2月

2/2 夜の大捜査線 →Amazon
まずまず ノーマン・ジュイソン
有名な映画ですね。なんでそう有名なのかはわからないですが。
内容的にはまずまずというところでしょうか。
悪くはないけど、すごく良いわけでもない。
いまいちアピールポイントに欠ける地味な映画です。
最初にレイ・チャールズが歌う『In The Heat Of The Night』
が良いです。
ちなみにこの映画の英語タイトルも『In The Heat Of The Night』、
「夜の熱気の中で」という訳になると思います。
雰囲気的にもそっちの方がずっとあっていると思うんですけどねえ。
けだるい、やりきれない、先の見えない、そんな雰囲気です。
「大捜査線」というと、今だからというのもあると思うんだけど、
結構派手派手しいイメージがわいてしまって。
ちょっとこの映画とはマッチしないような気がします。



2/2 クリムゾンリバー →Amazon
映画館でなら マチュー・カソヴィッツ
面白いんです。
が、ちょっと単調なのが残念。
全体的にいい感じなんですが、ラストの盛り上がりが欠けるせいか、
なんか単調な感じがします。
あとストーリー的にもいまいちちぐはぐだし。
なぜ死体がああいう形なのか、いまいち説得力がないとか。
内容的にはとても面白いと思うんですけどね。ちょっと残念。
あとこれはフランス映画というよりはフランス製映画。
フランス映画を見ると感じるいかにもっていう雰囲気が感じられない。
良い悪いは別にして。
あと「席順を管理する」というのには妙に納得させられてしまいました。



2/2 ファイナルディスティネーション →Amazon
ビデオででも ジェームズ・ウォン
なぜ水戸でやっているのか理解に苦しむ映画。
まあクリムゾンリバーと二本で1200円なら値頃でしょう。
内容的には、うーんという感じです。
あんまり金のかかっていないハリウッド映画という印象かな。
それでも結構笑えます。
最初の飛行機事故のシーンなんかは、えらくおかしかった。
あとラストはなかなかすっきりしていて良かったですね。
それは感心してしまいました。



2/9 ポンヌフの恋人 →Amazon
すごい レオス・カラックス
さすがにすごい。
そんな感じです。
パリ祭の花火のシーンは特にすごいです。
映画史上屈指の名シーンと思います。
そのシーンや、ポンヌフ橋は全てセットだなんていう話を聞くと、
この監督、かなり力あるんだなあなんて感心してしまいました。
わりとマニア受けする監督みたいな印象だったんだけど、
結構すごいんですね。
ただちょっと気になったのはあまりフランス映画っぽくない感じがしたこと。
前作『汚れた血』に比べるとラストがえらくすっきりと終わっている。
(すいません、『ボーイ・ミーツ・ガール』は見てないんですが・・・)
「アレックス青春三部作」の最後だからってこともあるのかも知れないけど・・・
別に悪いわけではないんですけどね。
あとジュリエット・ビノシュは良かったです。
好きです。



2/9 ランデヴー 
? アンドレ・テシネ
いかにもフランス映画ッぽいわからなさです。
そういう点では「さすが」といっていいのか・・・?
単純に主役ジュリエット・ビノシュの成長物とは言えないだろうし。
良くわかりません。
そのジュリエット・ビノシュ、良いです。
たしかアンドレ・テシネに見いだされて、
この映画で有名になったとか。
さすがです。



2/9 アンブレイカブル →Amazon
まあまあ M・ナイト・シャマラン
うーん。
シックス・センス』と構成が全く同じで驚いてしまいました。
映画の撮り方としてはがらっと変えてあるんだけど、
ストーリーの作りは完全に同じ。
だから悪いというわけじゃないくて、
それでもそれなりに良くできているところがすごい。
ものすごい新鮮さというのは無いんだけど。
あとラストのオチは秀逸。
こっちは思わずうならされてしまう見事さです。
・・・この映画を見る前にロビーで
「『シックスセンス』の続きなの?」
と連れの友達に尋ねている女の子がいました。
見る映画について綿密に調べて来いなんて言うつもりはありませんが・・・
そこらのくだらないテレビドラマと一緒にするな、バカ女
と思ってしまいました。
・・・もう一つどうでも良い話。
サミュエル・L・ジャクソン演じるコミックコレクターが
PowerMacG4を使っていました。
Appleの液晶ディスプレイとセットで、しかも3台。
なんに使ってるんでしょうかね?



