8月

8/4 ライトスタッフ →Amazon
長い・・・ フィリップ・カウフマン
ちょっと長すぎ。
ストーリーにしまりがないので、だらだらと続いている感じがしてしまって。
久々に途中で見るのをやめようかと思いました。
題材的には面白いし、役者もなかなかいい人そろってるんだけど・・・
(エド・ハリスとか良いんだけど・・・)
いまいち。



8/5 浮き雲 →Amazon
まあまあ アキ・カウリマスキ
『レニングラードカウボーイズ』とは全然違う路線の映画。
とはいえ全編に漂うもの悲しい雰囲気と淡々とした語り口は相変わらず。
この映画はわりとそれが良くはまっていると思います。
(『レニングラードカウボーイズ』はミスマッチな感じが
逆に面白かったけど)
ストーリー的には意外と普通なんだけど、
アキ・カウリマスキっぽさが良く出ていておすすめ。



8/11 花火降る夏 →Amazon
まあまあ フルーツ・チャン
メイド・イン・ホンコン』で一躍世界に名を知られたフルーツ・チャン監督の第二作。
香港の中国返還によって職を失った中国人兵士たちの生活を描く。
前作『メイドインホンコン』がかなり強烈だったので、
今度は「まあそんなもんかな」という感じの印象。
前作では若者の生活を描いていたので
結構相通ずるものもあったと思うんだけど、
元兵士となるとなかなか実感がわかないというのが正直なところです。
盛大な花火という華やかさと対比される暗い生活というのは
かなり印象的でしたが。
まあ、まあというところ。



8/11 芙蓉鎮 →Amazon
なかなか 謝晋
中国第三世代、謝晋監督の代表作。
文革の嵐吹き荒れる芙蓉鎮で歴史の狂気に翻弄される
女性の半生を描く。
最初見た感想は、何となく泥臭いなあ、というもの。
なんか大河ドラマとか朝の連ドラとか橋田すがことかそんな感じ。
ただ泥臭いとはいえその分ストレートに感動させられてしまいます。
泣かされるわけではないけどなかなか良いです。
まあ余分なシーンが多くてちょっと長いですけどね。
この映画では文革に翻弄される女性の姿を描いているのですが、
文革っていうのは本当にひどい出来事だったんだなあというのを強く感じました。
単に、良い人が悪い人にいじめられてかわいそう、というものではなくて、
まともな人々がだんだん集団で狂っていくということの恐怖感を感じました。
そう考えるとあのラストは単なる勧善懲悪の結末ではないのかなあと。
ちなみに文革の全容を知るには『ワイルドスワン』がおすすめ。
長いけど、中国現代史がよくわかります。



8/12 イギリスから来た男 →Amazon
まあまあ スティーブン・ソダーバーグ
エリン・ブロコビッチ』と『トラフィック』でハリウッドを制した
スティーブン・ソダーバーグ監督作。
アメリカで死んだ娘の死の真相を求めてイギリスからやって来た男の復讐の物語。
スティーブン・ソダーバーグのどちらかというと小品的な作品。
なかなか良くできている、んですが
セックスと嘘とビデオテープ』のイメージが強烈すぎて
それに比べるとどうしても落ちる感じがします。
とはいえさすがに、なかなか良くできている、という感じでしょうか。
特にラストは見事。
ちょっと感動しました。
ちなみにこの映画で話題になる過去と現在の映像を複雑にからませた
編集?はどうもテクニカルすぎてあまり好きにはなれませんでした。
面白いとは思うんだけど、ちょっと奇をてらいすぎというか。
そんな感じです。



8/12 ルナ・パパ →Amazon
なかなか バフティヤル・フドイナザーロフ
なかなか珍しいトルコ映画(たぶん。出資は違うけど)。
月夜に見知らぬ男の子供を妊娠した女の子の父親探しを描く。
雰囲気が何よりもいいです。
トルコの美しい景色と幻想的なストーリー。
特に細かいシーンの切れ切れがすごく心に残ります。
車の上で踊るシーンや収穫アンサンブルなんて
すごく良いですよね。
そしてラストも。
夢があります。



