バンコク
その五 12/19
日本ですっかり落ち着いてしまって、日記を書く気力があまりわいてこないのだが、最後の一踏ん張りで片付けておこう。
19日。朝、近くで面10バーツを食べてから荷物をまとめてチェックアウト。荷物は宿に預かってもらって最後の観光に出かける。カオサンから歩いてまずはワットプラケオおよび王宮へ。門票250バーツ。ロンリープラネットには200バーツと書いてあったが値上げしたらしい。チェックアウトしてデポジット300バーツを返してもらって、手持ちのバーツがやっと500バーツ足らずしかなかったので、この50バーツの値上げは痛い。
ワットプラケオ。金ぴかキラキラ。同じ仏教でも日本とはまるで違う作り、信仰心の表れである。エメラルドブッダに手を合わせて旅の無事を感謝してくる。あと周りの壁のラーマヤーナの絵は見事だった。
王宮。ワットプラケオよりもむしろ落ち着いた作りである。内部も一部見れるのだが、プノンペンの王宮の方が豪華なような気がする。ちなみにこの中は日本人はもちろん中国人ツアー客が多い。コチャンでは一人も見なかったのだが。聞く所によるとタイに来る中国人はツアーがほとんどらしい。
そこから歩いてワットポーへ。50バーツ。これもロンリープラネットでは20バーツになっている。お金が足りるかどうか不安になってきた。ここの見所は巨大な寝釈迦。でか過ぎて写真を撮りにくい。もちろん金ぴか。あとここはタイマッサージの本場としても有名で、中にお店が何軒もあるのだが、残念ながら現金が足りず、受けられなかった。暇だったらマッサージの講習を受けても面白いと思う。
外に出て昼食。快餐式で30バーツ。そこから歩いて渡し船3バーツに乗り対岸へ渡る。川西岸のワットアルンを見学。20バーツ。細かく彫刻された五本の巨大な塔が建っている。アンコールワットの五本の尖塔同様、ヒンズー教の影響だろうか?ちなみにタイのお寺はいろいろと大きくてきれいな建築物が多いのだが、遠くから全体像を眺めるようなスペースが無いので、あまりきれいに見ることができない事が多い。
そこから渡し船には戻らず、歩きで南の方へ進み、市の南側の橋(メモリアルブリッジ)を渡って(ただし一時間以上歩く)チャイナタウンへ。
特に何を買うとも無くぶらぶらと店を見て回る。サイゴンでも同じように感じたのだが、特に「チャイナ」な印象は無い。それらしいのは店の名前がタイ語と漢字で併記されているくらいである。むしろ「チャイナ」としての面目は、その賑やかな市場にあるように思う。こう考えると中国人というのがいかに商売向きの民族であるかという事がわかる。ちなみにチャイナタウンの近くにはCD屋ばかり並んでいる通りがあって、ここだと一枚40バーツで売っていた。ここで買えば良かった。
チャイナタウンから歩いて北上。地図上の「ジャイアントスイング」なるものを目指すが、広場があるだけでそれらしきものは見つからなかった。一体なんだったんだろう?歩きすぎて大分疲れたので広場でしばらく休憩。
三十分ほど休み、最後の力を振り絞って、歩いてカオサンへ戻る。夕食は近くの食堂でトムヤンクンとご飯、40バーツ。店先にうまそうなカレーみたいな鍋があったので、「これなんだ?」と聞いてみたら、ズバリ、トムヤンクンだった。危うく食べないで日本に帰ってくるところだった。味はおいしかったんだけど・・・辛い。唐辛子をそのまま食べたような強烈な辛さがあって、食べ終わってから十分近く氷で舌を冷やさなくてはならなかった。びっくりした。
食べ終えて荷物を持って、飛行機のチケットを買ったオフィスで飛行場行きのバスを待ち、八時半過ぎ、迎えが来てワゴン車で空港へ。開港したての新空港、さすがにピカピカである。
チェックインの際荷物を間違えられるという問題はあったものの、まあまあスムーズに出国手続きまで終わることができた。免税店エリアでビールの一杯も飲もうかと思ったら、シンハの缶一本100バーツとかメチャメチャな価格設定になっていて、結局何も買わなかった。高すぎる以前に現金が40バーツくらいしか残っていなかったので。
夜中12時40分くらい、予定よりも三十分ほど遅れて搭乗、すぐに離陸。チェックインが遅かったおかげか、窓際三人がけの席で俺一人だったので夜は横になって眠ることができた。
20日の分も少し付け足しておく。朝5時半くらいに朝食が配られる。食べ終わってまだ早いのでちょっと寝ようとしたら、すぐに到着体勢云々のアナウンスが。よく考えたら時差が二時間あるので六時が、到着予定である日本の八時に当たるわけである。予想していなかったのでからだが全然反応できず、まだかなり眠い状態で成田に降り立つ。成田は思ったほど寒くはなかった。
荷物は特に問題無く帰ってきて、何事も無く入国、帰国・・・といきたかったのだが、今度は税関でトラブル。「麻薬捜査犬があなたに興味を示したのでちょっと別室へ」だって。捜査犬がうろうろしているので興味を持ってみていたのだが、まさか向こうも俺に興味を持つとは思わなかった。犬はしきりに俺の靴のにおいを嗅いでいたのだが、他の犬のおしっこでもついてたのかな?
で、別室に連れて行かれて二人の係官に荷物を洗いざらいチェックされる。ここには犬は同席していない。荷物を全部チェックされたものの調べ方は結構雑で、洗剤とかシャンプーとかあまり詳しくチェックしていなかった。まあ事前の聞き取りで怪しいか怪しくないかを見て、それによって対応を変えているんだろうけど。話を聞いてみたら「タイは取り締まりが厳しくなって、今は麻薬は多くない」「ムンバイ発バンコク経由東京行きなので特に警戒している」との事だった。確かにサイゴンやプノンペンで「ハッパ、ハッパ」と声をかけられる事は多かったけど、バンコクではなかったよなあ。カオサンの入口で声をかけてくるのはもっぱら「オンナ」「ススキノ」だった。しかしなんで「カブキチョー」じゃなくて「ススキノ」なんだろ?
そんな感じで最後の最後までトラブルだったが、まあ無事に日本に帰ってくることができた。
最後に旅の総括を起きたいところだが、なにぶん長過ぎて何を書けばいいのかわからないので、気が向いた時にでも、また改めて書くかもしれない。
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