12月

12/2 ブエノスアイレス →Amazon
難しい ウォン・カーウァイ
分かるような、分からないような・・・
微妙です。
舞台をブエノスアイレスに置いたことをどこまで重視しているのか。
ウォン・カーウァイ作では『欲望の翼』が近いのかな?
まあいかにも「らしい」映画だとは思います。
ところでこの映画、TSUTAYAでは「恋愛映画」
のところに置いてありました。
そういえばそうかも知れないんだけど・・・
恋する惑星』は香港映画の棚にあるのに、これだけ「恋愛映画」?
(『ブエノスアイレス』は香港映画の棚には無いんです)



12/2 チャーリーズエンジェル →Amazon
迷ったら見ない方が良いかも McG
主役三人の誰かのファンであれば見る価値はあり、
別にそうでない場合は別の映画を見ることを検討した方が良いでしょう。
別に悪いわけじゃなくて、手堅くまとまってるんだけどね、
三人の「エンジェル」以外に売りがないのも確かなんです。
ファンなら見るべきだろうけど。
ところでこの映画、どっかで
「無駄にアクション、無駄にセクシー、無駄にスロー」
なんてコメントを読んだんだけど、まさにその通り。
そういうコメントを頭に見ると結構笑えます。
ちなみにジョン・ウーを意識したのか知らないけど、
スローのシーンはあまりにも無駄。
なんか貧乏くさい感じがしました。



12/3 エド・ウッド →Amazon
うーん・・・ ティム・バートン
ほっとする、心温まる映画。
良い映画です。
まあ見る人によるだろうけど。
「史上最低の映画監督」エド・ウッドへの
ティム・バートンの愛情が感じられます。
ちなみにラスト近くでエド・ウッドが
「史上最高の演出家」オーソン・ウェルズに出会うシーン。
スポンサーが映画に口を出すことについて
「私が意志を貫き通した『市民ケーン』
 連中には1コマも触れさせなかった。
 エド、夢のためなら戦え。
 他人の夢を撮ってどうする?」
黒澤明が『白痴』(だったと思う)を映画会社に
カットされたのに怒って
「これ以上切るなら(フィルムを)縦に切れ」
といったのを思い出したけど、
試写会の反応で映画の結末すら変えられるという今のハリウッドの
映画作りに対する、いかにもティム・バートンらしいメッセージでした。
まあエド・ウッドの映画のなかみを見ていると
たしかに「史上最低」っぽいんだけど。



12/8 ローズマリーの赤ちゃん →Amazon
なるほど・・・ ロマン・ポランスキー
有名な映画ですよね。
さすがに面白いです。
途中はまあ普通というか、そんなに見所がないような感じもするけど、
ラストのひねりはお見事でした。
うーん、なるほど・・・
あとラスト、赤ちゃんのベッドの上にぶら下げてあるもの、
ちょっとした小道具が何とも良かったです。



12/9 ラジオデイズ →Amazon
まあまあ ウディ・アレン
ウディ・アレンというと『セレブリティ』くらいしか
見たことが無いんじゃないかと思うんだけど、
それでもなるほどアレン調だなあという感じです。
派手さは全然無いけど、なんか、良い映画です。
アレンファンには良いのかな。



12/9 ホワットライズビニース →Amazon
結構良かった ロバート・ゼメキス
久々にホラーっぽいホラーを見たような気がします。
映画自体はサスペンスホラーっていった方が良いのかも知れないけど。
めちゃくちゃ綿密に書き込まれた脚本がみものかな?
ラストの方まで来ると、いろんな事が伏線としてはられていたことが分かります。
ちなみに最初の方でミシェル・ファイファーが
体のいろいろなところをケガするシーンが出て来るんだけど、
あれはどういう意味があったのかなあ?
どうでも良いんだけどこの映画では夫婦が二人とも
Macを使っています。
ハリソン・フォードはPowerBook(G3、たぶん)、
ミシェル・ファイファーは6300系のMac(うちのと同じです)。
なんだけど6300の方はインターネットをするときだけ、
なぜかWindowsになります。
なんででしょう。



12/10 フェイス/オフ →Amazon
さすがに ジョン・ウー
全編ジョン・ウー節にあふれた映画です。
今頃こんなの見ているのか、という感じですが。
さすがに面白いです。
これを見るとジョン・ウーっていかにも
ハリウッド向けの監督なんだなあとおもいます。
派手な銃撃戦に爆破シーン、とってつけたようなハッピーエンド。
まあ、男たちの挽歌(最終章しか見ていないんだけど。
って最終章は男たちの挽歌シリーズとは違うんだけどね。)
のラストはあまりハッピーエンドではない(みたい)だけどね。
ところでジョン・ウーは「次にハリウッド進出を果たす監督」として、
北野武をあげているけど、どうなんでしょう。
かなりヨーロッパ向き(つまりハリウッドに不向き)だと思うんだけど。