8/13 エイリアン4 →Amazon
おすすめ ジャン・ピエール・ジュネ
4作目は『デリカテッセン』の映像派ジュネ監督。
内容は通常通りエイリアンとの戦いですが。
さすがに映像派といわれるだけのことはある、
見ごたえのある美しい映像のオンパレード。
宇宙船が地球に近づいていくシーンなどは絶品です。
ストーリー的にはあいかわらずだなあという感じはするんですが、
もう映像だけで十分に満足できます。
それにしてもストーリーは来るところまで来ちゃっている感じですね。
今回もラストでリプリーが死ぬ(息子と心中する?)
のかなあと思ったんですが・・・
次回作はあるんでしょうか?
それより監督は誰がやるの?



8/13 地下鉄のザジ →Amazon
おすすめ ルイ・マル
フランスの名匠ルイ・マル監督作。
地下鉄を見たい女の子がパリ中を逃げ回り、大人を翻弄するどたばたコメディ。
良いです。とにかくザジがかわいい。
こういうどたばたでも洒落っけを失わないところは、
さすがフランス映画、という感じです。
アメリカ人はこうスマートにはできないよね。
とは言っても後半のドリフばりのどたばたぶりが
一番面白かったんですが。
それでいてラストのしめ方はいかにもフランスっぽい
シニカルさ、というのがすごいです。
ラストの一言は考え出すときりがないんですが、
とりあえず楽しめればいいでしょう。



8/14 ぼくらと遊ぼう! →Amazon
おすすめおすすめ
トルンカ、ポヤル、ベネシュといった大御所の作品を中心とした
チェコアニメ特集。
Cプログラムです。
何度も書いていますが、とにかくおすすめ。
『ぼくらと遊ぼう!』『パットとマット』
やっぱり面白いですね。
特に『パットとマット』は何とも優雅な(裕福な、ということではなく)
生活で感心してしまいます。
本当の豊かさってどんなものなんだろうとか
考えてしまいました。
あと最初のトルンカの『楽しいサーカス』も
紙芝居みたいな不思議な感覚のアニメで
なかなか興味深かったです。



8/14 チェブラーシカ →Amazon
まあおすすめ ロマン・マチャーノフ
ロシア製のパペットアニメーション(人形アニメ)。
チェブラーシカがかわいいということで人気らしいです。
その見た目とは裏腹に
全編とおして何ともうすら寂しい雰囲気のあるアニメ。
最後に列車の上でゲーナが歌う歌なんて、
死にたくなるくらい寂しさを感じました。
ちょうどアキ・カウリマスキの『レニングラードカウボーイズ』によく似ているかも。
ロシア音楽が寂しい印象を受けるのでしょうか。
内容的にはまずまずかな。
チェブラーシカのキャラクター映画といえるかもしれません。
半眼の寂しげなチェブラーシカ(一人でコマを回しているところとか)
はちょっと気に入りました。
ちなみにチェブラーシカって熊というより猿に見えるんですが、
どうでしょう?



8/14 不思議惑星キン・ザ・ザ →Amazon
おすすめおすすめおすすめ ゲオルギー・ダネリヤ
カルト的な人気を誇るロシア(ソ連)製の低予算SF映画。
銀河のどこか、キン・ザ・ザ星の物語。
クー。
いや、とにかくはまりました。
面白いです。
最高。
それだけ。
それ以上言葉を費やす必要はありません。
これってDVDとか出てないんでしょうか?



