5月

5/4 スパイダーマン →Amazon
・・・ サム・ライミ
アメコミの代表を半分実写、半分CGで映画化。
いかにも正統派ハリウッド映画。
サム・ライミも普通の監督になったなあ、という感じです。
ウィレム・デフォーが悪役グリーン・ゴブリンということで
すごい期待していたんだけど、
出番少ないし肝心のグリーン・ゴブリンのシーンがほとんどCGということで
非常にがっかりです。
トビー・マグワイアもキルステン・ダンストもなんか普通だったし。
まあまあ普通の映画。
2の企画も進行中ってことだけど、
大体想像できます。



5/6 鬼が来た! →Amazon
おすすめおすすめ チアン・ウェン
第二字大戦下の中国、マーの家に日本兵入りの麻袋二つが届けられる。
カンヌ映画祭グランプリ受賞作。
カンヌでグランプリも当然と思えるすごい力作です。
久々にこの手の映画を見たせいもあると思うけど、
すごかったです。
設定的には大江健三郎の『飼育』に似ているなあと思っていたんですが、
全然違う展開。
個人的には、ちょっと長過ぎでラストが散漫になったような感じもしたけど、
十分おすすめできる作品です。
まああの中国人の会話のテンションがえんえん続いて、
しかも内容がかなり重いので見終わってどっと疲れますけどね。
がんばって見るだけの価値は十分あります。
中国の映画はやっぱり質が高いです。



5/6 活きる →Amazon
まあまあ チャン・イーモウ
国共内戦から大躍進政策、文化大革命と歴史の波に
翻弄される一家の姿を描く。
カンヌ映画祭審査員特別賞&主演男優賞受賞。
長い期間を描いているという俺の嫌いなタイプの映画なんだけど、
それなりにまとまっていました。
さすがチャン・イーモウと言っていいと思いますが、
まあチャン・イーモウの作品としてはわりと凡作だと思います。
鬼が来た!』の後で見たせいで印象が薄かったせいもあると思いますが。
ただ特筆すべきは主演のグォ・ヨウ。
(パンフとか見ているとコン・リーの映画みたいに見えるけど、
主演はグォ・ヨウです。)
主演男優賞はだてではないです。
なんか設定的にちょっと変な役を実にうまく演じています。
本当にうまい。
(まあコン・リーもなかなかうまいですけどね)
この人の演技だけでも見る価値あり。



5/11 サンセット大通り →Amazon
なかなか ビリー・ワイルダー
ハリウッド版『老妓抄』(読んだこと無いので全然違うかも)。
巨匠ビリー・ワイルダーの1、2を争う名作と評価が高い。
非常に評価の高い作品ですが、個人的にはまあまあだったかな。
ビリー・ワイルダーの作品は洒落た、軽妙なタッチがすごく好きなんだけど、
これはかなりシリアスな内容で、ちょっとイメージと違うような気がしました。
シリアスな中にもちろんワイルダーらしい
コメディータッチのところもあるんだけど、
逆に中途半端な感じがします。
ただラストシーンの迫力、特にマックスのシーンはよかったですね。
見て損は無い作品です。



5/15 山の郵便配達 →Amazon
おすすめおすすめ フォ・ジェンチイ
山あいの郵便配達、父から息子への仕事の引継ぎの旅の中での親子の交流を描く。
あの子を探して』を押さえ中国アカデミー賞を受賞して話題になった作品。
泣かせます。
見てる人みんな、ずっと鼻をずーずーして泣いていました。
すごくバランスがよくて良い作品だと思います。
そつが無さすぎて、ちょっと出来過ぎ、
こじんまりとまとまってしまっている感はありますが。
でも十分に見る価値あり。
『あの子を探して』と良い勝負です。
非常におすすめ。



5/19 男はつらいよ 寅次郎と殿様 →Amazon
・・・ 山田洋次
シリーズ第19作。
また一本抜けました。
もう最近わけわからないです。
映画的には、まあまあかな?
ところで恒例の最初の夢のシーン、
「名乗るほどの者じゃございません」とか
「もしやお兄さんでは?」「お人違いでございましょう」とか
なんかいかにも日本的で面白いなあと思いました。
ハリウッド映画の場合なんかは華々しい音楽の高まりの中で
兄妹がヒシと抱き合い・・・なんてなるんでしょう。
この映画の場合は否定しないんですけどね。




5/25 コレクター →Amazon
まあ ゲーリー・フレダー
女性を次々とコレクションして行く犯人と、心理分析医アレックス・クロスとの
対決を描く。
非常にハリウッドらしい映画。
まるでお手本通りに出来ています。
で、非常に印象の薄い映画。
2日たったらストーリーを思い出すのにさえ苦労しました。
なんか変なんですよねー。
ラストの犯人はどうも必然性が無いし、
心理分析医という主人公の特性も前半はそれらしく展開するものの
途中からは普通の刑事物みたいになっちゃうし。
まあ、暇つぶしに見るのは良いかも。



5/25 友だちのうちはどこ? →Amazon
まあ アッバス・キアロスタミ
間違えて持って帰ってしまったノートを友だちに返したいが、友だちの家はどこ?
今や世界的な大監督となったキアロスタミの出世作。
キアロスタミといえばこの作品ですが、
確かにいかにもキアロスタミらしい作品。
単に子供が主人公というのでは無い、
本当に子供らしい視点というか行動がとても面白い。
特にラストの先生の宿題チェックのシーンは
小学校の頃を思い出して、なぜかどきどきしてしまいました。
ただラストはすごく面白いんだけど、
途中はちょっと冗長な感じもあったと思います。
すきずきかな?
アンチハリウッドの人にはお薦め。



5/26 相続人 →Amazon
まあ ロバート・アルトマン
敏腕弁護士が遺産相続を巡る罠にはめられるミステリー。
J・グリシャムの原作を巨匠ロバート・アルトマンが映画化。
まあ、何というか、不思議な映画。
ミステリアスな構成は、さすが、と思わせるものがあるんだけど、
なんか、いまいち納得がいかないような。
それなりに面白かったんだけど。
そういえば実はロバート・アルトマンの映画って、
MASH』しか見ていなかったことに気が付きました。
もうちょっと他の映画も見ないといけません。



5/29 こころの湯 →Amazon
おすすめおすすめ チャン・ヤン
スパイシーラブスープ』のチャン・ヤン監督作。
様々な人々が交流する中国の銭湯を舞台にしたドラマ。
『スパイシーラブスープ』も大好きなんだけど、
こちらもすごく良い作品。
途中何となく間延びしたような感じがあったのはちょっと残念だけど、
ポイントはしっかりと押さえてあります。
特にラストはかなり良かったです。
胡同・旧市街の取り壊しなんていう時事問題もからめてあって
うまいものです。
本当にいい監督ですね。
ただもう一つ気になったのは作りが何となくテレビドラマっぽい所。
テレビで見てもあまり変わり無いような・・・
『スパイシーラブスープ』もそんな感じがしました。
作品の良さ自体にはあまり関係ありませんが。
次回作にはぜひ映画らしい大作を期待したいものです。
いずれにせよ作品自体も監督もお薦め。


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