2/10 キリングフィールド →Amazon
なかなか ローランド・ジョフィ
カンボジア戦争およびその後の虐殺を描いた映画。
ベトナム戦争を描いた映画は掃いて捨てるほどあれど、
その影の部分であるカンボジアの悲劇を描いた映画ってあんまりないですね。
地雷を踏んだらサヨウナラ』はたしか
そのあとのカンボジア内戦が舞台だったと思うし(見てない)。
で、これは結構すごい映画です。
めちゃくちゃ良いというわけではないんですけどね。
アメリカ軍のプノンペン撤退のシーン、
後半のカンボジア内のシーンなんかは非常に良かったと思います。
ただ、この映画当時のカンボジアをめぐる状況についてちょっと説明が少ないですね。
知らない人には「何が何やら・・・」という状態になるかも。
興味がある人は本田勝一の『カンボジア大虐殺』を読みましょう。
ちょっと固いけど、良くわかると思います。
本田勝一自身は「朝日新聞史観」を体現しているような人で、
南京への道』なんかは「?????」という感じですが、
(本当は、?10個くらい)
少なくとも個々については嘘は書いていないと思うし、
(問題は小さな事実の積み重ねで全体の方向を「意図的に」作りだそうとしているところだ)
まあ読み物と考えればかなり面白いです。
概要が分かっているとこの映画はかなり面白いんじゃないかと思います。



2/10 アウトブレイク →Amazon
さすが ウォルフガング・ペーターゼン
どんな映画でもそれなりにまとめてくるテクニックはさすがですね。
新種ウィルスの勃発をヘリコプターアクションにまで発展させてしまうところは、
あきれつつも感嘆してしまいます。
しっかりとハッピーエンドにしてしまうところも。
本当にハリウッド向きです。
それにしてもこの映画、役者がすごいですね。
アカデミー賞俳優がずらりと並んでいます。
活かしきっているかどうかは別ですが。



2/11 ラヴソング →Amazon
おすすめ ピーター・チャン
内容はかなりべただと思うんですが、
かなり良い映画。
面白かったです。
ひねりとかは全然無い正統派で、
その分安心してみることができます。
あとただ単なる恋愛物じゃなくて、
いろいろな人々のエピソードをペーソスを交えて語って行くところが良いですね。
叔母さんの思い出の話なんかはかなり感動しました。
主演のマギー・チャン、キレイですね。
変な話ですが、マクドナルドの制服が一番にあっていたような・・・
あとアジアの女優ってやっぱり親近感が持てますね。
シム・ウナとかチャン・ツィイーとかもそうですが。
まあとにかく、『花様年華』にも期待。



2/11 追跡者 →Amazon
暇つぶしに スチュアート・ベアード
逃亡者』と相も変わらず、「それなりに見れる」映画。
仕立てはまったくの正統派、テレビだか映画だかわかりません。
まあ面白いんですけどね。
それにしてもトミー・リー・ジョーンズ、よく頑張ります。
ただ今回はちょっとアクションが多すぎて、
『逃亡者』ほどの存在感はなかったかも。
ちょっと残念。



2/17 ペイフォワード →Amazon
感動ものが好きな人は ミミ・レダー
ハリウッド的優等生映画。
文部省推薦。
落ち着いて見れます。
ただラストはいただけないなあ。
女性監督らしいといっていいのか、
ちょっと感傷的すぎて。
まあ泣ける人は泣けるんでしょうけどね。
売りの一つである役者、特にケビン・スペイシーは良いです。
・・・この映画を見てなぜか
立原正秋の『冬の旅』を思い出してしまいました。
映画との関連性はラストだけなんだけど。
立原正秋というとべたべたした、癖のある、
読みづらい文章を書く人というイメージがあるんだけど、この小説は良い。
かなり分厚い本なんだけど2、3日で読んでしまいました。
(ただし学生の時ね)
これはおすすめ。



2/18 ダメージ →Amazon
わかるようなわからないような ルイ・マル
英仏合作ということで、
フランス的難解さとイギリス的明快さ?を
兼ね備えた、わかるようなわからないような映画。
ストーリーはわかりやすいんだけど・・・??という感じです。
これはジュリエット・ビノシュ目当てで見たんだけど、
主演のジェレミー・アイアンズが当たり。
なかなか格好良いです。



2/18 CURE →Amazon
面白い 黒沢清
かなり気味の悪い映画。
なかなか面白かったです。
意味はいまいち分からなかったんだけど。
黒沢清の映画はたぶんこれが初めてだと思うんだけど、
なかなか良いですね。
あれだけ画面全体に気色の悪さを表現できるのって、
なかなかだと思います。
ただなんかそういうテクニックに走りすぎているような感じもします。
あと萩原聖人、なかなか良かったです。



2/25 リトルダンサー →Amazon
・・・ スティーブン・ダルドリー
なかなか感動しました。
が、ちょっと納得いかないような・・・
なんか、まとまりすぎているというか・・・
炭坑を舞台にしたドラマって、
ブラス!』『遠い空の向こうに』なんてあるけど、
これも含めてどれも同じような味付けで、興ざめというか。
別にどこがどうとかではなく、全体としてはかなり良いと思うんですけどね。
たとえて言うならO・ヘンリーの小説のような、出来過ぎの感じがするんです。
マニアックに言えばサキの短編のような毒が欲しいのかな。
まあ趣味の問題ですが。
素直な人は素直に感動できる良い映画だと思います。



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