3月

3/3 スイートヒアアフター →Amazon
なかなか アトム・エゴヤン
なかなか面白い映画。
考えさせられます。
この映画、主人公の弁護士を軸に、2つの時間が平行で流れるんだけど、
その二つの時間が最後のシーンでぴたりと組みあわさって、
話の筋道(単にストーリーというだけでなく)が
一つにつながるという仕組みは、感心してしまいました。
良い映画です。
この映画公開当初はなぜか「癒し系」映画なんていわれていて、
見た人から「全然癒されない」なんて非難の声もあがっていたけど、
これはむしろ「本当の癒しとはなにか?」という問いかけの映画だと思います。
「答はそれぞれが考えろ」という。
この映画なりの答のヒント、というか微かな希望がラストには用意されてはいるけど。
ところで「癒されない」という非難の声に対する友人の名言を最後に引用します。
『1800円で癒されようなんて虫が良すぎる』
・・・名言です。



3/3 キャストアウェイ →Amazon
それほどでも ロバート・ゼメキス
トム・ハンクスさすがにうまいですね。
すごいです。
でも映画としては・・・?
話のポイントがつかめないというか、
なにを言いたいのか良くわからないんですよね。
無人島での生活と脱出という
ロビンソン・クルーソー的冒険を描きたかったのか、
脱出してからの浦島太郎的悲哀を描きたかったのか。
中途半端なんです。
だから印象にもあまり残らない。
まあラストはなかなか良かったですね。
良いです。
ただバレーボールを買っているのはどうも・・・
即物的すぎない?



3/4 セックスと嘘とビデオテープ →Amazon
すごいです スティーブン・ソダーバーグ
今や時の人、飛ぶ鳥落とす勢いの
スティーブン・ソダーバーグ監督の大出世作。
・・・難しいような、そんな難しくないような。
ぜひもう一度見て中身を確かめたい映画です。
でもすごい映画です。
しかしそれ以上にすごいのは、これだけ難解そうで、
起伏の少ないストーリーをこれだけ「見せる」ことができるということ。
面白いんです。
いかにもカンヌ受けしそうな内容をこれだけ面白い映画にできるのって、
本当にすごい。
他の映画も期待大です。



3/4 リトルマンテイト →Amazon
いやー ジョディ・フォスター
ハリウッドきっての才女(才人と呼ぶべきか)の初監督作。
初監督、ということを割り引いても、
正直「こんな映画?」という感じ。
まあ『スイートヒアアフター』や『セックスと嘘とビデオテープ
と比べちゃうとどうしてもしかたないとは思いますが。
これも『キャストアウェイ』と同様なにを言いたいのか良くわからない。
話の焦点がぼけぼけで。
単なる親子愛の映画?
残念。



3/10 ユメノ銀河 →Amazon
いまいち 石井聡互
なんか、いまいち物足りないんですよね。
雰囲気を重視しすぎているせいなのか、
物語に迫力が無いというか。
「あら、そう」という感じなんです。
なんか、絶対的にもったいない感じがします。
夢野久作原作、浅野忠信主演で、
こんなこじんまりとした映画じゃねえ。
もったいないです。



3/10 ラスベガスをやっつけろ →Amazon
すごい テリー・ギリアム
想像以上にすごい映画。
とにかくすごい。
はげ頭、くわえタバコののジョニー・デップ、
太ったサモア人、ベニチオ・デル・トロ
すごすぎる。
圧倒されます。
びっくりです。
なんというか・・・
「すごい」映画が好きな人にお勧め。



3/11 ガタカ →Amazon
おすすめ アンドリュー・ニコル
良いですね。
ストーリーとか俳優とか言う前に、
全体の雰囲気作りが実に良い。
「これが未来だぞ!」という押しつけがましさが無くて、
すごく自然な感じがする。
俳優も良し(なんか変にぴったりとはまってます)、
ストーリーも良し(ラストはなかなか感動しました)、音楽も良し(良くはまっています)。
「良くできた」映画です。
おすすめ。



3/11 アリス →Amazon
まあまあ ウディ・アレン
可もなく、不可もなくといったところではないでしょうか。
面白いんですけどね、いまいち乗り切れないんです。
感情移入しきれないというか・・・
まあ映画の内容からいったら当たり前かもしれないですけどね。
さすがに出来はいい、でもねえ・・・という感じでしょうか。



3/17 エイリアン3 →Amazon
まあまあ デビッド・フィンチャー
エイリアン1、2はもう記憶が定かではないくらい昔に見たので
比較できないんだけど、なかなか良くできていると思う。
エイリアンは1匹だけにしてドラマ性をもたせたのなんかはなかなか。
ただデビッド・フィンチャーらしさはあまりなかったかもしれない。
デビュー作としてはすごく良いんだとは思うんだけど、
セブン』『ファイトクラブ』と比べちゃうとどうしても・・・
まあ『エイリアン』シリーズとしては良いんじゃないですかね。



3/17 アンダーグラウンド →Amazon
すばらしい エミール・クストリッツァ
すごい力作。
「力作」なんていう言い方はおこがましくていやなんだけど、
「傑作」とか「名作」よりも「力作」がはるかにぴったりとくる。
すばらしいです。
黒猫白猫』の監督らしくすごくユーモラスなんだけど
非常に感動的。
とにかくすごい。
それ以上の言葉は不要です。



