9月

9/1 タイタス →Amazon
まあまあ ジュリー・テイモア
ミュージカル『ライオンキング』の演出家(たしか)の映画進出作。
シェイクスピアの映画化。
全体的なセンスは面白いと思うんです。
古代ローマを舞台にしながらオートバイや革ジャン、缶ビールなど。
あといかにも舞台めいたせりふとか。
ただストーリーとしては?。
テーマをどこに置いているのかさっぱりわかりません。
復讐が復讐を呼ぶ悲劇かと思ったらそういうわけでも無さそうだし。
映画全体としてはどうかな、という感じがします。
舞台では表現しきれないものを映画でやってみました、という感じです。



9/2 ギルバート・グレイプ →Amazon
いまいち ラッセ・ハルストルム
いかにもラッセ・ハルストルムらしい癒し系映画。
レオナルド・ディカプリオがアカデミー助演男優賞にノミネート(たしか)。
いまいち、ポイントがつかめない映画。
なんだかいろいろとやろうとしすぎて中途半端になっているような感じです。
そんな感じ。
マイライフ・アズ・ア・ドッグ』の方がずっと好きです。



9/8 Versus →Amazon
おすすめおすすめ 北村龍平
登場人物全員が2時間ひたすら戦う映画。
海外で結構評価が高いらしい。
隣の人がとにかく最悪で全然集中できなかったんだけど、
かなり面白かったと思います。
とにかくやりたいことをやりましたという感じで、
思わず「あんたも好きねー」とつっこみたくなるようなところ満載です。
ジェット・リーがよく使う足技に(なんというか・・・見ればわかる)、
鬼脚ばりの足技、ジョン・ウーばりのガンアクション、
ワイヤーばりばりのチャンバラともうなんでもあり。
ストーリーはもうどうでも良いです(別に悪いわけじゃない)。
ラストはどうなることかとどきどきしましたが、
きれいに決めてくれるし。
お見事です。



9/15 FinalFantasy →Amazon
・・・ 坂口博信
全編フルCG。そればっかりが強調されている映画。
ゲームは2までしかやったことがないので、関連性は分かりません。
とにかくCGばかりが強調されますが、そこら辺はいまいちピンときませんでした。
顔のアップを見ていると「やっぱりCGだなあ」という感じですが、
ストーリーを一生懸命追っているときや、遠景のシーンなどは
たしかに実写と見まごうようなできです。
でも正直「それがどうしたの?」という気持がするのも確か。
実験映画ではなく商業映画として売る以上「テクノロジーを越えたなにか」
がないとやっぱりダメだと思います。
その点ストーリーは・・・
「ハリウッドではありません!」という主張ばかりが聞こえてくるような内容のような・・・?
どの面にわたっても中途半端という感じがします。



9/16 あの子を探して →Amazon
おすすめおすすめ チャン・イーモウ
1999年ヴェネチア映画祭金獅子賞受賞。
13歳の代用教員が都会に出稼ぎにでた生徒を探しに行く。
去年の9/9以来ほぼ一年ぶりに映画館で(家では一回見た)見ました。
良い映画です。泣きます。
菊豆』や『紅夢』で鳥肌の立つような女の情念を描いてきたチャン・イーモウ監督ですが、
『秋菊の物語』で方向転換を行い、この映画で見事に「ファミリー向け映画」(?)を作ってしまいました。
といっても、やっぱりすごい。大した監督です。
おすすめ。



9/16 初恋のきた道 →Amazon
おすすめ チャン・イーモウ
2000年ベルリン映画祭銀熊賞受賞。
『あの子を探して』と二本立てで見ました。
感想の方は6/10に見て書いているので省略。
(でもやっぱりかわいいです)
ちなみに新文芸座、はじめていったんですが、いいですねー。
これだけ良い映画を2本で1300円、場内もスクリーンもやたらに広くて綺麗だし。
(とても「名画座」という雰囲気ではありません。渋谷にあっても十分に通じます)
駅から近い、ビックカメラが近いから時間もつぶせる、
まあ真っ昼間っから客引きの姉ちゃんが(映画館のじゃないよ)
うろついているのはどうかと思いますけどね。
いいところです。
池袋ってちょっと遠いんだけど、入り浸りになりそう。



9/16 スパイシーラブスープ →Amazon
おすすめおすすめ チャン・ヤン
初恋のきた道』に続いてついついレイトショーも見てしまいました。
これまた去年の11/19に見ているので感想は省略。
それにしても見たことのある映画3本も続けて見るというのも
何ともばかげた話のような気もします。
まあどれも何度見ても良い映画なんですけどね。
「新文芸座」万歳です。
それにしてもこれ、良い映画です。
おすすめです。
ちなみにこの映画のなかで描かれている中国の家庭、
すごく日本によく似ている(生活のレベル的に)ので、
見たときにはたまげてしまったのですが、
この前中国に行った限りではそうでも無さそうです。
ああいう生活をしている人は中国でもたぶんごく一握り、という気がします。
まあそれは映画の本質には関わりないんですが、あまりにもびっくりしたもので。