12/10 桜桃の味 →Amazon
映画好きを称するなら アッバス・キアロスタミ
イランの世界的名匠、アッバス・キアロスタミの
カンヌグランプリ受賞作。
うーん、考えさせられます。
いろいろ、考えてしまうような作品。
特にあのラストは・・
ああいうラストを撮れる監督ってなかなかいないと思います。
ところで(ばっかりだけど)映画の最初の方は
かなり長いこと車の中のシーンなんですが、
これの次の映画(だと思うんだけど)の『風が吹くまま』では、
最初は走る車を遠くから撮りつつ車の中の会話を聞かせるという
なんか対照的な撮り方ををしているのが印象的です。
『桜桃の味』でも手伝ってくれる人を見つけたあとは、
会話の攻守が逆転して、
また撮影も車の中から外へと大きく変化をするんですが・・・
まあそういう風にいろいろと考えさせられます。



12/14 パリで一緒に →Amazon
大好き リチャード・クワイン
まさにオードリー・ヘップバーンのための映画。
実にきれいです。
それだけで十分みる価値あり。
冷静に考えると他には特に見所と呼べるところがないような気もするけど、
それでも十分に良いです。
あんまり有名な映画ではないと思うけど、おすすめ。



12/16 レニングラード・カウボーイズ ゴー アメリカ →Amazon
変わった映画を見たい人には アキ・カウリスマキ
何とももの悲しいコメディ。
アキ・カウリスマキの映画は見るの初めてなんだけど、
アキ味というのが強く感じられる映画です。
最初から最後まで一貫して監督の「色」が見えるのは、
やっぱりすごいんでしょうか?



12/16 バーティカルリミット →Amazon
映画館なら マーティン・キャンベル
いかにも、いかにも、なハリウッド大作。
見る前は、見るべきか、時間の無駄か、本気で悩んだんだけど・・・
まあ何も考えないで見れば結構面白いと思います。
映画館ならさすがに迫力あるし。
クライマックスはもうばかばかしいまでの見せ場の連続。
一歩引いて見るとほとんどコメディー、思わず笑ってしまいました。
途中の展開もヘンなところが多いしね。
やっぱりこういう映画は思いっきり感情移入して、
思考を完全停止させてみるのが賢い見方なんでしょう。
まあ1200円なら損はないと思います。
1800円となるとつらいかも。
ちなみに登山といえば北杜夫の小説『白きたおやかな峰』が面白いです。
登山ってどういう風にやるのかとか良くわかります。
この映画を見るよりはよっぽど勉強になるし面白いです。



12/17 ラリー・フリント →Amazon
うーん・・・ ミロシュ・フォアマン
ミロシュ・フォアマンお得意の「奇人・変人シリーズ」なんですが・・・
アマデウス』『カッコーの巣の上で』に比べると大分落ちるかな。
2本が傑作ならこれは佳作というところです。
主人公があまりに滅茶苦茶すぎるのと、
ストーリーが途中途中でばさっと飛ぶのとで
ちょっとついていくのがつらいところがありました。
まあ決してつまらないわけではないんだけど、
その前の二本があまりにもすごすぎたんじゃないかな。



12/17 少林寺2 →Amazon
ダメ チャン・シンイェン
ジェットリーことリー・リンチェイ主演のミュージカル・コメディ。
って誰もそんなものは求めていないのですが。
どこをどう間違ってしまったのか・・・
続編にろくなものはないといいますが、
これはちょっとひどいです。
ストーリーどころかアクションすら前作よりもはるかに
スケールダウンしています。
まあこれはパスして「ワンチャイ」シリーズを見るべきでしょう。



12/23 ダンサーインザダーク →Amazon
正月映画で一押し ラース・フォン・トリアー
とにかくビョークの歌声に圧倒されます。
すごいです。
『奇跡の海』とまるで同じような監督の演出も、
このビョークの歌声に見事にマッチしている感じがします。
ラストは結構泣いている人がいたみたいで、
鼻をずーずーさせる音がたくさん聞こえました。
これを見ていて『グリーンマイル』で泣いたという脳天気な人に、
ぜひ見て欲しいなあと思ってしまいました。
別に悪い映画じゃないけど、感動して泣くような映画でも・・・?
だからこれがどうだというわけではないんですけどね。
良い映画ってやっぱりこう主張してくるものがあると思うんですよ。
『グリーンマイル』にはそれが無くてこれにはそれがあるというわけです。
もう一度見てもいいと思う傑作。
正月映画の中ではやっぱりナンバー1でしょう。
好き嫌いははっきり分かれるとは思うけど、
嫌いだと思うにしても絶対に見て損のない映画です。



12/23 レニングラードカウボーイズ モーゼに会う →Amazon
・・・ アキ・カウリスマキ
前作がアメリカ横断でメキシコへ行く映画だったのに対し、
今度はメキシコからニューヨークへ、そして大西洋を舟で渡ってヨーロッパを横断し、
ロシアへ帰るという壮大なロードムービー。
別に映画自体は壮大ではないんですが・・・。
テイストは前作とほとんど同じ。
なるほどなあ、という感じです。