3/17 スナッチ →Amazon
さすが ガイ・リッチー
さすが。
お見事。
でも正直なところ前作「ロックストック・・・」の方が好き。
好みのレベルの問題なんですけどね。
『スナッチ』のほうはちょっと登場人物が多すぎ、話を拡げすぎで、
破綻無くきっちりとおさまって入るんだけど、
前作のほうがまとまり・スピード感は良かったと思います。
やたらに説明的なナレーション(今回は独白の形を取っているけど)
もかなり増えているし。
まあ見て損はないですけどね。
この監督、次に一体どんな映画を撮るのか楽しみです。



3/18 時計仕掛けのオレンジ →Amazon
すごい スタンリー・キューブリック
いまさらどんな説明も不用な大名作。
さすがにすごいです。
この監督は映像作家みたいに評されることが多いような気がするけど、
(たしかにその通りで「ミルク・バー」の造りなんかは本当にすごい)
音楽センス、すごいですよね。
2001年宇宙の旅』の「ツアラトゥストラ・・・」や
シュトラウスのワルツなんか有名だけど、
(『アイズ・ワイド・シャット』もすごかった)
この映画でも第九と『雨に歌えば』をすごい使い方をしている。
すごいです。



3/18 ブレイブハート →Amazon
感動・感動 メル・ギブソン
すごいですねえ、フジテレビ。
CM無しで映画を放送するなんて。
マジで感動しました。
CM無しの放送なんてNHKか
昭和天皇の葬儀くらいしか記憶にないけど・・・
拍手拍手です。
映画のほうは・・・
まあまあですかね。
まあまあ面白かったです。
まあ内容ほとんど同じなんだけど、
パトリオット』のほうが面白いかな。



3/18 夜と霧 
さすが ウディ・アレン
もう、さすが以外の言葉もないです。
本当にしっかりとした映画を作りますよね。
すごく面白い、わけではないんだけど、
安心してみていられます。
ここで問題です。
このタイトルはもちろんフランクルの小説『夜と霧』にかけてあるんだけど、
(ごめんなさい、読んでません。ナチのユダヤ人迫害の話とか)
この小説「世界で3番目に売れた本」という話を聞きました。
では「世界で2番目に売れた本」はなんでしょう?



3/20 マウスオブマッドネス →Amazon
まあまあ ジョン・カーペンター
分かるような分からないような、不思議な映画。
最初の方はなかなか面白そうな感じだったんだけど、
途中からなんか怪物とかが出てきだして、急にB級っぽくなってしまったのが残念。
全体としてはまずまずなのかな。



3/20 ガジュマルの丘へ 
かなり フー・ピンリウ
かなり良い映画だと思います。
正直ストーリー的にはありきたりで、
老人ホームのシーンなんか
「本当かよ」っていう感じなんですが(宣伝映画みたい)、
でも、感動するんです。
実はこれは映画館で見て以来二度目なんですが、
それでもかなり感動しました。
かなりお勧めの映画です。



3/24 処刑人 →Amazon
おすすめ トロイ・ダフィー
いいですね。
世評にたがわぬ良い映画です。
細かいところを見ると結構あらもあると思うんだけど、
なによりも格好いい。
面白いです。
それにしても、ウィレム・デフォーすごいです。
まるで独り舞台。
レオン』のゲイリー・オールドマンもびっくりの爆笑ものです。
まああれだけの怪演も確かな演技力があってのものなんでしょうね。
おすすめです。



3/24 ザ・セル →Amazon
いまいち ターセム
売りのなにやら病的なセルの景色はかなり良いんですけど・・・
ドラマ部分がたるい。
犯罪の動機について刑事(正確には捜査官だけど)が
「ひどい虐待をうけたってまともに生活している奴だっているんだ」
とたんかを切ったすぐ後に、
実は犯人は父親から虐待をうけておかしくなっていたっていうのがわかったり・・・
ストーリーは全くいただけません。
もっと「セル」に集中すれば良かったと思うんですけどねえ。
CUBE』みたいに。
まあ「セル」のシーンも一貫性が無くて
良くわかんないといえばそうなんですけどね。
なんで馬が千切りにされるのかとか。
ちなみにジェニファー・ロペスの部屋にiMacがどかっとおいてあって、
「おっ」っと思ったんですが、
その後寝る前にテレビで見ていたのが『ファンタスティック・プラネット』。
まあ見たことがないんで多分そうだと思うだけなんですが、
『セル』の中を暗示しているんでしょうかね。
『ファンタスティック・プラネット』、ぜひ見てみたいです。



3/25 オペラ座・血の喝采 
まずまず ダリオ・アルジェント
相変わらず鮮烈・残酷にして全く意味不明の映画。
これだけ毎回毎回意味不明の映画を撮り続けているというのも、
ある意味すごい。
この監督の映画は意図的に不可解にされているんじゃなくて、
(要は常人には理解しがたい深遠なものを含んでいるということではなく)
単にストーリーが弱いだけのように思えるんで。
まあダリオ・アルジェントファンには面白いけど、
他の人にはどうかな?と思います。



3/30 LAコンフィデンシャル →Amazon
さすがに カーチス・ハンソン
映画館で2度も見たのでさすがに
ちょっと面白みもかけてきた感じだけど、
さすがに良くできた映画。
ただあのラストはねえ・・・
どうしてそうなってしまうのか、
がっかりなんですが。



3/31 2001年宇宙の旅 →Amazon
さすがに スタンリー・キューブリック
さすがにすばらしいです。
ストーリー的には若干退屈な感じもするけど、
これだけの映像と音楽の融合はまさに芸術。
すごいですねえ。



3/31 惑星ソラリス →Amazon
すごい? アンドレイ・タルコフスキー
『2001年宇宙の旅』と同じような映画史上の伝説的映画。
一度や二度見たくらいではとても理解できそうにありません。
少なくとももう一度見ないと何とも。



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