6月

6/2 ロック・ストック・アンド・フォー・ストールン・フーブス →Amazon
まあ ガイ・リッチー
トゥー・スモーキング・バレルズ』のテレビ版。
監督はガイ・リッチーじゃないと思うけど、まあガイ・リッチーの作品です。
『ツー・スモーキング・バレルス』、『スナッチ』と全く同じノリ、同じ調子。
まあ面白いんだけど、3本目となるとさすがに飽きが来ますね。
つまらないわけじゃ無いですよ。
ガイ・リッチー次は恋愛ものとかいう噂ですが、
どんな映画になるか逆にたのしみ。



6/4 青いパパイヤの香り →Amazon
おすすめおすすめ トラン・アン・ユン
ベトナムのうだるような熱帯の日常生活を
官能的な映像で紡いでいく。
カンヌ映画祭でカメラドール(新人監督賞)受賞。
ものすごく官能的で美しい映像、それだけです。
それだけですが、すごいです。
変な話ですが、映像見ているだけでなんか興奮しますよね。
下手なハリウッドのアクション映画とかよりもよっぽどどきどきします。
すごく良かったです。
すごい好きな作品。
シクロ』『夏至』も楽しみです。
ところでこの映画、熱帯ベトナムの雰囲気がすごく良く出ていると思うんですが、
ああいう昼も夜もうだるように暑くてけだるい雰囲気では、
怠け者になるのもわかるような気がします。
そんなすごく雰囲気のある映画。
映画館で見たかったです。



6/5 食神 →Amazon
おすすめ チャウ・シンチー/リー・リクチー
キネカ大森周星馳電影的世界の一本。
少林サッカー』が『キャプテン翼』の実写化なら
こちらは『ミスター味っ子』の実写化。
めちゃくちゃ面白かったです。
小便団子の試食シーンとかは爆笑してしまいました。
確かにあんなノリだったなー、とか。
はじめの辺は妙にテンポが早いうえに笑うシーンも少ないので
(というか笑うシーンが良くわからない)
どうかなあ、と思うんだけど、
後半はずっと笑いっぱなしです。
おすすめ。



6/5 マッドモンク 
・・・ ジョニー・トー
キネカ大森周星馳電影的世界の一本。
日本最終上映だそうです。
まあ正直日本最終上映も仕方なし、の映画かも。
脚本もデタラメなら特撮もどB級。
あんまり笑える所も少ないしねー。
マギー・チャンが出てるのは良いんだけど。
食神』と二本立てならまあ許容範囲です。



6/7 リトルヴォイス →Amazon
最悪・悪夢 マーク・ハーマン
テレビ東京でなぜかやっていたので期待してビデオをとったんだけど・・・
こんな途方も無いことになるとは思いませんでした。
映画を見ていてこんなにダメージを受けたのはひさしぶりです。
台詞が吹き替えなのは仕方ないにしても(これだって嫌なんだけど)
まさか歌まで吹き替えになるとは予想だにしていませんでした。
この映画の存在意義すら破壊しています。
めちゃくちゃ。
吹き替えの歌がうまいかどうかなんて何の意味も無いです。
吹き替えの歌なんて聞く気にもなりません。
(実はステージのシーンを見ながらこれを書いています。見る価値ないです。)
ビデオをとった人は絶対見ないで下さい。
字幕版のレンタルビデオを借りてみてください。
俺もそうします。
ちなみに映画自体は良い映画です。
いかにもマーク・ハーマンらしい「良い」映画で、
個人的には好きでは無いパターンなんですけどね。
ステージのシーンがそれを補ってあまりあります。
それだけにこの吹き替え版は最悪。



