにかくおすすめです。



3/16 ニューシネマパラダイス →Amazon
おすすめおすすめ ジュゼッペ・トルナトーレ
良いです。
映画としての感想はそうとしか言いようがありません。
本当に映画って良いなあ、と涙が出てきそうです。
言うまでもありませんが、おすすめです。
ちなみに今回見たのはノーカットの完全版なんですが・・・
これはいまいちだったかも。
追加シーンのポイントとしては母親の語りとエレナとの再会なのですが、
少々長いです。
蛇足のような気がしました。
この映画の最大のテーマは「映画への愛」のはずなんですが、
追加シーンでは「家族愛」とか「初恋の顛末」とかが長々と語られて行きます。
で「映画」のテーマがかすんでしまうような気がします。
アルフレードが死んで島に帰ってくる、アルフレードの遺品を受け取る、
ラストの映画のシーン、と「映画」テーマで実にスムーズな締まった展開になるはずなのですが、
そこに長々とエレナ探しなどが入ってきて、
あれもこれもでラストがあやふやになってしまったような気がしました。
個人的にはそこらへんがカットされた短いバージョンの方が好きです。
まあとにかく映画好きのための映画。
見ましょう。



3/18  
おすすめおすすめおすすめ ツァイ・ミンリャン
愛情萬歳』の孤独感をさらに強力にしたような映画。
見ていて息がつまりそうなくらいすごい映画です。
ラストの銭湯?の親子のシーンは凄絶としか言いようがありません。
画面を凝視したまま息をのんでしまいます。
あの暗闇の画面自体も素晴らしく美しいんですが、
それ以上の迫力があります。
あのシーンだけ見たら単なるよく出来たポルノに見えるのかもしれませんが。
正直なところ見てすぐには「?」という感じが強かったのですが、
今から思い返してみると、なんだかものすごい映画だったような気がします。
筋書きも展開も何もない、ほとんど救いようのない絶望的な孤独です。
孤独が台湾の暗闇の底深くに沈んでいます。
やっぱりこの人はすごい映画作家なのだなあ、と感動しました。
もしかしたらこの監督は天才かもしれません。
一度見ただけではその価値は分からないような気もしますが、
本物の「映画」に興味がある人はぜひ見ていただきたい一作。
見て良く分からなくても、あとからいろいろと思い返してみると、
何かしら見えてくるものがあるんじゃないかと思います。
ハリウッド映画でいいよ、っていう人は見ない方が良いと思います。



3/22 ミッションインポシブル →Amazon
?? ブライアン・デ・パルマ
ずいぶんと評判が良かったので、それなりに期待していたのですが、
大したことは無かったです。
話の筋がややこしそうなわりに単純だし、
(単に分かりにくいだけのような気がしました)
第一最初の段階で黒幕は誰か分かっちゃいますしね。
ごく普通のハリウッド映画、という感じです。
デビッド・フィンチャー版の3っていうのは期待していたんですが、
逃げられちゃったようで、ちょっとがっかりです。
ラストでトム・クルーズを殺してくれれば面白かったんですが。



3/23 真夜中のカーボーイ →Amazon
おすすめおすすめ ジョン・シュレシンジャー
映画的には「うーん・・・?」という感じだったような気がしますが、
なにしろダスティン・ホフマンが素晴らしかったです。
ダスティン・ホフマンがいなかったら完全に忘れ去られる映画でしょうね。
まあジョン・ボイトの抜けっぷりもそれはそれで良かったんですが、
やっぱりダスティン・ホフマンがいればこそ、だと思います。
あの哀愁は見事でした。
ダスティン・ホフマンのみで十分に見る価値があります。
おすすめ。
ところでこの映画のタイトル、『真夜中のカウボーイ』が正解のような気がしますが・・・
「真夜中の車少年」じゃあないですよねえ。



3/24 男はつらいよ 旅と女と寅次郎 →Amazon
・・・ 山田洋次
まあ面白かったんだけど、マドンナが都はるみっていうのが
いまいちなじめませんでした。
なんとなく都はるみのアイドル映画(別にアイドルじゃないけど)
みたいな気がしてしまって、「これで良いのかなあ?」という感じです。
特に都はるみが歌を歌うシーンなどは浮いている感じがしましたね。
別につまらないわけではないんですが。
そんな感じです。



3/26 クレイマークレイマー →Amazon
なかなか ロバート・ベントン
なかなか有名な映画ですが、さすがに面白かったです。
オチは少々ありきたりでハリウッド映画っぽかったんですが、
途中は、特に裁判のシーンはなかなか見せられてしまいました。
裁判にいたるまでのプロセスはちょっと長過ぎるような気もしましたが、
裁判を盛り上げるために必要な過程だったのだろうとも思います。
今回もダスティン・ホフマンはさすがに良かったのですが、
それよりもメリル・ストリープが後からなかなか良いとこ取りのおいしい役で
見応えがありました。
まあまあこんなところだろうな、という感じの映画です。
ところでこの映画、タイトルどういう意味だろうと思っていたのですが、
「クレイマーvsクレイマー」だったんですね。
そう書いてくれた方がよっぽど分かりやすいと思うのですがどうなんでしょうか?



