上海〜昆明

その一 10/25


10/25 19:29昆明行き列車内にて

 おばちゃんにもらった瓜子を食べ終わって一休み。
 今日も午前中はホステルでいろいろ仕事。自分でも毎日一体何をしているのか疑問なんだけど、とにかく何かやっている。11時過ぎにでっかい業務用ビデオカメラを担いだ人がやってきて、ネットコーナーを無造作に撮影し始め、そのうちにちょっとしゃれた格好の女の子が二人やってきて、何やらの撮影を始める。スタッフ2、3人の小規模なもので、ホステルのプロモーションビデオとか、カラオケとか、そんなのじゃないかと思うけど、照明も無しでずいぶん適当な感じ。俺も移っているはずなんだけど、何だったんだろ?
 12時に出発しようとしたら押金の領収書が見つからなくて焦る。20分探したんだけど結局見つからず、参ったなあとフロントに行ったら、何も言わずサイン一発で押金を返してくれた。慣れたものである。
 近くで食事。洋葱牛肉飯7元。ご飯がべちゃべちゃで率直に言って、まずい。南方だから米、と思ったんだけど、面の方がよっぽどうまい。
 バス2元で駅へ行き(待合室が0〜8と九つもあることに驚く。大体第0待合室というのからして変だ)列車に乗る。西安や成都に比べて大分スムーズである。
 列車では今のところ六人掛けコンパートメントでなぜか二人きり。上海の娘のところに二ヶ月滞在して、昆明に帰るというお母さん。差し向かいで瓜子など食べながらいろいろ話をする。「毛沢東の頃は今のような貧富の差は無く、平等だった」と嘆くので、「その頃は平等に貧しかった、んでしょ?」とは言わなかった。危ない、危ない。
 車外の田園地帯はまるで日本のそれのようにきれいで、蘭州やその辺の荒野に草が生えただけような畑とはまるで別世界である。この辺の農民の収入は公務員よりも多いのよ、とおばちゃん。その時は、ヘーそうなんだ、としか思わなかったけど、あとで考えてみると、農民の収入が公務員より多いからどうした、という感じもする。雲南の鉄道で働いている今三十歳の誰か(具体的におばちゃんの何に当たるのかは分からなかった)は月収1000元だそうだ。それは確かに安いなあ。
 杭州東に着いた。遠くに花火が見える。


10/26 20:50昆明行き列車内にて

 さっきカイリという駅(漢字は知らない)に停まって駅弁とカップラーメンで夕食を食べたところ。明らかに多過ぎだけど駅弁どうしても食べたかったし、カップ麺はどうしても食べきる必要があったので仕方ない。
 まずは昨日の補足。杭州東で結構人が乗ってきた。俺のところには二人来て、一人はシーサンパンナ行きの無口なお兄ちゃん、もう一人は昆明行きのおしゃべりなおじさん。おじさんとひとしきり話をする。会社で仕事してた時は毎年冬に東北地方か新彊に行っていて大変だった、とかそんな話。なんか工事関係らしい。今は自分の仕事をしているそうだ。上海〜昆明の列車らしくやっぱり沿海部と内陸部の格差の話になって、西部に工場を造れ、と俺にしきりに持ちかけてくる。土地も人件費もずっと安いぞ。でも西部はインフラの面でかなり遅れているからなあ。成都あたりは魅力あるかもしれないが。そういえばおじさんの生家は成都の青羊宮の裏あたりとのこと。
 カップラーメンで夕食。寝る。


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