6/11 イル・ポスティーノ →Amazon
おすすめ マイケル・ラドフォード
イタリアの小さな島での郵便配達人と亡命詩人との交流を描く。
いかにもイタリア映画らしい「良い」映画。
二人が出逢って交流を始めるあたりはいまいち納得がいかない感じがしたんだけど、
まあ主役の二人(マッシモ・トロイージとフィリップ・ノワレ)が
とてもうまかったので良しという所です。
あととにかく自然がきれいです。
第三の主役という感じです。
ああいう海や山を見ていたら詩が自ずからわいて来るのでしょう。
「すごさ」はないんだけど、とにかく良い作品。



6/11 赤ちゃん泥棒 →Amazon
おすすめ ジョエル・コーエン
子供のできない夫婦が五つ子のできた夫婦から赤ちゃんをひとり失敬する。
いかにもコーエン兄弟、というこりまくった映像はさすが。
ジョン・グッドマンの登場シーンには唖然とさせられました。
ストーリーの方はコーエン兄弟にしては起伏があって面白かったんだけど、
逆に平凡な感じも受けてしまいました。
やっぱりコーエン兄弟は『バートン・フィンク』とか
ビッグリボウスキ』みたいな、なんだか訳の分からない不思議な世界を
見せてほしいですね。
個人的には。



6/12 チャイニーズオデッセイ →Amazon
??? ジェフ・ラウ
西遊記をもとにした輪廻転生・パラレルワールド?のラブストーリー。
「ゴダールより難解」と言われているらしい(ゴダールはつまらないだけのような?)
作品ですが、確かにぜんぜん意味分かりません。
内容を理解したい方はこちらをどうぞ。
長い映画なのでその一その二で上映しているのですが、
どういうわけか(ミニパラのデータを見間違えた・・・)時間を間違えて
順番を反対に見たせいでよけいわけが分かりませんでした。
まあ順番通りに見ても絶対に分からなかったと思うけど。
映画としては昔の香港映画にチャウ・シンチー風味を足した感じで、
いまいち中途半端。
コメディーにするなら『食神』くらい徹底的にやってほしいところです。
ただ昔の香港映画の雰囲気は懐かしかったですね。
(まあこの映画自体昔の香港映画なんですけど)
ツイ・ハークの『蜀山奇博 天空の剣』を思いだしていました。
もう一回見たいなあ(『蜀山奇傳』の方です)。
そういえば続編できるらしいですね(『蜀山奇傳』の方です)。
イーキン・チェン主演、セシリア・チャンにチャン・ツイィー(えらく汚い顔ででてます)、ニコラス・ツェーに
サモ・ハン・キンポー、ツイ・ハーク監督で『マトリックス』の
ユアン・ウーピンがワイヤーアクション担当と
恐ろしく豪華キャスト。
なんか画面見るとテレビゲームみたいなCGてんこもりで、かなり不安になりますが・・・
まあ楽しみにしておきましょう。
ちなみにいつ公開かはよく分かりません。
公開しないかも?



6/15 プレタポルテ →Amazon
おすすめおすすめ ロバート・アルトマン
パリコレを巡る様々な人間模様を描く群像劇。
マルチェロ・マストロヤンニ、ソフィア・ローレン(娘のキアラ・マストロヤンニもでてます)、アヌーク・エーメといった世界的な大俳優から、
ティム・ロビンス、ジュリア・ロバーツ、キム・ベイジンガー、ルパート・エベレットなどハリウッドを代表する俳優、
ナオミ・キャンベル等(すいません、あと知らないです)らのスーパーモデル、
ブルガリやゴルチエなどのデザイナーなど、とにかくものすごい顔ぶれの映画。
さながらスターの展示会のようです。
これだけの役者を集めると、映画がバラバラになりかねないような気がしますが、
そこはさすが巨匠といわれるだけのことはあります。
それぞれのエピソードがしっかりとまとまっていてすごく見ごたえがあります。
中でもクリスチャン・ディオールからクレムリンへのぎょっとするようなオープニングで始まる
ひまわり』へのオマージュはわらえます。
こっちは『ひまわり』とは反対にマストロヤンニが、ソフィア・ローレンを追っかけてロシアからでてくるんだけど・・・
という展開もアルトマンらしく毒がきいていて良いです。
なかなかおすすめ。