3/27 HOLE →Amazon
おすすめ ツァイ・ミンリャン
昔に一度見ていたんですが、せっかく『愛情萬歳』『河』と見てきたので、
流れで見てみました。
前二作に比べるとずいぶんとマイルドな感じでした。
タイトルの「穴」の存在のおかげでしょうね。
ラストも今までに無い「救い」が準備されているし。
その分映画自体の印象もマイルドかな。
途中のミュージカルシーンもきつさを押さえていますね。
『河』のような強烈なパンチ力は無いです。
分かりやすくはありますけどね。
ところでこの映画では途中で『河』のお父さんの苗天がちょこっと出てきますが、
すごく存在感があり、びっくりしました。
どういう意味だか良く分からない役柄なんですが、
強烈な印象を残しています。
結構すごい役者ですね。
なんにせよ映画全体としてはまあまあと言った印象でした。
そういえば以前の記憶はほとんどなかったんですが、
歌のシーン、というか歌はイントロを聴いただけで、
「聴いた」っていうのをすぐに思い出しました。
やっぱり音楽っていうのはすごいですね。



3/29 パーティ7 →Amazon
なかなか 石井克人
オープニングのホテルの会話はなんとなくタランティーノっぽかったです。
レザボアドッグス』の「ライクアヴァージン」論争みたいな雰囲気で。
内容は全然違うんですけど、ノリがね。
全体としてもノリだけの映画。
まあそのノリで十分面白かったですが。
個人的にはまったのは浅野忠信。
ひげはやしていつもワンパターンな印象の役が多かったような気がしますが、
これは見ていて全然気が付きませんでした。
相方の原田芳雄もいい味ではまっていました。
こっちののぞき部屋のシーンの方がメインの話よりも面白かったかな。
永瀬正敏の方はわりと普通だったかも。
「濱マイク」(本当はこっちの方が後だったと思うけど)まんまな感じで
あまりインパクトが無かったです。
まあ後に残るものは一切無いけど、見ている間はとりあえず楽しい映画。
暇つぶしにはいいでしょう。



3/30 男はつらいよ 花も嵐も寅次郎 →Amazon
・・・ 山田洋次
冒頭が沢田研二のミュージカルシーンで
都はるみの次は沢田研二かよ、と少し腹立ったんですが、
今度は沢田研二はチンパンジーの飼育係ということでほっとしました。
映画的にはまあまあ面白かった方かな。
もうコメントもしようがないですよね。
ちなみにこの映画の中で沢田研二が寅さんのことを
「お金に困ってなさそう」と言うシーンがありましたが、
確かにそうなんですよね。
ああいう生活もいいなーってだれでも思うんでしょうね。
お金にがつがつしないで旅から旅へ。
今の日本から無くなってしまったものを持っているから
ずっと、今でも愛されるキャラクターになっているんでしょう。
まあああいう生活はまずできそうも無いですが。



3/30 ミュージックオブハート →Amazon
おすすめ ウェス・クレイブン
なんか展開が変なんですが、音楽ものということで救われていますね。
家作るのもうまく行かない、男とも別れた、っていうどん底から、
突然10年立ってうまく行っていますっていう飛躍は
さっぱりわけが分からないです。
でもラストのコンサートのシーンはさすがに感動的。
やっぱり音楽って良いなーと感動しました。
ちょっとバイオリンを習いたくなりました。
メリル・ストリープはあいかわらず、っていう感じでしたね。
特別印象的ではないんだけどやっぱりうまい、というところです。
それにしてもホラー屋さんのウェス・クレイブンが
こんな映画を撮るっていうのは不思議な話です。
どういう風の吹き回しなんでしょうか。



3/31 隠し砦の三悪人 →Amazon
おすすめ 黒澤明
音楽をうまく使う監督、というとまずはスタンリー・キューブリックですが、
黒澤明も音楽の使い方がうまいです。
この映画はまるでミュージカルかオペラのような雰囲気を持っています。
もちろん歌ったり踊ったりするわけではないんですが、
ワーグナーのオペラのようにきっちりと音楽にのって話が進んで行くような
印象を受けます。
特に最初の方のふたりの掛合のシーンなんかはそういう印象が強いです。
それにしても千秋実と藤原鎌足はうまいですねえ。
この作品に限っていえば三船敏郎よりも存在感があります。
この二人がスターウォーズのC-3POとR2-D2のモデルになったというのは有名な話ですが、
全然キャラクターのできが違いますよね。
この二人に比べるとスターウォーズのロボットなんてぜんぜんなってないです。
あとお姫さまも演技がうまくはないですが、迫力と存在感はなかなかのものだったと思います。
映画的には『七人の侍』や『用心棒』ほどのハラハラ感は無いですが、
十分に面白いですし、何よりも主演二人が最高です。
おすすめです。


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