9/22 くちづけ →Amazon
・・・ 増村保造
最近やたらと再評価が行われている増村保造監督のデビュー作。
恋愛・青春映画です。
見ていて黒澤明監督の『野良犬』を何となく思い出してしまいました。
ストーリー的には全然違う硬派な映画なんだけど、
何となく雰囲気が似ていたもので。
こういう古い映画を今見て評価するのってなかなか難しいような気がします。
どうしても時代を感じてしまうもので。
増村保造監督はわりとヌーヴェルヴァーグの映画と比較されるようだけど、
そもそもヌーヴェルヴァーグ自体よくわからない(ゴダールとか)、
というか時代を感じてしまうからね。
そういう感じです。



9/22 心中天網島 →Amazon
・・・ 篠田正浩
篠田正浩監督の初期の代表作。
近松門左衛門の浄瑠璃、心中天網島を映画化。
これまたよくわからない作品。
人形浄瑠璃など日本の舞台に書かせない黒子をメインに
日本の様式美を映画に取り込もうとした、というのは分かるんだけど・・・
でてきたりでてこなかったり何となく中途半端。
まあストーリーを殺さないようにという配慮かも知れないけど。
どうせやるならもう少し黒子などに集中してもよかったのでは?と思う。



9/23 にっぽん昆虫記 →Amazon
なかなか 今村昌平
戦前戦後の日本を脱皮を繰り返しながらたくましく生きていく女性の姿を描く。
主演の左幸子がベルリン映画祭で女優賞を受賞。
深刻に描けばかなり深刻な物語を
何となくとぼけたテンポですすめていき
肩を張らずに楽しめる映画。
ストップモーションや、時々挿入される短歌・俳句が何ともいい味を出しています。
個人的には余り好きではない大河ドラマ系のストーリー展開であすが、
そこら辺の効果もありかなり面白かったです。
ただ最初の方は会話がさっぱり聞き取れなかったんだけど・・・
字幕がいるのでは?
なかなかおすすめ。



9/23 青春残酷物語 →Amazon
・・・ 大島渚
大島渚監督の初期の代表作(らしい)。
青春ものです。
まあなんというか、そういう時代だったんですね、という感じの映画。
『くちづけ』とよく似たような感想をいだきました。
そんな感じです。
ちょっと時代が違いすぎるかも。



9/23 猿の惑星 →Amazon
まあまあ ティム・バートン
かの名作『猿の惑星』の「リ・イマジネーション」映画。
なぜか今頃になって水戸でやっていたので見に行ってきました。
なんというか、いかにもティム・バートンっぽい映画。
オープニングなんて、日本の特撮もののパクリみたいで、
笑ってしまいました。
内容的には、まあまあかな?
ちょっとラストのオチをどうするかに力入れすぎたんじゃないかっていう感じがします。
で、肝心のラストは一応二段構えのオチになってはいるけど、
前作にはちょっと及ばないかも。
ラストは読めちゃったし。
まあティム・バートンのこだわりっぷりが好きな人にはお勧め。



9/24 特別な一日 →Amazon
おすすめおすすめ エットーレ・スコラ
イタリアを代表する名優マルチェロ・マストロヤンニとソフィア・ローレンの共演作。
アパートの向かい同士に住む主婦と男の特別な一日を描く。
何とも素敵な映画。という感じです。
取り立ててどこがすごい、というわけではないようなんだけど、
すごく暖かな映画。
とりあえずおすすめです。



9/29 リーサルウェポン4 →Amazon
ちょっと・・・ リチャード・ドナー
リーサルウェポンの4作目です。
というかジェット・リーハリウッド進出第一作。
・・・ちょっとひどすぎ。
ジェット・リー見たさに見てみたんだけど、
これでは爆破フェチのジョエル・シルバーの独り舞台では?
いくらなんでもめちゃくちゃです(まあ笑ったという意味では面白かったけど)。
まあジェット・リーはなかなか良かったんですが。
(悪役とはいえ最後に死んじゃったのは問題です)
それにしてもリーサルウェポン家庭にはいるとは・・・
客が入ればなんでもあり、なんでしょうね。



9/30 ガタカ →Amazon
おすすめおすすめ アンドリュー・ニコル
3月にも見てるんだけど、テレビでやっていたので、
ついつい見てしまいました。
さすがによくできています。
2度みても面白いです。
おすすめ。
前にも書いたけど、マイケル・ナイマンの音楽、よくできています。
すごいです。



9/30 SF サムライ・フィクション →Amazon
なかなか 中野裕之
布袋寅泰音楽のロック時代劇として話題になった中野裕之監督のデビュー(?)作。
将軍家から拝領した宝刀を盗んだ侍を若侍たちが追う。
正直なところ余り期待していなかったんだけど、
かなり面白かったです。
布袋寅泰の音楽もやりすぎにならず、なかなか映画とマッチしていたし、
役者さんみんなうまいし。
まあ映画そのものとしては毒にも薬にもならないような内容だと思うけど、
楽しむ分には十分です。
この調子なら『赤影』も見ておけばよかった・・・とちょっと思いました。
なんにせよ、おすすめ。



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