6/16 猫が行方不明 →Amazon
まあ、ね セドリック・クラピッシュ
休暇中預けておいた猫が行方不明になった。老若男女を巻き込んだ猫探しが始まる。
いかにもフランスらしいプチオシャレな映画。
題名から猫探し騒動の映画かと思ったんだけど、さにあらず、
猫を探す女の子を中心にした人間模様の映画でした。
でも、単になる恋愛映画じゃなくて(それももちろんあるけど)、
地上げでされつつある古い町と近所付き合いを描いているところが
この映画の良さです。
特に猫探しの老人たちの(老人といってもおばあさんばっかりだけど)
雰囲気が日本の下町っぽくてすごく面白かったですね(滝田ゆうの『寺島町綺譚』を思いだしました)。
猫をなくしたおばあさんの風邪声は最高でした。
結構面白いです。



6/17 D&D完全黙秘 →Amazon
ジェット・リーファンなら コリー・ユン
ジェット・リー主演ということで見ておきました。
いかにも普通の香港映画です。
ラストの息子と一緒のシーンはちょっと良かったですけどね。
あの子供は『少林伝説』とかいう映画にでていた子供でしょうか?
大した子役がいるものです。
ところでこの映画、原題は『給巴巴的信』(ちょっと字が違うけど。「パパに手紙を」)
英語の題は『My Father is a Hero』。
原題はなるほど分かります、英語の題はストレートすぎるけど気持ちは分かります。
でも邦題の『D&D完全黙秘』とは一体なんのことでしょう?
ぜんぜん意味が分かりません。
そのへんを頭に入れてみてみましょう。



6/19 喜劇王 →Amazon
おすすめ チャウ・シンチー
結構面白かったです。ドラマとして。
チャウ・シンチーの映画って、「これはなんのパロディーだ?」
とかそんなことばっかり考えてしまうんだけど、
普通に見れば普通に面白いです。
一生懸命見たってジョン・ウーくらいしかわからないし。
特にセシリア・チャンは良かったですねー。
まあラストはなんだかわけわからなかったですけどね。



6/19 少林サッカー →Amazon
おすすめおすすめおすすめ チャウ・シンチー
チャウ・シンチー祭の最後を飾るのはやっぱりこの作品。
非常に面白いです。ドラマとして。
個人的にはストーリーをあまり考えずに、好きなことをひたすらやっている
食神』の方が好みですが。
これも最初の方は結構好きなようにやっているんですが、
途中からドラマに走っちゃってるんですよね。
なぜか突然手持ちカメラでドキュメンタリー風に撮ってみたり(ラース・フォン・トリアー風?)
わけわからないところはたくさんありますが。
まあ一般の人向けにはこれが一番良いと思います。
特にヒロイン役のヴィッキー・チャオは良かったです。
マギー・チャン、カレン・モク、アテナ・チュウ、セシリア・チャンと
美人ぞろいの(カレン・モクはあんまり好きじゃないけど)
チャウ・シンチー作品の中でもNo.1です。
(ヒゲヅラのセシリア・チャンも良かったけどね)
役柄的にもかなり得していると思うけど。
非常におすすめです。



6/22 愛人 →Amazon
・・・ ジャン・ジャック・アノー
マルグリット・デュラスの原作を読んでみて
あの作品をどのように映画化するのか興味を持ったんですが・・・
ごく普通にストーリーを展開しているのでびっくりしてしまいました。
いさぎが良いといえばそうかもしれませんが、
デュラスの世界がぶちこわしのような気がします。
あと原作ではあまり明確にされていない時系列を、
映画に都合の良いように解釈しているのはともかく、
かなり重要なポイントで設定がかえられているのはどうも理解できません。
そういう意味で原作を読んだ人にはそこそこ楽しめると思いますが、
何も知らない人が見たら単なるポルノかも。
原作を読んでみて下さい。