8/15 シャドウ・オブ・バンパイヤ →Amazon
まあまあ E.エリアス・マーハイジ
吸血鬼ノスフェラトゥ』の主役は本物の吸血鬼だった。
アカデミー賞助演男優賞ノミネート(ウィレム・デフォー)。
ホラーなのかコメディーなのかよくわからない、
いまいち中途半端な作品。
見所はやっぱりジョン・マルコビッチ対ウィレム・デフォーの役者でしょう。
「血を吸わせろ」とわがままなだけの吸血鬼が、
一応お芝居をしているところなんかはなかなか笑えます。
ウィレム・デフォーファンなら必見、かな。



8/15 チアーズ! →Amazon
まあまあ ペイトン・リード
チアリーディングを舞台にしたスポコンドラマ。
シネマライズでやってるのでなんかひねりがあるのかと思ったら、
ごく普通の正統派スポコンものでした。
特別「これは!」というところもないけど
まあ普通に楽しめる、オーソドックスな映画です。
振り付けが他の学校のパクリだったので
オリジナルの振り付けを作ろう、ということで
ラストの大会でオリジナルの振り付けが出て来ます。
で、なんかいろいろと取り入れている割には良くまとまってるなあと
感心してしまったんですが、
考えてみりゃあ映画なんだからプロが振り付けをしているんですよね。
ひねくれた見方ですが、ちょっと変な感じがしました。
それにしても飛ぶわ飛ぶわ、チアリーディングってすごいですね。
六大学野球とは大違いです。



8/15 キシュ島の物語 →Amazon
なかなか
キシュ島の観光プロモーションを目的に
イランを代表する三人の監督が、島を舞台にして
短編を競作したオムニバス映画。
全編を通して潮の香りがあふれる映画です。
個人的には最後の『ドア』(モフセン・マフマルバフ監督)
が良かったです。
シュールな内容に目がいきがちな内容ですが、
その画面の美しさが何とも圧倒的です。
『サイレンス』でも独特な映像がなかなか良かったですが、
こっちは本当にすごい。
『ドア』はおすすめです。



8/16 ロリータ →Amazon
まずまず スタンリー・キューブリック
ウラジミール・ナボコフの(少なくともタイトルだけは有名な)
小説の映画化。
取り立ててこれといった特徴もないような・・・
悪くはないんですけどね。
わりと淡々と物語が進んでいきます。
途中でミステリアスな展開になりはするんだけど、
そう盛り上がるわけでも無し。
まあラストはちょっと良かったですけど。
そんなところ。



8/19 ベルリン 天使の詩 →Amazon
おすすめ ヴィム・ベンダース
カンヌ監督賞受賞作。
ハリウッドで(笑)リメイクも作られました。タイトルは忘れたけど。
まさに詩。
ベルリンをテーマにした詩です。
画面の美しさにただただ見とれるばかり。
ストーリーも役者もたんなる添え物に過ぎないという感じがします。
すごいです。
おすすめ。



8/25 キス・オブ・ザ・ドラゴン →Amazon
いまいち クリス・ナオン
リュック・ベッソン制作のアクション映画。
アクション映画なんでどうでも良いといえばどうでも良いんですが、
ストーリーは非常にありがち。
どこにでもありそうなものです。
それより売りはジェット・リーのアクション、のはずなんですが、
これがいまいち。
今回はワイヤー無しというのもちょっと残念な気がしますが、
それよりも撮り方が下手すぎ。
全然ジェット・リーのアクションを撮りきれていません。
見せ場で真っ暗になるなんて最悪。
ジェット・リーファンにはがっかりです。



8/25 ビヨンド・ザ・マット →Amazon
ファンは必見 バリー・W・ブラウスティン
アメリカのプロレスの裏側を描いたドキュメンタリー。
アメリカプロレスファン必見の一作です。
これは個人的な好みもあり、万人には勧めがたい気もしますが、
普通のドキュメンタリーとしてみても非常に面白いと思います。
それよりなによりアメリカのプロレスファンにはもうたまらない映画。
もっとみたかったです。
それにしてもシネマライズ、ずい分と並んでいました。
地下から階段を上ってきて映画館をでて
わきの階段の真ん中くらいまで列が続いていたと思います。
面白い映画をやるものです。感心します。



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