12/23 遠い空の向こうに →Amazon
感動です ジョー・ジョンストン
3ヶ月くらいレンタルビデオをねらっていながら(毎週です)
全く借りられなかった念願の映画。
公開当初から結構評判良かったんですが・・・
いたく感動しました。
真実は小説よりも奇なり、といいますが、
本当にそんな感じの物語。
まあ、ちょっとは脚色しているだろう、というところはありますが。
これももう一度みたいと思う映画です。
おすすめ。



12/23 ザ・ファーム →Amazon
??? シドニー・ポラック
ラストのおちが良くわからなかったのですが・・・
頭悪いからでしょうか?
まあもう一度よく見ればいいのかも知れないんだけど、
あんまりそういう気にはならないです。
全体的には・・・そんなもんかなあ・・・という感じです。
映画か、俺の頭か、出来が悪いのはどっちでしょうか?
一日で映画4本。
バカみたいです。
まあ昔は一日5本(しかも内3時間もの3本)
見たこともあるんですが、さすがにきついです。
そういえばどうでも良いことなんですがMacが出てましたね。
トム・クルーズ主演だから?
懐かしい古き良きMacOSの画面にちょっと感動しました。



12/24 冒険王 →Amazon
絶対おすすめ チン・シウトン
この映画テレビで初めて名前を聞いたんですが・・・
なんでこの映画の名前を今まで知らなかったんだ!というほどの大傑作です。
絶対一度は見た方が良い超A級B級映画です。
誰もが認めるインディ・ジョーンズ(『レイダース』です)
のパクリの脚本、
最初から最後まで一貫して流れるB級テイストと、
ジェット・リーの世界一のアクションの奇妙な合体、
そして、ロザムンド・クアン、金城武という豪華な競演陣。
なんかすごいB級映画です。
絶対おすすめ。
これもぜひもう一度見たい映画の一本。
見所はジェット・リー対相撲取りのアクションシーン。
相撲取りがワイヤーで飛びます!
これだけでも見る価値あり。



12/24 小便小僧の恋物語 
良いんですが・・・ フランク・バン・パッセル
八月のクリスマス』に似た味わいを持つベルギー映画。
非常に良い映画だと思います。
いかにもヨーロッパ風のおかしみがあり、
また哀感があり、なかなか味わい深い映画です。
が。
ラストが分かりません。
どういうことなんでしょう?
ちょっと唐突すぎるのでは?
良い映画なんですが・・・。



12/30 ブロークンアロー →Amazon
暇つぶしに ジョン・ウー
最初から最後まで全編一貫してアクションの映画。
内容的にはもうどうでも良いような映画なんですが、
アクションだけで、それなりに見せてしまうのが、
ジョン・ウーのすごいところなんじゃないでしょうか。
『フェイス/オフ』もそうでしたが。



12/30 ペーパームーン →Amazon
なかなか ピーター・ボグダノビッチ
セントラル・ステーション』によく似た味わいを持つハリウッド映画。
まあ順番は『ペーパームーン』の方がはるかに先ですが。
見物は子役のテータム・オニール。
この映画で9歳で史上最年少の助演女優賞を獲得したらしいですが、
見事なものです。
内容的には主演女優賞じゃないかと思ったりもするんですが。
ピアノレッスンのアンナ・パキンの受賞は、「?」というところがありますが、
(別に悪いわけではないんですが、「そんなに?」という感じです)
こちらは納得の受賞です。



12/30 シティオブジョイ 
合格です ローランド・ジョフィ
カルカッタのスラムを舞台にしたインド版『赤ひげ』。
ハリウッド映画ですが。
内容的には少しちぐはぐだったり、いい加減なところがあったりしますが。
舞台がインドということで合格。
映画の最初と最後に象徴的にハウラー橋が写されているのが印象的でした。
ちなみに問題のスラム『シティオブジョイ』はどうやらフーリー川の向こう側、
ハウラー駅の周辺の何やらごちゃごちゃしていた辺のようです。
最初に泊まっているホテルが河のこっち側の繁華街の辺だとすると、
タクシーでも20分くらいかかるような距離なんですが・・・
まあ良いでしょう。



12/31 愛と追憶の日々 →Amazon
あんまり・・・ ジェームズ・L・ブルックス
苦手な大河ドラマ系映画です。
嫌いなのは大河ドラマ系というわけではなくて、
映画の中でやたら長い時間が経過して、
その間とぎれとぎれのエピソードが薄く語られていくというタイプの映画。
結局そういうのって大河ドラマ系が多いんです。
でこの映画もかなりそういう傾向を持っています。
なんだか途中途中のエピソードがばらばらな感じで・・・
若奥さんの不倫のところなんかいつの間にか無くなってしまって、
「一体なんだったんだ?」と思ってしまいます。
でもさすがに役者はうまいです。
特にジャック・ニコルソンなんかはすごいですね
(この映画でアカデミー助演男優賞を獲得、
主演のシャーリー・マクレーンも主演女優賞受賞だそうです)。
そこら辺は見る価値あり、でしょう。


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