6/23 楽園の瑕 →Amazon
まあ ウォン・カーウァイ
中国の有名な武侠小説(らしいです)の映画化。
戦う剣士の剣が山を砕き地面を割るオープニングを見て
「お、こんな映画も撮ってるんだ!」と感心したのですが、
本編に入るとあきれるほどのウォン・カーウァイワールドになってしまいます。
ただこの映画、ウォン・カーウァイ作品にしてはばかに人物関係が入り組んでいます。
見てて少し頭を使います。
原作があるからでしょうかね?
あとこの映画は武侠小説の本編に出てくる人の若き日を描いているとのことで
(スターウォーズ エピソード1みたいな)
これから、っていうところで話が途切れたりして中途半端な所が多いですので注意が必要です。
とはいうもののウォン・カーウァイ作品としては
(時代劇という新鮮さも手伝って。まあ新鮮といってもえらく昔の作品ですが)
結構面白かったです。
ちょっとだけおすすめ。



6/24 天使が見た夢 →Amazon
おすすめおすすめ エリック・ゾンカ
エロディ・ブシェーズとナターシャ・ニエがカンヌ映画祭主演女優賞をW受賞。
久々に「良い」映画を見たような気がしました。
派手な画面効果とかハラハラさせるストーリーとかなしに、映画を見させてくれます。
すごく力のある作品。
主演の二人の女優が揃ってカンヌで主演女優賞を受賞したことで一躍有名になった映画ですが、
それもよく分かるような気がします。
主役が二人いるというより二人で一つの役柄を演じているような感じがしました。
この二人が揃うシーンはすごく緊迫感があって良いです。
とにかくおすすめ。良い映画です。



6/26 花様年華 →Amazon
おすすめおすすめ ウォン・カーウァイ
お互いの妻と夫が不倫していることを知った男と女の心の動きを描く。
トニー・レオンがカンヌ映画祭 最優秀男優賞受賞。
まるで音楽のような映画。
これだけ「濃い」映画ってなかなか見れないと思います。
非常に『ブエノスアイレス』に良く似ているんだけど、
でも全く違った雰囲気をつくり出しています。
非常に良いです。人によって好みはわかれると思いますが。
(『アルマゲドン』とか『タイタニック』が好きな人には
一生理解できないと思います。かわいそうだけど)
マギー・チャンのチャイナドレスは非常に評判良いんですが、
髪をアップにするとどうもおばさん臭くていけません。
ラストにちょっとだけ髪を下ろした姿で出てくるんですが、
そっちの方がずっと良いと思うんですが・・・
ちなみにラスト、今回はアンコールワットなんですが、
『ブエノスアイレス』の灯台のシーンには全然かなわないですね。
あそこは絶対行きたいです。
どうでもいい話です。



6/28 ウェディング →Amazon
なかなか ロバート・アルトマン
一つの結婚式に集る人々の様々な人間模様を描く。
いかにもロバート・アルトマンらしい風刺のきいた群像劇。
登場人物がえらくたくさんいて途中で誰が誰だかわからなくなってしまうんですが、
(最後まで誰が誰だかわかりません。)
それでも十分面白いです。
結構笑わさせられます。
ただ、面白いには面白いんですが、いまいち特徴が無いような気も。
ちょっと平凡というか、あまり残るものが無いんですよね、印象的に。
アルトマンとしては普通、という感じかな。



6/29 キング・イズ・アライヴ →Amazon
うー クリスチャン・レヴリング
コンパスの故障で砂漠のまん中に取り残された人々が正気を保つため、『リア王』を演じはじめる。
ドグマ#4としてもちょっと有名になった作品。
設定としてはすごく面白いと思ったんだけど・・・
途中の展開がすごく緩慢な感じがしました。
いまいちかな。
この映画、ドグマの作品としては意外に映像に凝っているんだけど、
ちょっと見づらいです。
特に焚き火のシーンは、見続けるの非常につらいです。
子供だとへたすりゃてんかん起こすかも。
見ててかなりむかつきました。


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